2005年08月18日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

時間管理術の七つの嘘 その1 : 優先順位をつければうまくいくのか? (3)

前回に続いて、「何を優先するか」 を決める方法について
考えてみます。


「7つの習慣」で述べられている「優先順位」、つまり下の図の
Bを重視する! という考え方だけを実践すると・・・、


単なる「やな奴」になってしまう危険性がある。


と前回述べました。


 (注)「7つの習慣」がよくない、と言っているわけではありません。
     一部分だけを取り出して使うとよくない場合がある。
     と言っているわけです。


↓ 「重要性」と「緊急性」のマトリックス再び登場です。

重要緊急マトリックス.jpg


このようなマトリックスは、スティーブン・R・コヴィー 著の

「7つの習慣」や、他のいくつかの時間管理本で出てきます。

ものごとを「重要性」と「緊急性」で4分割で分類したものです。

A:重要性、緊急性ともに高い    (目の前の重要な仕事)
B:重要性が高いが、緊急性は低い (将来のための重要な仕事)
C:重要性は低いが、緊急性は高い (目の前の、割とささいな仕事)
D:重要性は低く、  緊急性も低い (「どうでもいい」仕事)

という感じです。

(各領域の呼び名や、左右の向きなどは本によって異なります。)


今回は、「7つの習慣」に限った話ではなく、上の図のような、
「重要性」と「緊急性」で分類することについて考察してみます。


「重要性」と「緊急性」で分類する、このマトリックスの考えを
最初に聞いたときは、なるほど、と思いました。


自分の経験でも、


 ・Aに分類される、重要かつ緊急なことに意識が集中しがちで、
 ・Bの、緊急ではない「重要」なことに力を注げない。
 ・かと思うと、「どうでもいい」Dに、つい意識がいってしまう。

そんなことがよくありました。それを防ぐために
この分類の仕方はすごくいい!と思いました・・・。



でも、実際に仕事をする中で、この考え方と合わない部分が

出てくるのです。


例えば・・・

次の2つの仕事があったとします。

 仕事 機明後日15時スタートの会議用の資料を作成すること

 仕事 供В各後の10時に提出する報告書を作成すること




あなたは、どちらが緊急だと思いますか?



普通は、仕事気量生綟の資料の方が緊急性が高いですよね。
仕事兇茲蠅癲納期(締め切り)が1日前ですから。


でも、機↓ が次のような場合はどうなるでしょう?


・仕事 気硫餤塚兒駑舛錬腺瓦1枚。
 1時間もあれば作成できてしまいます。

・仕事 兇諒鷙霆颪呂燭辰廚30ページの提案書。
 作成に20時間はかかります。


この場合・・・、


この前に別の仕事をやっていたとして、気房茲蠅かるのは、
明後日の14時(会議1時間前)まで、ねばれることになります。


では、もし、兇房茲蠅かるのを、同じ明後日の14時までねばったら、
どうなるでしょう?

14時から翌日の朝10時まで、20時間しかありません。


そうです。納期までに仕上げるには、ノンストップの徹夜作業を
しないといけないのです。


この兇蓮普通の勤務時間内でやろうと思ったら、
今すぐに始めないといけない仕事だったのです。

いつ始めないと間に合わないか?という意味での緊急性を考えると、
兇龍杁淦は極めて高かったのです。



ちょっと、極端な話でしたかね・・・。

でも、仕事の納期にばかりに気がとられると、
似たような失敗をする可能性があります。。


実際に、私は似たような失敗を何度もやったことがあります。
さすがに、さっきの話のような極端なことはありませんでしたよ。

深夜の残業でなんとか帳尻が合う程度ですから・・・(涙




私が言いたいことはこうです。

仕事の緊急性を考えるときには、

 ・納期(いつまでに終わらせないといけないか)に気を取られるよりも、
  「いつスタートすれば間に合うのか」を知ることが重要。


ということです。こう書くと、当たり前のことを言っているだけみたいですね。

しかし、次の2つが正確に分かっていないと、「いつスタートすれば間に合うのか」
を知ることはできません。

その2つとは、

 ・納期(締め切り)までに、自分が使える時間
  (ほかの「やること」の時間をすべて差し引いた残りの時間です。)


