2005年10月02日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

時間管理術の7つの嘘 その6 : 価値観・目標にもとづいて行動すればうまくいくのか? (1)

時間管理・タイムマネジメントについて書かれた本には、


  価値観・目標を明確にする


という話がよく出てきます。
7つの習慣

例えば、スティーブン・R・コヴィー 著の「7つの習慣」では、
  (『』内は引用です)

 『自分の人生の目的を明確にすることにより、毎日の活動が人生全体の
  目的に対して、有意義な形で貢献できるものになるのだ。        』

  (127ページ 12行目より)
 
 『目的を持って始めるということは、生活の中での様々な役割を
  果たすときに、明確な価値観にもとづいて行動することである。』

  (140ページ 7行目より)

このように、目標や価値観を持つことの重要性を説いています。


確かに、自分の進みたい方向が決まっていれば、その方向に
少しずつでも進んでいくことができるかもしれません。

また、進みたい方向が分からなければ、時間を無駄に過ごして
しまうことが多くなる、というのも分かります。



では、目標・価値観を持つことで、
日々の時間管理がうまくいくのでしょうか?

私の答えはこうです。


  目標・価値観を意識すると、
  時間管理がうまくいかなくなる可能性が高いのです!

もう1回言います。


  目標・価値観を意識すると、
  時間管理がうまくいかなくなる可能性が高いのです!


  それどころか、逆にストレスをためる原因になるのです!


これはどういうことなのか?
セキ男の例を使って説明しましょう。


  パラッ・・・、  パラッ・・・・・・
  日曜の深夜、あるマンションの寝室で本のページを
  めくる音がしていました。

  責任感の強い、営業部門のサラリーマンのセキ男は、
  自分の人生をより良いものにしようと思い、

    『成功者の習慣 − 成功のための5原則』

  という本を読んでいました。
  (例によって架空の本です。)


  そこには、

  「自分の役割、価値観を明確にすること」「目標を立てること」
  が重要だと書かれていました。

  この本を読んで、やる気が出てきたセキ男は、まず
  自分の役割を考えてみました。

  「まず、営業担当としての自分、マネージャーとしての自分が
   いるよな。業務の管理だけでなく、部下に対してはコーチ役
   にもならないといけないし・・・、
   父親としての自分、夫としての自分もいるな。
   将来独立するためには、起業家としての自分も必要だ。  」

  セキ男はそれらの役割を書き出してみました。


  その本には、それらの役割に沿って、それぞれの目標を立て、
  バランスよく達成していくことが重要、と書かれていました。

  「今週は、目標を意識して仕事をしよう」

  そう思って、セキ男はその目標を手帳に記入して持ち歩きました。

  根がマジメな性格のセキ男ですから、毎朝その目標を見て、
  一日をスタートするようにしました。



    その結果、どうなったのか・・・? 見てみましょう。


  その週の金曜 22:10。

  セキ男はまだ仕事をしています。

セキ男価値観に翻弄される   「あと1時間はかかるな・・。
   今週はやけに忙しい。

   金曜は家族3人で食事のはずなのに。
   仕方ない、明日にしよう・・・。

   いい父親になるつもりなのに、
   こんなことでいいのかな・・・。    」

  結局、金曜の終電までに仕事が片付かず、セキ男は次の日も
  出勤していました・・・。

   ※この話は、実話に基づいたフィクションです。


なぜ、セキ男はこんなふうになってしまったのでしょうか?
理由はいくつかありますが、一番大きな理由をまず述べます。


  それは、過剰なプレッシャーです。


この週のセキ男は、確かに忙しかったのですが、価値観・目標を大事に
しようという思いが、さらにセキ男を忙しくさせていたのです。

それぞれの役割を、きっちり成し遂げなくてはいけない、という
プレッシャーを自分にかけることになってしまったのです。

その結果、ますます目標が達成できないという悪循環に陥ったわけです。


自分の役割や目標を設定することは、

 ・目標に沿わないことに時間を浪費しない

というメリットもありますが、

 ・たくさんの目標を設定して、自分にプレッシャーをかけすぎた結果、
  仕事・生活のバランスをくずしてしまう


というデメリットもあります。


もともとセキ男は、「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」と
バタバタしがちな、バタ男と似た面を持っていました。
 (バタ男は、7つの嘘 その4その5に登場した人です。)

そのセキ男に「目標・価値観」というプレッシャーが重なったために、
セキ男は、バタ男を超えた「超バタ男」になってしまったのです。


      これが、セキ男の失敗例です。


私は、価値観や目標を持つことを否定するつもりはありません。
むしろ、とても重要なものだと考えています。

しかし、それらの使い方を間違えると、セキ男のように
失敗してしまうことがあると言いたいのです。


価値観や目標を持つことで、失敗しないためのポイントは、
私は3つあると考えています。

次回は、その3つのポイントについて述べてみたいと思います。



参考文献
スティーブン・R・コヴィー (ジェームス スキナー、川西 茂訳)
7つの習慣:成功には原則があった!.キング・ベアー出版,1996
7つの習慣
7つの習慣―成功には原則があった!


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Posted by 水口和彦 at 11:52│Comments(4)TrackBack(1)

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人気Blogランキングいつも来ていただいて、本当にありがとうございます!! こんにちは、今日2度目の記事になります。 今日は、私の【おすすめBlog】を紹介したいと思います(^^全て私のRSSに登録してあります!興味があったらぜひ遊びに行ってみて下さい(^^ 新....
おすすめBlog【【勉強超スキ!】勉強法研究・報告Blog】at 2005年10月02日 13:52
この記事へのコメント
こんにちは!いつも更新楽しみにしています(^^
今回の記事も非常に参考になります。何故なら、私自身がこの「セキ男」状態だったことがあるからです(^^;

私のBlogで、「時間管理術研究所」をまた紹介させていただきました!今後ともよろしくお願いします!!
Posted by ダイスケ at 2005年10月02日 14:17
こんにちは!紹介していただき、ありがとうございます。
【キレイゴトで終わっていない】と表現してもらったのが、とても嬉しいです。
私はキレイゴトに翻弄されて、なかなか自分のやり方が見つからなかった時期がありました。だから、他の人が同じ失敗をしないように、という思いで記事を書いてるのだと思います。
これからもよろしくお願いします。
Posted by k_minakuchi at 2005年10月02日 20:02
キレイゴトの問題って、「一見正しく見えるから、それが出来ない自分が間違ってるように思えてしまう」ってことなんですよね^^;
多分、真面目な人ほど、その通りにできない自分を責めて追い込んでしまう気がします・・・。

あ、おすすめBlogに入れていただき、どうもありがとうございます(^^ですが、今回大変申し訳ないのですが、色々考えた結果Blogのタイトルを変更することになりました。
新しいタイトルは、「インターネット時代の新・勉強法!」です。
お手数おかけして申し訳ありませんが、
リンク先のタイトルの変更の程お願いいたしますm(__)m

それでは、今後ともよろしくお願いいたします!
Posted by ダイスケ at 2005年10月03日 23:58
その通りだと思います。時間管理の分野って、まだまだキレイゴトが中心に言われているような気がしますね。そこに一石を投じるのが、このブログの使命、だと勝手に考えています。
タイトル変更しておきました!
Posted by k_minakuchi at 2005年10月04日 07:29
 

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