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「自炊」のファイル名はこう付ける! (← 悩んだ末の解決策)
こんにちは。水口です。
昨年、本の「自炊」に関するニュースがありました。
作家が「自炊」を代行する業者を訴えたというニュースです。
(↓この記事で紹介しています)
本の「自炊」はいけないことなのか?
この訴訟は、自炊(自分で本をスキャンして電子化すること)を代行する
業者を訴えたものです。しかし、その記者会見の中で、本を裁断する行為
自体を非難すると取れる発言もありました。
作家の気持ちとして「裁断してほしくない」という気持ちを持つのは当然なの
かもしれません。しかし、自分の本を自分でスキャンして自分で利用するので
あれば、その行為は法に触れるわけではありません。本を裁断→スキャンする
こと自体を非難するのは、私は筋違いだと思います。
・・・というのが私の意見です。
※ その作家さんを非難する意図があるわけではありません。
(気持ちとしては理解できるところはありますので)
そして、ちょっと懸念しているのは、もし上記の記者会見などの影響で、
「自炊」そのものが悪いことのように思われてしまうかもしれないことです。
そこで、逆に「自炊派」の人たちを応援しようかなという気がしてきました。
そんなわけで、今日は本の「自炊」の話です。
■ 本の自炊を始めました
実は最近、私も本格的に本の「自炊」を始めることにしました。
スキャナーは前から持っていましたが、これまでは積極的に「自炊」をして
いたわけではありません(スキャナーは主に書類用に使ってました)。
これまで、あまり「自炊」しなかった理由はいくつかあります。たとえば、
「やっぱり紙の本の方が読みやすい」というのもその一つ。
そして、それ以上に大きいかもしれない理由が、「電子化した本をどう
整理するか?」という問題です。
たとえば、電子書籍を扱うアプリの中には、本棚風の画面から、本を
選ぶようなインターフェースが採用されているものがあります。しかし、
私はこういうのは、かえって使いづらそうに思えます。数十冊くらいなら
いいですが、数百冊となると目的の本を探すのに苦労しそうです。
かといって、Windowsのフォルダーに、本のタイトルがついたPDFファイル
がずらっと並んでいるだけというのも、やっぱり使いづらそう・・・。
そんなわけで、なかなか手を出しづらかったんです。
■ なぜ「自炊」を始めたかというと・・・
今回、本格的に「自炊」してみようと思ったのは、省スペース化以外にも
「自炊」にはメリットがあるかもしれないと思い始めたことと、整理方法の
問題に一応自分なりの答を見つけたこととが後押しになってます。
以下、ちょっと余談になるかもしれませんが・・・、
自炊のメリットに関連する話です。
―――――――――――――――――――――――――――――
私は昨年、自宅のCDプレイヤーを撤去しました。CDプレイヤーは使わず、
パソコンを使って再生するようにしたわけです。
それにともなって、手持ちのCDをパソコンに取り込む作業を少しずつ
進めています(まだ全部は終わってませんが、八割方終わりました)。
そのなかで、ちょっと感じたことがあるんです。
私の場合「CDをパソコンに取り込む」こと自体は、かなり以前から
(iPodがWindows対応してない頃から)やっていましたが、取り込んで
いた枚数は100枚程度でした。
(それを学習用の音声ファイルとかと合わせて持ち歩いてました)
今進めている作業はそれとは違い、たまにしか聞かないCDや、ちょっと
マニアックな趣味のCDも含め、あるものすべてを取り込む作業です。
これを実際やってみると、いろいろ発見がありました。
手持ちのCDから100枚程度を選んで取り込んだ場合、自分がよく聞く
CDをピックアップすることになるわけで、取り込んだCDを眺めてみても
(お気に入りのものではあるけど)、これといった発見はありません。
一方、手持ちのものをすべて取り込むつもりで作業を続けていくと、
200〜300枚を超えたあたりから、変化が出てきました。
「ああ、昔はこういうCDも聞いてたなあ」と、
自分の趣味嗜好を再確認したり
「これまた聞いてみよう」→「前に聞いた感じよりもいいなあ」と、
自分の嗜好の変化を発見したり
「このアーティスト(このジャンル)のCDをまた探してみよう」と、
新たにCDを探してみたり
・・・のように、いろいろ感じたり、行動したりするようになりました。
結果として、(自発的に)自分の興味の幅を広げたり、深めたりすることに
つながっている感じです。これは意外で、面白い体験でした。
そこで本に話が戻って・・・
本の場合も、数十冊程度を取り込んだだけでは見えてこないものが、
数百冊を電子化すると見えてくるのではないか?
