2005年11月19日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

KKJ−2 時間管理を「しない」ことによるデメリットを考える

はい、KKJの続きです。今回はまず、

 時間管理を「しない」ことによるデメリット

について、考えてみましょう。


これについては、多くの著者が述べています。

 ちゃんと計画を立てないと、目の前のことに追われて、
 本当に重要なことに使う時間が無くなってしまう。

とか、

 時間をムダ使いして、あとで後悔してしまう。

とか、

 自分がやりたいと思って決めた目標が達成できない。

などです。


これらはすべて、その通りなのです。
そして、時間管理をやることで、これらはすべて解決するのです!



  さあ、時間管理をやる気になりましたか・・・?



その気になったでしょうか?

ならないですか? そうかもしれませんね・・。


実は、こういう理由で時間管理を始めても、
なかなか続くものではないのです。

なぜなら、上に書いた理由はすべて、
時間管理を継続していって、はじめて実感できることなのです。

ですから、時間管理をやろうかな、っていう人の目の前に
ぶらさげるニンジンとしては、あまり適していないのです。


本当に、「やってみようかな」と思うためには、
もっと突っ込んで考えてみる必要がありますね。


では、ちょっと聞いてください。

実は、時間管理を「しない」ことによるデメリットには、
もっと恐ろしいものがあるのです。



私は、今までに一緒に仕事をした人について、
その人の仕事のやり方を、いろいろ観察してきました。

その結果、共通するある問題点に気がついたのです。


実は、

時間管理をうまくできていない人は、

スケジュールを忘れることができないストレスを抱えているのです。


ここ、重要ですよ。

スケジュールを忘れてしまうのが、問題なのではなくて、
忘れることができないのが、問題なのです。


どういうことかというと・・・、

自分のスケジュールや、「やらなければいけないこと」を
忘れないようにするのは、大きなストレスになります。

なぜなら・・・、

 特に仕事で「やらなければいけないこと」というのは、
 それ自体が、プレッシャーの素になります。

 もちろん、仕事には、いい意味でのプレッシャーもあるのですが、
 プレッシャーはプレッシャーです。

 24時間それを忘れられないのでは、確実にストレスになります。


しかし、あるコツを使って、うまく時間管理をすることができれば、
「やらなければいけないこと」のすべては、自分の頭から出してしまう
ことができます。

これをうまくできれば、今まで一所懸命憶えていたことが、
バカバカしくなるほど、ストレスなく過ごせるのです。

「安心して忘れられる」という感覚です。

例えば、職場を離れた途端に、仕事のことを忘れることが
できるのです。これはすごい快感です。


  逆に、問題なのは、中途半端な時間管理です。

  「やらなければいけないこと」を強く意識しながら、
  頭の中は整理されない状態がキープされるのです。

  これは、もう最悪です・・・。


このように、時間管理をうまくやれれば、

「やらなければいけないこと」を忘れて、その場その場で、
集中したり、楽しんだりできるわけです。

これができないのは、大きな損をしていると思いませんか?


