2005年08月23日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

時間管理術の七つの嘘 その1 : 優先順位をつければうまくいくのか? (6)

この連続記事では「時間管理術」の中で重要なポイントでもある、
「何を優先すべきか?」について考察しています。

これまでに、「7つの習慣」「カエルを食べてしまえ!」など、
それぞれの著者が述べていることを比較してきました。

(今回は6回目です。過去記事へのリンクは右の「連続記事記事の目次」の中に
 あります。第1回は特に重要ですので、まだの方は読んでみてください。))


今回とりあげるのは「GTD」です。

  「GTD」って何? という方へ。

  「GTD」は、こんな記事で(↓)取り上げられたりして、最近話題の本です。
   時間と仕事の整理術『GTD』がカルト的人気

デビッド・アレン著のこの本、
「仕事を成し遂げる技術―ストレスなく生産性を発揮する方法」
タイトルである、Getting Things Done(仕事を成し遂げる)の略が
GTDというわけです。


実は、この本は時間管理術というよりは、仕事の整理術についての本です。

ただ、従来の時間管理のやり方に対して、興味深い提言が
いくつか書かれています。
今回はその中で、優先順位に関するところを見ていきたいと思います。

  ちょっと引用します。

  (『』内は引用です)
  『確かに、結果や価値観に意識を集中することは、重要な
  エクササイズではあります。しかし、それをしたからといって、
  片づける仕事が少なくなるわけでも、困難が少なくなるわけでも
  ありません。』
 (24ページ 3行目より) 

これって「7つの習慣」的な考え方にケンカを売っていますね (^_^;)。やるなあ。


では、この著者はどうすればいいと言っているのか、見てみましょう。


この本では、まず仕事や書類を整理するための、ワークフローが書かれています。
   このフロー全体を引用するのは、ここでは控えておきます。
   図のそのものの引用は著作権法上、難しいのです・・・。
   私がこれまでに出した図は、複数の人が書いている一般的な図か、
   引用文の内容を私が図に置き換えたものなので、問題ないのですが。


このワークフローは、「やる/やらない」 「捨てる/とっておく」
「自分でやる/誰かにたのむ」 「すぐやる/計画する」といった感じの
判断基準を使って、仕事を整理していくものです。

そうやって、整理した仕事のどれから手をつけるか?
著者は、こう言っています。

 (『』内は引用です)

『 大事なのは、自分の直感を信じることです。 』
  (74ページ 12行目より)

そう、この著者は「今、何に手をつけるか?」という疑問に対する、
万能の答えはないと言っているのです。

ただ、判断をするときに、次のような基準を使えばよいとアドバイス
をしています。

 (『』内は引用です)

『 行動を選択するための「四つの基準」モデル 
   1 状況       
   2 使える時間
   3 注げるエネルギー
   4 優先事項                 』

   (74ページ 12行目より)

私の言葉で言い換えると、

1は、場所的な制約を考えること。今この場で何ができるか?ということ
2は、今、どれだけの時間が取れるか?5分間か、1時間か?ということ
3は、今、それをやるだけの体力または、創造力がある状態か?ということ
4は、どの行動を取ると最も効果が高いか?ということ

という感じです。

これらを考慮して、どれに取りかかるかを決めればよい。と言っているのです。
・・・なんだか、当たり前のことのような気がしますね。


他にも著者は、仕事の種類は3つあるということを言っています。

 (『』内は引用です)
『 毎日の仕事を評価するための「三重」モデル 
   ・あらかじめ定められた仕事をする     
   ・発生した仕事をする
   ・あなたの仕事を定義する          』

    (76ページ 14行目より)

つまり、
  予定した仕事
  突発の仕事
  仕事の仕分けや計画をすること

の3つの種類があり、それぞれに対応方法を変えることを推奨しています。

ここで言っていることは、正しいと思うのですが・・・、
これも当たり前のことのような気がします。


あとは、視点を変えて考えることを推奨しています。
主に、時間の観点で、自分の人生全体のレベルから、現在の行動レベルまで
6段階に分けることを推奨しています。


実は、私はこれらの分類法のいずれも、「パッとしないなあ・・・。」と
思っています。
このやり方で、わざわざ分けて考えるメリットが感じられません。

結局、著者が言いたかったのは、
『自分の直感を信じること』 が重要だということ。
直感で判断するためには、角度を変えてみることが必要だということ。
この2点だと私は考えています。

これは、私が感じていた、「固定した優先順位をつけても意味がない。」
というのと近いですし、私はこの考えには大賛成です。

先程あげた仕事の分類分けの部分は、「直感」の重要性を比べると、
大した意味はなく、参考程度に聞いておけばよいと私は考えます。


  ちなみにこの本は、仕事の仕分けのやり方や、ファイリング方法などの
  役に立つノウハウが他にも書かれています。余裕のある方は一度読んで
  みてはいかがでしょうか。少し読みにくい本ですが、一読の価値ありです。


さて、直感の話には、まだ続きがありました。

実は、第2回から今までに紹介した、どのやり方を取ったとしても
「直感」の力を借りているのです。

  例えば、仕事の「重要性」って何で判断します?
  仮に、重要性を数字で出そうとすれば、

   ・その仕事は利益の出る仕事か、損失を防ぐ仕事か?
   ・そのどちらを優先すべきか?(今はどちらを優先すべき状況か?)
   ・やった場合の利益、やらない場合の損失は?(例えば金額で表すと?)
   ・インプットに対する、アウトプットの比率は?(投資収益率)
   ・達成できる可能性は?

  といった要素から計算する必要があります。
  重要性だけでも、考慮すべきことはこんなにあるわけです。

  いちいち計算してたらやってられませんね・・・。
  結局は、直感でやるしかないわけです。
  

直感で判断することについて、私はこう考えます。

直感に頼らずに決めることができないのであれば、
一つの見方に凝り固まるのは、とても損をしているわけです。

あなたの直感の働きは、物事を1つの見方しかできないような、
ちゃちなものではないはずです。

いろいろな見方を取り入れた上で、判断していくことが、重要だと思います。


このシリーズで紹介した、いろいろな考え方を頭に入れておくことも
いつかあなたの役に立つことがある、と思っていろいろ比較してみました。



この1つめの嘘は、今回で一旦終わります。

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参考文献
デビッド・アレン(森平 慶司訳)
仕事を成し遂げる技術:ストレスなく生産性を発揮する方法.はまの出版,2001
仕事を成し遂げる技術
仕事を成し遂げる技術―ストレスなく生産性を発揮する方法



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Posted by 水口和彦 at 22:09│Comments(0)TrackBack(0)

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