2005年09月19日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

時間管理術の7つの嘘 その5 : 人にまかせれば、うまくいくのか? (1)

いきなりですが、スティーブン・R・コヴィー 著の「7つの習慣」
という本では、このように書かれています。

 (『』内は引用です)
『私たちが目標を達成するには二つしか方法はない。時間を投入して自分で
 実行するか、ほかの人に任せるかのどちらかである。            』

 (243ページ 10行目より)

この本では、人に任せることを『デレゲーション』と呼び、効果的に
人にまかせることが重要だと述べられています。


確かに、人にまかせれば自分の仕事が減るはずですし、その分を重要な
仕事に回せば、仕事がうまく進められるような気がします。

この考えはとても魅力的なものです。
時間管理について書いている多くの著者が、同様の考えを述べています。



でも、本当にそうなのでしょうか?

ほかの人にまかせればOKなのでしょうか?



私はちょっと違うと思います。

人にまかせようとするときには、そこに多くの落とし穴があることを
知っておかなければなりません。

その落とし穴にはまると、人にまかせてうまくいったつもりが、後に
なって、かえってバタバタさせられることがあるのです。



その落とし穴について、考えてみましょう。
また「バタ男」に登場してもらいます。


 とある企業に勤める「バタ男」。いつも間際になってバタバタして
 しまうのが悩みのタネです。自分の時間の使い方を見直そうと思い、

  『できる人の時間活用術! 1日は48時間に増やせる!』

 という本を読んでみました(※・・・架空の本です)。

 そこには、

  「仕事に優先順位をつけて、人にまかせられる仕事はまかせよう!
   そして、重要な仕事に集中しよう! 」

 と書かれていました。


 バタ男は考えました。

 今、彼のToDoリストには、優先順位A・B・Cの3つの仕事が
 あります。今週はBの仕事に思わぬ苦戦をしています。

  「このままでは時間が足りない・・・。」

 そう思ったバタ男は、人に任せることのできる仕事を探しました。
 Cの仕事なら、他の人にまかせても大丈夫そうな気がします。

 「誰かにやってもらおう。」そう思って、バタ男が白羽の矢を
 立てたのは、同じ課の後輩である「タレ男」でした。
 そして、タレ男はその仕事を気持ちよく引き受けてくれました。

 タレ男に仕事を頼んだおかげで、バタ男の心配ごとも減り、安心して
 仕事Bに集中できるようになりました。



 そして、3日後・・・


 バタ男は、納期までに仕事Bを片付けることができました。
 難しい仕事でしたから、今は達成感でいっぱいです。

 仕事Bが片付いて安心したバタ男は、仕事Cを思い出しました。
 Cの納期は明日です。バタ男はタレ男に聞きました。

  「そうそう、タレ男、あれ、もうできてる?」

 タレ男は言いました。

 「いや、まだっす。あのあと、課長に別の仕事頼まれちゃって。
  課長にも困りますよ。思いません?あの人いつもそうでしょ。
  これ、木曜までに頼むよ。とか、急に言ってきて。
  僕はちゃんと別の仕事があるって言ったんですよ。でも、
  課長が言うんですよ、得意先に納める大事な資料だから。
  とかね。大事なんだったら、もっと早く頼めよ、って感じ
  ですよね。こんなんだからウチの会社はだめなんですよ。
  いつも僕言ってるじゃないですか、こんなんじゃダメだって・・・・・


 タレ男の、言い訳ともグチとも取れるしゃべりをBGMに、
 バタ男の意識はだんだん遠くなっていくのでした・・・。
  (ちなみに、タレ男は「文句たれ」だったのでした・・・。)


 そして、その夜、バタ男は夜中まで残業していたそうです・・・。



   ※この話は、一部私の体験に基づいたフィクションです。



なぜ、バタ男のもくろみは、うまくいかなかったのでしょうか?

課長が悪い?、タレ男が悪い? ・・・いや、確かにそうかも
しれませんが、私はバタ男自身にも問題があったと思います。


どこに一番問題があったのでしょうか?

私はこう考えます。

バタ男の失敗の原因は、タレ男に仕事をまかせた時点で、その仕事の
ことをすっかり忘れてしまっていたことにあります。

自分の仕事である、仕事Bに取りかかっている間も、タレ男にまかせた
仕事Cの進み具合をチェックすることぐらいはできたはずです。

それをやらなかったため、タレ男にまかせた仕事が進んでいないことに
気づくのが遅くなってしまったのです。もっと早く気づいていれば、
誰か別の人にたのむなり、課長と交渉するなり、打開策があったはず
なのです。


これは、

仕事を人にまかせる動機が、「その仕事を忘れて安心したい」
というものだった、ことに原因があると思います。

 人にまかせる = 嫌な仕事を自分の目の前から消すこと

になってしまっているわけです。
まさに「臭いものにはフタ」状態です。


仕事をたくさん抱えているときには誰でも、

 「早くその仕事を忘れて、安心したい」

という欲求があると思います。

しかし今回は、仕事の責任はあくまでもバタ男にあるというケース
でした。責任も含めてタレ男に委任したわけではなく、作業を依頼
したわけです。

この場合、バタ男はこの仕事のことを忘れてはいけないのです。

と言うと、すごく当たり前のことのように聞こえると思います。
しかし、これはついつい陥ってしまうワナなのです。
(私も経験しているから言えるのですが・・・。でも、こういう
 経験はしないにこしたことはないですよね。)



そして、バタ男のやり方には、よくないところがもう1つ
あるのです。

それについては・・・次回に説明します。



参考文献
スティーブン・R・コヴィー (ジェームス スキナー、川西 茂訳)
7つの習慣:成功には原則があった!.キング・ベアー出版,1996
7つの習慣
7つの習慣―成功には原則があった!



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Posted by 水口和彦 at 22:33│Comments(0)TrackBack(2)

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