  時間管理、する気になってきました?
  さらに、もう少し考えてみましょう。


このことに関連して、もう1つ言えることがあります。

時間管理がうまくできれば、あなたの能力がもっと活かせるのです。

  人間の脳の九十何パーセントかは使われていない、とか、
  潜在意識を活用すれば、目標が達成できる、とか、
  そういうたぐいの話ではありません。


人の脳の中の「短期記憶」と呼ばれる部分の容量は、あまり大きくない、
というのは、実験的にも確かめられています。

この「短期記憶」はパソコンのメモリー(ハードディスクではない)に
例えることもできますが、ここでは、もっと分かりやすく、机に例えて
考えてみます。

人の短期記憶は、仕事机のようなものです。

あなたの経験に照らして考えてみてください。


 ある仕事をしているとき、あなたの頭の中にある机の上には、
 その仕事に関連する書類が広げられている、と考えてください。

 その書類は、普段は長期記憶(ハードディスクのようなもの)
 として、蓄えられています。

 ここでは、引き出しと考えてみましょう。

 引き出しから書類を出して、机の上に広げている状態、それが、
 あなたがその仕事のことを考えている状態です。


 そして、その時に、他の仕事が急に割り込んできたとします。
 電話によって、別の仕事が割り込んできたような状態です。

 このときには、別の書類がいきなり机の上に広げられるのです。

 そして、最初に広げていた書類は・・・気がつくと、
 机の横に落ちてしまっているのです。

 電話が終わって、元の仕事に戻ろうとしたときには、
 書類を拾って、それを広げなおして、元の配置に戻す作業から
 始めないといけないのです。

 これが、よく言われる、仕事を中断することで効率が下がる、
 という現象ですね。


この頭の中の机と、時間管理はどう関係あるのでしょうか?
考えてみましょう。


 私たちは、学生の時や、仕事を始めたときに、大事なスケジュールを
 忘れてしまって、後悔した経験が1つ以上ある人がほとんどです。

 そういう経験から、大事なスケジュールは忘れてはいけない!という
 教訓を頭に刻み込んでいます。

 そのため、さっきのあなたの机(あなたの短期記憶)の上には、
 大事なスケジュールのことが、常に乗っているのです。

 大事なスケジュールを忘れてしまうのは、一種の恐怖ですから、
 机の上から降ろすことができないのです。


 しかし、それを机から降ろさない限り、あなたの机のスペースは、
 狭くて窮屈で、使いにくいままなのです。

 これが、私の言う、能力が活かせていない、という状態です。

   ちなみに、パソコンに例えると、重たい常駐ソフトが
   常に立ち上がっている状態と考えられます。

   パソコンの動作が不安定になったり、遅くなったり
   するわけです。


 もちろん、人によって、仕事の能力や、頭の回転の速さには、
 差があるでしょう。

 しかし、どんな人でも、
「スケジュール」や「やらなければいけないこと」
 を頭から出すだけで、確実に仕事の能力が上がります。

 机が広く使えることの効果です。


イメージできたでしょうか?

実は、「時間管理」をうまくやることは、時間を無駄にしないだけでは
なく、自分の能力のすべてを、目の前のことに投入できる、という効果が
あるのです。

ちょっとしたコツを使って時間管理するだけで、「デキる人」に
一歩どころか、三歩ぐらい近づけるのです。



時間管理、少しはする気になってきたでしょうか?


しかし、これだけでは、まだ不足です。
もう1つの視点からも見てみましょう。


私たちが時間管理を「する」ことについて、どう感じているか?

それについても考える必要があります。
次回はそこを考えてみましょう。


KKJ−3 時間管理を「する」ことによるデメリットを考えるKKJ(簡単で効果的な時間管理術) 目次資格・スキルアップランキング




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Posted by 水口和彦 at 10:45│Comments(3)TrackBack(0)

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この記事へのコメント
はい、確かに時間管理をしないことのデメリットは納得です!
ずっと仕事を忘れられないということは問題ですもんね・・・・。
Posted by ダイスケ at 2005年11月19日 10:55
うん、今回の話は非常に重要なポイントですよね。ほとんどのビジネスパーソンは仕事やプロジェクト複数回していますよね。
「忘れられない」というのは、ほんとにストレスですし、強迫観念みたいになります。

「家のカギ閉めたっけ」
「ガスの火消したっけ」

状態なんですよね。
Posted by fujiking at 2005年11月19日 14:22
ダイスケさん、そうなんです。
この「忘れられない問題」って、大きいと思いますね。かなりストレスになりますし。
ひどい時は、睡眠にまで影響しましたね・・・私の経験では。

しかし、藤木さん「家のカギ閉めたっけ」って、うまいこと言いますね。確かに、そんな感じですよね。
Posted by k_minakuchi at 2005年11月20日 20:29
 

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