それが(いまの)自分に必要な本を再読することにつながったり、
自分が深めたいところ、幅を広げたいところが見えてきたりするのでは?
というのが、私がの仮説であり、期待しているところです。
※ 「電子書籍をたくさん持っていればいい」ということではありません。
あくまでも「自分が読んだ本」を電子化することに意味があるのでは
ないか? という話です。
―――――――――――――――――――――――――――――
そんなことがあって、本腰を入れて「自炊」に取り組むことにしたわけです。
別にブログに書くつもりで始めたわけではなく、まったく個人的な理由で
始めたのですが、冒頭のような理由があってブログに書くことにしました。
■ 問題は自炊した本の整理方法
さて、次は整理方法です。
「自炊」した本は、PDF形式などのファイルになるわけですが、これに
どうファイル名をつけるか、どう整理するかは、結構やっかいな問題です。
たとえばCDの場合、iTunesやWindows Media Playerからデータベースを
呼び出してタイトルをつけると、
「アーティスト名」のフォルダー
→ 「アルバムタイトル」のフォルダー
→ 「曲名」のファイル
というファイルが作られます。
(クラシックは「作曲者」「指揮者」で分類が統一できなくて難しいですが・・)
本の場合、スキャン用のソフトでスキャンしても、こういったフォルダー名や
ファイル名を自動でつけてくれるわけではありません・・・。これを一つ一つ
入力する作業って、(たくさんやる場合は)結構な負担になります。
また、文芸書はともかく、ビジネス書の場合、CDと違って、「著者買い」よりも
「タイトル買い」することが多いです。ですから、著者名のフォルダーを作って
ファイルを入れたとしても、あとで見たらピンとこない(つまり探しにくい)こと
になりそうです。
あるいは、本の「カテゴリー」でフォルダーを作る方法も考えられます。おそらく
その方が便利だと思いますが、たまに著者名で本を探したいときもあるので、
その場合には不便そうな予感がひしひしと・・・。
(同じ著者が複数のカテゴリーで本を書いていたりするとややこしそうです)
・・・というように、悩んでいたのですが、今回一応の結論を出しました。
結局、「すべてを満足する分類方法はない」と判断して、ファイルに直接
アクセスするのをあきらめることにしました。リストで管理します。
具体的にいうと、Excel上に作ったリストからアクセスすることにしました。
やり方を簡単にいうとこんな感じ↓です。
―――――――――――――――――――――――――――――
・ スキャンするときの本のファイル名はISBNコードにする
(スキャナーでバーコードを読み取れば打ち込まなくてもすむ!)
