2005年09月22日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

時間管理術の7つの嘘 その5 : 人にまかせれば、うまくいくのか? (3)


前回は、

  自分の時間が足りなくなり、困ってから、
  人にまかせようとしても、たいていうまくいかない。

  仕事が発生した時点で、人にまかせるかどうかを判断
  した方がうまくいく。

ということと、その理由について述べました。


今回は、人にまかせる場合のやり方について、少し考えてみます。

ロタール・J・セイバルトという人が書いた『時間管理学』という、
とっても大層な名前の本に、『権限委譲の6Wのルール』
というものが出てきます。


これは、人に仕事をたのむ時に、チェックリスト的に使うものとされて
います。以下の6つの要素を明確にしておくべきだということです。

いわゆる「5W1H」をアレンジしたものですが、参考に引用します。

 (『』内は引用です)
『権限委譲の6Wのルール
  何を(WHAT)? 
  誰に(WHO)?
  なぜ(WHY)?
  どうやって(IN WHAT WAY)?
  どんな手段で(WITH WHAT)?
  いつ(WHEN)?        』

  (162ページ1行目より抜粋)


 5W1Hと比べると、「どこで(Where)」が無くなっています。
 人に仕事を頼むときはあまり使わないためでしょう。

 そして、「どうやって(How)」が2つに分かれています。
 上の翻訳があまり適切ではないので、私の言葉で置き換えると、
 「どんな方法で?」「何を使って?」となります。


確かに、人に頼む前にこれらの要素を明確にしておくことは重要だと
思います。

しかし、実際に人にまかせる場合には、これらの要素を伝えれば、
それでいいのでしょうか?



私はそうは思いません。


私が、会社の中で仕事をしてきた経験の中で、いろんなことを頼んだり、
頼まれたりしてきました。その中で、同じことを頼むにもやり方がいろいろ
あることが気になってきました。

  Aさんに頼まれた場合・・・

   話が長いし、結局何をやってほしいのか分かりにくい。
   しまいに聞くのがいやになってしまう。


  Bさんに頼まれた場合・・・
 
   すんなり聞けて、何をやればいいのかが、はっきり分かる。


この人たちの差がどこにあるのかが、気になったのです。

そういうことを考えながら研究した結果、私は4つのステップを
使うようになりました。この順番が重要なのです。


1− まず、頼みたいことをストレートに言う

   今までの、どの職場にもいたのですが・・・
   最初に、「なぜこの仕事をやらないといけないのか?」
   について延々と語る人がいます。

   人に仕事を頼むことに気が引けるのか?
   それとも、断れない雰囲気を作ろうとしているのか?
   それは分かりませんが、 頼まれる側の立場に立つと、
   はっきり言って迷惑です。話がなかなか見えてきません。

   私は、まず用件をストレートに言った方がいいと思います。


2ー 次に、それに伴う詳細な条件を言う

   例えば、私がやっていた仕事の場合、

   何を、どこから、いくつサンプリングして、どの機械を使って、
   こういう条件で測定して、データはこうまとめる。

   といった感じです。

   もちろん仕事の内容によって変わりますが、
   5W1H的な詳細を伝えるわけです。

   このステップはできるだけ簡潔にします。
   相手が分かっていると確信できる部分は、
   省略することもあります。


3− 次に納期を伝える

   ここまで話を聞いたら、「いつまでにできそうか」が、イメージ
   しやすくなっています。ここで仕事の納期について話をします。

   上のステップを言わないで、納期を押し付けるのは、単なる
   「パワハラ(パワーハラスメント)上司」です。気をつけましょう。

   両者納得の上で、気持ちよく仕事をしてもらうことが、相手の生産性
   を高く保つためには必要だと思います。

   ただし、安易に納期を遅らせてもよい、というわけではありません。
   あくまでも、デッドラインを考慮した上での交渉をします。

   場合によっては、納期を優先するために、上の条件を変更することも
   必要になります。


4− 最後に、その仕事の背景を言う

   「なぜその仕事をしなければいけないのか?」ということを相手に
   伝えなくても、おそらく仕事はできるでしょう。

   しかし、これを伝えると、仕事の質が上がることがよくありました。
   相手がもっといい方法を考えてくれたりするのです。

   ですから、私は背景について説明することにしています。
   もちろん相手のモチベーションに影響する、ということもあります。


   しかし、頼む相手が一番聞きたいのは、上にあげた3つの項目です。
   ですから、背景は最後に持ってくるわけです。



以上の4つのステップは、普通に話をするときとは順番が逆転して
いますが、仕事を頼むときには効果的なやり方だと思います。

特にいいところは、相手のやる気が高くても、低くても、
うまく伝わりやすいことです。

また、Eメールを使って伝える場合にも効果的な手法ですので、
一度試してみてはいかがでしょうか?



参考文献
ロタール・J・セイバルト(前回のローター・J・ザイヴァートと同一人物)
(上野 俊一訳)
時間管理学:セルフ‐マネジメントによる成功への道.
産能大学出版部,1992
時間管理学―セルフ‐マネジメントによる成功への道



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Posted by 水口和彦 at 21:49│Comments(2)TrackBack(0)

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この記事へのコメント
こんばんは!
また今回も内容の濃い記事ですね(^^
この「人に頼むときの4つの流れ」、かなり参考になりました。どこでも応用が利くと思うので、今後はこの流れを意識してやってみたいと思います(^^

それと、以前コメントしましたが、
今日私のBlogで「時間管理術研究所」の紹介をいたしました!
いつも以上に長い記事になりました(後半は自分のことばかり書いてますが^^;)
よろしければ、ご確認下さい!

それでは、失礼いたします。
Posted by ダイスケ at 2005年09月23日 23:25
ども!水口です。
ダイスケさんの記事読みましたよ。紹介していただきありがとうございます。
アウトプットすることって、ホントに大事ですよね。私も日々実感してます。
私の場合は、そういうことに気がつき始めたのは30代になってからでした。20代の頃はもっと自分本位という感じで、考えていることを発信しようとは思っていませんでした。
ダイスケさんはまだ若いのに積極的に発信していていい感じですよ。文章も上手だと思います。
おたがいにがんばっていきましょうね!
Posted by 水口和彦 at 2005年09月24日 06:30
 

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