 ・その仕事をやるのに必要な時間


なのです。

 (8/20 追記)
 この、使える時間と必要な時間を、見積もりながら

 仕事をしている人は意外と少ない、というのが私の実感です。
 かなり「デキる」人でも、経験とカンだけで判断しているのです。

 もちろん、この2つを完璧に見積ることは実際には不可能です。
 どの程度の時間をかけて、どの程度まで精度よく見積もるか?
 ということが、時間管理の重要なポイントの1つだと私は考えます。
 (追記終り)



最初にあげたマトリックスのように、単純化した分類にそって
考えると、納期にだけ目がいってしまったりします。

このマトリックスを日々の仕事の中で適用しようとするのは
ちょっと無理があると思います。


  長期目標と短期目標のような、大きな分類をする上では
  問題ないんですけどね・・・。

  私は、あのマトリックスは仕事の優先順位を考えるための

  ものではないと思います。
  もう少し、長いスパンでの目標設定を考えるためのものでは
  ないでしょうか。


私と同じように、
単なる「緊急性」という分類では、実際の仕事の場での判断はできない!
という経験は、みなさんもすでにされているのではないでしょうか。


今回はここまでです。


「なにを優先するか」についての話はもう少し続きます。

次回は違うタイプの分類法を取り上げてみます。


参考文献
スティーブン・R・コヴィー (ジェームス スキナー、川西 茂訳)
7つの習慣:成功には原則があった!.キング・ベアー出版,1996

7つの習慣―成功には原則があった!



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Posted by 水口和彦 at 23:48│Comments(4)TrackBack(0)

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この記事へのコメント
「いつスタートすれば間に合うのか」を知ることが重要。

そのとおりですね。私は計画性が大切だと思いブログに書きました。


優先順位を持つことで、見切りもつけることが出来ますし。


Posted by CMD22歳大学生 at 2005年11月10日 08:00
コメントありがとうございます。
「いつまでにやらないといけないか?」にフォーカスしてしまうと、どうしても「バタ男」になってしまいがちですよね。
「いつからやりはじめるか?」を意識するするのが、自分の時間戦略を考える第一歩だと思います。
このへんのことについては、新しいシリーズ記事でも触れてみたいと思っていますので、またのぞいてみてください(^_^)
Posted by k_minakuchi at 2005年11月10日 22:40
 重要性と緊急性のマトリクスを誤解しているように読めます。例えば・・以下の仕事1,2はコビィーに言わせればどちらもAとなるでしょう。
 Cとなるのはやる必要のない仕事です。不必要な電話やメールチェックがこれにあたります。過剰なコミュニケーション、無意味な人間関係がこれにあたります。
 7つの習慣をもう一度読み直したほうがよいのでは?
Posted by 河岸 at 2009年12月22日 02:20
水口です。
河岸さん、コメントありがとうございます。

おっしゃることは分かります(仕事1、2は7つの習慣的にはAだということ)。
ただ、実際に「忙しくて時間が足りない」と追い込まれているビジネスパーソン
に「不要な電話をやめよう」と言っても、あまり役に立たない現実があります。

実際、とても忙しい人が最も悩んでいるのは
「A領域の中での優先順位」なんです。

そういうA領域の仕事に対して「緊急なことよりも重要なことを優先すべし」的
に言う人が実際にいるのが、困ったところなんです・・・。

これはコヴィー氏が言うところを拡大解釈する人(←実際にいます)が悪いん
ですけどね。

私自身も、「7つの習慣」そのものは良いことを書いていると思っていますよ。
ただ、これだけでは実際の(具体的な)スケジューリングの手法はなかなか
見えてこないと感じています。
Posted by 水口和彦 at 2009年12月28日 15:28
 

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