・ できたファイル名(例:4788910438.pdf) をコピーし、Excelに貼付ける
(これは複数のファイルがたまってからまとめて行う)
・ そのファイル名から「LEFT」関数を使ってISBNコード(例:4788910438)
だけを抽出する(事前に関数を組んだところに上記ファイル名を貼付ける)
・ そのISBNコードを(いくつかまとめて)『私本管理Plus』というソフトに
入力。本の情報を検索する。
・ その本の情報をCSVファイルで書き出す
・ CSVファイルを開いて、その内容を、Excelのシート上に貼付ける
→ 自分に必要な項目だけを参照するよう設定した別のシートに
そのデータが表示される (そうなるように事前に組んでおく)
・ その「必要な項目」を、書籍リスト上に貼付ける
(スキャンするたびに、このリストに追加していく)
【↑ここまでで一応リストはできあがり】
【↓使い勝手を良くするために】
・ 時系列のリストはそのまま残しておいて(時系列で随時追加していく)、
それをコピーして、カテゴリー分けなどのリストを作成する
【↓本を読むときには】
・ リストにはタイトル名、著者名等が表示されているので、ざーっと見たり、
検索したりして本を探す。(上記カテゴリー分けリストがあると便利)
開きたい本があれば、そのリンクをクリックするとファイルが開く。
ここでのコツは、ISBNコードをもとにして、「HYPERLINK」I関数で
ファイル開くためのリンクを表示させていることです。
たとえば・・・
=HYPERLINK(CONCATENATE("フォルダー名",参照するセル,".pdf"))
という関数の組み合わせで、上記pdfファイルを開くためのリンクを
表示させることができます。
―――――――――――――――――――――――――――――
こうやり方にした主旨は・・・
・普通にWindows上(エクスプローラー上)でファイルを探すやり方では、
ファイル数が増えると探しにくくなるであろうことは必至・・・。
(マメに整理できる人なら大丈夫かもしれませんが、私は無理・・・)
・それなら、Windows上からファイルを探すことをあきらめて、
Excelからアクセスした方がいいのでは?
(もちろんExcel以外の表計算でもハイパーリンクが使えるならOK)
・そうすれば、(Excel上には)本のタイトルと著者名の両方表示できる。
出版社や定価なども表示できる。 (←これはあまり使わないけど・・・)
もちろん、リストを並べ替えたり、検索したりするのも自由。
・Excelから開くことを前提にするなら、ファイル名はISBNコードでOK。
そうすれば長いタイトル名を打ち込まなくてもいいし、バーコードリーダー
を使えばさらに楽になる。
・もし、あとで書名のファイル名にしたくなった場合も、Excel上から
ファイル名をコピー・貼付けすれば、それほど手間はかからない。
※ Excelで「書名+.pdf」というファイル名を表示させたリストを作り、
実際のファイルと両方をISBNコード順に並べ替えして、上から
順に一つずつコピペしていけばOK。
(書名を手打ちするより楽かも?)
という理由です。
ちなみに私の場合、今のところ、未読の本ではなく、読み終わった本
(あるいは「目は通した」本)を対象にしています。一度読んだ本でもあるし、
「読みやすい」というメリットを捨ててもいい。それで「探しやすい」あるいは
「分類整理しやすい」「全体を俯瞰しやすい」というメリットが得られれば、
ちょっと面白いことになるんじゃないか・・・と期待しています。
まだやり始めて間もないですが(まだ100冊少々しか入ってません)、
いまのところ、使い勝手は悪くなさそうな感じです。
(10冊以上スキャンしたあとで、上記の作業を行う感じでやってます)
もちろん、いくらかの手間はかかりますし、Excelに慣れていない人だと
途中で訳が分からなくなる場合もあるかも・・・? なので、誰にでも
おすすめするというわけにはいきませんが、私と同様の課題があり、
表計算ソフトが得意な方は試してみてはいかがでしょうか。
ちなみに、私はこういうバーコードリーダー↓を使ってます。
―――――――――――――――――――――――――――――
エフケイシステム CCDバーコードリーダー USBインターフェイス TSK-Uエフケイシステム
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る
―――――――――――――――――――――――――――――
ドライバー等が不要で、USBに挿すだけで使用できます。
なかなか便利。
今日の記事作成時間は96分でした。
長かったー・・・(汗)
では、また次回!
『Wisdom』での連載(第2回)がアップされました!
こんにちは。水口です。
今週、NECさんの「Wisdom」というサイトで書いている連載記事の
第2回目がアップされました。
この連載は、ほぼ月イチで記事をアップして、6回連載で終わり。
それをこれまでに3シーズンやっていて、今回は4シーズン目です。
(Wisdomのトップページはこちら↓です)
Wisdom 〜ビジネスに役立つ「次の一手」をあなたに
(今回の最新記事(第2回)はこちら↓です)
「逆ホウレンソウ」がコミュニケーションの効果を高める
: 「一人二役リーダー」のための時間術 | Wisdom
今回のテーマは特に「リーダー」の立場を務める人の「コミュニケーション」です。
上記記事のなかでも書いていますが、忙しいリーダーはコミュニケーションが
不足しがちなもの。自分の仕事が忙しくて、部下の仕事にまでは気が回らなく
という状況がときどきあるという人は多いと思います。
そんなコミュニケーション不足に対する、リーダー自身の受け止め方はさまざま。
「部下に申し訳ない」「部下に対する思いやりが足りなかった」と自分を責める
リーダーもいますが、「思いやり」のような人格的な話、抽象的な話よりも、
もっと具体的に仕事のやり方を考えていこうというのが私からの提案です。
また、逆に「部下がホウレンソウしてこないのが悪いんだ」と部下のせいにする
リーダーもいます。 しかし、これもちょっと無茶な話。自分が部下だった頃の
ことを思い出してみれば、上司視点の「理想のホウレンソウ」と、部下視点の
「理想のホウレンソウ」はかなり違うもの。「ホウレンソウ」するよう指導すること
は必要ですが、「部下がちゃんとホウレンソウすればうまくいくはずだ」というのは
現実的ではありません。ある意味、リーダーの傲慢かもしれません。
そんな状況に対する解決策を提示しているのが、上記の記事です。
部下からの「ホウレンソウ」に頼るだけではなく、リーダー側からも聞いていく
「逆ホウレンソウ」もやっていきましょう、という提案です。
リーダー側から聞いていくというと、リーダー側が気をつかってばかりいるような
印象を受けるかもしれません。しかし、リーダーだって忙しい毎日を過ごしてます。
おたがい「歩み寄り」する感じでいければいいですよね。
そんなわけで、リーダーにとってあまり負担にならず、でも部下の仕事の進みに
も気を配れる、そんなやり方を提案していきたいと思っています。
ところで、上記のWisdomの前回の記事(第1回)では、リーダーの方から、
多くのコメントを頂きました。書籍プレゼントがあったためでもありますが、
それにしてもコメントの数が多く、やはり「悩めるリーダー」は多いのかなと
感じています。
また、「今はまだリーダーではないけど」という方からもコメントを頂きました。
そういう方の場合、「自分がリーダーになったときのために」という目的で
読む方もいます。
そういう読まれ方をするのは想定していましたが、それとは違う感じで、
「うちのリーダーはなんでこんなに忙しそうなんだ?」という疑問を持って
記事を読んでくれた方もいるようです。
あらためて、リーダーのことを心配したり、気をつかったりしている部下の
方も多いんだなあ・・・と感じます。
なかには書籍(部下を持つ人の時間術)のプレゼントが当たったら、上司に
読ませてあげたいという人もいました・・・(涙)
部下の方に心配をかけないためにも、リーダーの方たちには、時間管理の
手法をうまく応用して、コミュニケーションを充実させてもらえるといいなと
思っております。そのためにも、私もがんばらないと(汗)
今日の記事作成時間は28分でした。
では、また次回!
新書の魅力は安いだけじゃない!?
こんにちは。水口です。
今年もよろしくお願い致します!
今日は本の話です。
今日、ちょっと書店に寄って新書を3冊買ってきました。
「新書のコーナーが拡張されてるなあ・・・」と思って見てるうちに、
ついつい気になった本を3冊、手に取っていました。
(ほんの10分くらいの間に・・・恐るべし (汗) )
しかし、最近は新書がよく出てますよね。従来は新書を出してなかった
出版社からもいろいろ出ています。
私が今日買ったのは、音楽業界に関する新書と、発達障害に関するもの、
あとはマスメディア論(タブーに関する話)の新書です。
音楽業界の本を買った理由は、音楽業界は書籍よりも早く電子化されて
ダウンロード販売が定着しているので、書籍の今後を考える上で参考に
なるかな・・・と思って。
発達障害の本を買った理由は、発達障害について勉強中だからです。
新書だけでなくいろいろ読んでますが、新書は現場で起こってることを
タイムリーに取り上げている場合があるので、よくチェックします。
マスメディア論の本を買った理由は、私自身多少なりともメディアに
関わる仕事をしているから・・・
・・・等々、もっともらしい理由をつけることもできますが、実際のところは
どの本も、単純に興味をひかれただけなのかもしれません。
今日、新書の棚を見ていて思ったのですが、新書はバリエーションに富んで
いますよね。文化論的な話もあれば、時事問題もあるし、もちろんビジネス
系の話もあります。今は新刊の数が多いので、新刊をざっとチェックするだけ
でも面白いですし、普段は読まない分野の本も手に取ってみたくなります。
これがいわゆる「ビジネス書」や「専門書」のコーナーだと、なかなかそうは
いきません。ついつい、最初から分野を絞り込んでしまいます。
(たとえば、音楽業界の本なんて手に取ることはないと思います)
こういうところが、新書のいいところなのかなと最近思っています。
新書はたいてい出版社別に並ぶので、そのなかには、さまざまなジャンル
が含まれます。自分の専門分野や、特に興味がある分野ではなくても、
ちょっと気になる本って、あったりしますよね。そういう本を見つけやすいし、
短時間で読めるので、その本が「外れ」だったとしても後悔は少ないです。
(昔と比べて値段が上がっているのは、多少気になりますが・・・)
そんな感じで、私は以前より新書を買う機会が増えつつある感じです。
その一方で、分厚い専門書を読む機会も増えています。逆に読む機会
が減っているのが、ソフトカバーのビジネス書・・・という感じです。
(ハードカバーではない1300〜1500円くらいのビジネス書のことです)
自分でもソフトカバーのビジネス書を書いていて、こんなことを言うのも
何ですが・・・、ソフトカバーのビジネス書って、昔よりも有り難みが薄れて
きて、中途半端な立ち位置になっているような気もします。
私がそういう本をたくさん読んできたから、そう感じるのか・・・?
他の皆さんも、同じように感じているのか・・・?
どうなんでしょうね。
とりあえず書く側としても、そういう「中途半端感」が気になっているので、
昨年出した本『部下を持つ人の時間術』は「中途半端感」が出ないよう
意識して、ページ数も多くしてみました。
ただ、読者対象によっては、厚い本は敬遠されることもあるので、
難しいところもありますね・・・。今後、悩みそうです。
そんな内輪の話はともかく・・・
以前に比べて新書が増えたので、新刊をチェックするだけでも、なかなか
面白いものです。新書のコーナーで普段買わない分野の本をチェックして
みてはいかがでしょうか。おすすめです。
今日の記事作成時間は38分でした。
では、また次回!
「想定できなかった」と「想定していなかった」の違い
こんにちは。水口です。
今日はマニアックな話ですし、時間管理とは関係ない話なので、
興味のない方はスルーしてください。
このブログでは、原発事故関連の話題はあまり取り上げてないのですが、
今年の総括として、ひとつ取り上げておきたい話題があります。
今年の原発事故に関連して、私が気になっている言葉があります。
それが『想定』という言葉です。
この言葉の使われ方が、ちょっと気になるんです。
■ 「想定できなかった」と「想定しなかった」は違う
私が気になるのは、今回の原発事故に関連して「想定できなかった」と
いう言葉がよく使われているところです。
東京電力の発表のなかで聞くだけでなく、マスメディアのなかでもこの
「想定できなかった」という言葉がよく使われています。
しかし、私は、この言葉使いはすべきでないと考えています。今回の津波に
関しては「想定できなかった」よりも「想定しなかった」と言うべきだと考えます。
というのは・・・
たとえば、自動車の設計において安全性を検討する場合、さまざまな「想定」が
なされます。
「○○の故障が生じた場合、□□の不具合が発生する」というように、様々な
故障モードを想定し、そうなった場合の危険の大きさや、その故障モードが発生
する確率の高さを評価し、その上で、そうならないための対策を検討します。
しかし、自動車は使い方しだいで危険なものに成り得るのは間違いありません。
仮に、故意に人を殺傷しようとして車を運転する人がいたとしたら、それを止める
術はありませんでした(最近ではスバルの例など、実用化されつつありますが)。
「どんな状況においても自動車は安全なものであり、人を傷つけるべきではない」
という観点に立てば、自動車は不完全なものと言えるかもしれません。しかし、
それは技術的に不可能だったし、そもそも、それを言い出したら包丁だって
カッターだって危険です。
ですから、自動車の場合は・・・、
「故意に人を殺傷しようとして運転する人」もいるかもしれないけど、そこまで
想定して安全を確保することはできない・・・という立場で開発してるわけです。
この場合、設計者は「故意に人を殺傷しようとして運転する人」がいるかもしれ
ないことを想定できないわけではありません。人並みの想像力があれば、そう
いう事態が(数は少ないにせよ)起こり得ることは想像できます。
つまり、自動車メーカーにとって「故意に人を殺傷しようとして運転する人」の
存在は「想定できない」わけではないけれど、安全対策を検討する上では
「そこまでは想定しない」という判断を下しているわけです。
それを「想定できない」わけではないけれど、
それを「想定しない」という判断を下す。
このように「想定できない」ことと「想定しない」ことは明らかに異なります。
設計者としては、故意に人を殺傷しようとしても殺傷できない車を開発したい
という気持ちはあるものの、現実的にそこまではできないので「想定しない」と
いう判断をしているわけです。また、この判断において自動車メーカーが責め
られることはありませんでした。そこまで安全対策をしろというのは、無理が
ありますから(今後は変わるかもしれませんが)。
■ 「想定できなかった」という言葉が問題をぼやけさせる
で、今回の原発事故における津波の場合は・・・
「想定できなかった」のではなく「想定しなかった」のは明らかです。
たとえば、「将来、東北地方で最大○メートルの津波が発生する可能性がある」
という予測値はあったでしょうけど、それと設計上の「想定」は別です。
機械の設計においては、予測される使用条件よりも強度を高く設計するのが
当たり前で、その比率を表す「安全率」という言葉もあります。
予測よりも高い負荷がかかる場合、劣化により強度が低下する場合、あるいは
施工や製作過程でバラツキがあった場合・・・等々を想定して、より高い負荷に
耐えられるように設計上の強度を決めます。
津波の場合、予測値よりも高い波が来ることもあるかもしれないということは
誰にでも想像できます。逆に、「予測値よりも高い波は絶対来ない」と断言する
方が難しいくらいです。
あるいは、極端な例を考えれば、地球に小惑星が衝突すれば、数百メートル
(あるいはそれ以上)の津波が生じるし、実際に過去にそういうことが起こった
ことも分かっています(人類誕生以前の話ですが)。
ですから、非常に高い津波が来ることが「想定できなかった」と言うのは、
根本的に間違っています。
その上で、たとえば「数百メートル規模の津波が来れば、人類そのものが絶滅
する可能性もあるくらいだから、そこまで想定しなくていいんじゃない」という
判断もあるかもしれません。
そうやって現実的な落としどころとして「○○メートルの津波に耐えるように
設計しよう」というのが、「想定をする」ということです。
十数メートル規模の津波が来る可能性は(小さいにせよ)あったわけで、
「想定できなかった」と言うのは不適切。「想定しなかった」と言うべきです。
■ 「想定しない」こと自体が悪いわけではない
「想定しなかった」というと、何だか無責任な感じがするかもしれませんが、
自動車にせよ、建築物にせよ、なんらかの想定のもとに設計基準が決められ
ているわけですし、「(想像できるけど)想定していない」事象は必ずあります。
ですから、何の分野であれ、設計者が「これ以上の条件は想定していない」と
いうこと自体は恥ずべきことではありません。重要なのは、その「想定」の
レベルが妥当かどうかです。
※ これは私達自身の仕事についても同じです。
というわけで、今回の原発事故において必要なのは・・・
まず、「こういう想定で作りました」という設計上の基準を詳細に公開する。
実際の施工や管理が「設計上の想定に耐えられるものだったか」を調査する。
そして、そもそも「その想定や安全率が適切であったかどうか」を検証する。
の3点ではないでしょうか。これが明確にならなければ進歩はありませんし、
この議論がなければ、私はストレステストの結果も信用しません。
この議論の前提になるのは、「想定」は「できる・できない」の問題ではなく
「する・しない」の問題だという認識です。逆に、「想定できなかった」と
いう言葉を使えば使うほど、問題の焦点はぼやけていきます。
で・・・、残念なのは、本来ならばこういうことを指摘すべきマスメディアで
「想定できなかった」という言葉づかいをしているケースが多いことです。
「想定外」とか「想定していなかった」という言葉と、「想定できなかった」と
いう言葉には大きな違いがあると「想定」してくれればなあ・・・と思います。
※ たとえば、どんな科学者も予想しなかったような物理現象が起こった
のなら「想定できなかった」と言ってもいいと思いますが、今回のケース
は明らかにそれには該当しないはずです。
重箱の隅をつっつくような話を考えてたせいか、
今日の記事作成時間は90分もかかってしまいました・・・
では、また次回!
1月の一般参加可能なセミナー2件と、雑誌掲載などのお知らせ
こんにちは。水口です。
「来年のことを言うと鬼が笑う」と言いますが、
これだけ年末が押し迫れば、笑うひまもないでしょう。
1月のイベントのお知らせです。
私は、本などの原稿書きの仕事以外に、講演や研修の仕事もしています。
企業や自治体がらみ、各種団体など、いろいろなところに行きますが、
多くはその組織内の方を対象にしています。誰でも参加できる場で
話をする機会はあまり多くありません。
そんなわけで、誰でも参加できるセミナー等の講師をする際には
ブログなどでも告知するようにしています。
(↑たまに告知を忘れるので、ちゃんとタスクとして書くようにしますね)
来月(1月)に行われるものの一つが、足立区の生涯学習センターでの
セミナーです。(一応有料ですが、かなりお安いです)
(このページ↓でいろいろ紹介されています)
【生涯学習センターが主催する講座・イベント】:施設のご案内
(私のセミナーはこちら↓です)
あだち学び情報館“まなボー☆”
時間を上手く使いたい人の「お手軽時間管理術」
1/15(日)の午後、2時間半のセミナーを行います。
こういう機会は少なめなので、お近くの方はぜひご参加ください。
もう一つは、大阪商工会議所でのセミナーです。
こちらはじっくり1日コース(有料)です。
大阪商工会議所さんではこれまでにも何度もセミナーを行ってますが、
今回の場所は大阪商工会議所さん(堺筋本町・谷町4丁目)ではなく、
南森町での開催になります。
お近くの方は、会社に頼んで行かせてもらうといいかも?
1/18(水)の開催です。
(詳しくはこちら↓をご覧ください)
リーダーのための仕事の段取りと時間管理術
誰でも参加できるタイプのセミナー(1月分)は今のところ以上です。
(今の時期に入ってないので、1月はもうないと思います)
他に1月は『月刊ナースマネジャー』という雑誌に執筆していたり、
『日経ビジネス Associe』の付録に私おすすめの計画表が採用されて
いたりします(Associe誌は今月も取材頂いた記事が載っています)。
あと、今月始まった『Wiscom』での連載は、もちろん来月も続きます。
(私のページはこちら↓ これは今月分です)
現在のリーダーはなぜ忙しいのか?
: 「一人二役リーダー」のための時間術 | Wisdom
雑誌などの記事は、取材を受けたり執筆したりした時点と、実際に発行
される時点が割とずれる(1ヶ月以上空くことも多い)ので、感覚的には
忘れた頃に掲載されていることが多いです。
(知人に「出てましたね」と言われて気づくこともあります (汗))
「自分が出てるから買ってね」「読んでね」とは言いませんが、
見かけたら「お、やってるね」と暖かく見守って頂けると幸いです。
今日の記事作成時間は29分でした。
では、また次回!
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