2006年11月22日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

計算で時間管理が出来ない理由と、人の脳を活かす時間管理の方法


こんにちは。水口です。

今日は、一昨日昨日の話に関連した話です。

昨日、 人は完璧に合理的に計画を立てることはできない
という話をしました。今日は、その理由の話です。


■ 「合理的」 の定義


ここでいう「合理的」 は(昨日も書きましたが)、

時間の使い方に対して「合理的であること」 とは、「経済合理性」と同じように、
できるだけ少ない時間で、できるだけ多くの成果を上げようとすること
(費用効果的に、効率の良い時間の使い方をするということ)

と考えます。

  ※仕事はそういう合理性だけでは面白くないんじゃないか? 
  ※仕事とプライベートはどう比較するのか?

という議論はあるべきだと思いますが、今回は考えないことにします。


■ 「時間の投資収益率」 という考え方


さて、「合理的に時間を使う」 ということは、

 時間のインプットに対して、アウトプットが最大になる最適解を得る

と言い換えることが出来ます。

お金の話で言うところの「投資収益率」 を最大化するということです。

そして、お金の話(投資の話)と同じように、時間の使い方でも
「リスク」 について考えなければいけません。

進めていた仕事が、アウトプットに結びつかないことは、必ずあるものです。

  例を挙げれば、ある顧客向けの営業活動に時間を使っても、
  結局受注に結びつかなければ、アウトプットは無しです。

  次回につながる要素があれば、アウトプットはゼロではありませんが、
  当初期待したアウトプットに対して、非常に小さくなってしまうことには
  変わりありません。


■ 「やるべき指数」 を定義する


これらの要素を考慮して、それぞれのタスクを考えます。
※ この「タスク」は、広義のタスクです(アポイント・タスクの両方を含みます)。


各タスクにそれをやるべきかどうかを表す、「やるべき指数」を定義するとしたら、


 やるべき指数 = (期待されるアウトプット/時間のインプット)×達成可能性


という式で表すことができます。

時間のインプットは、実際に使う時間です。

アウトプットは、それをやることで得られるリターンです。

   このリターンには、プラスのもの(何らかの利益を得るもの)以外に、
   マイナスを防ぐもの(損失を防ぐためのもの)があります。
   この場合は、防げた損失額をリターンとして考えることにします。

達成可能性は、その時間投資がリターンに結びつく可能性です。
 これは、外的要因にも影響されます。


■ 「手持ち時間」 という制約条件もある


もう一度、式を出します。

 やるべき指数 = (期待されるアウトプット/時間のインプット)×達成可能性

この「やるべき指数」 は、各タスクごとにあります。


そして、手持ち時間(リソース:資源)の中にタスクを組み込みます。

 時間のインプットの総和 ≦ 手持ち時間   

という制約を満たしながら、

 「やるべき指数」の総和が最大化した状態

 (追記 : 正確には[やるべき指数×時間インプット] の総和  )
 (      = [期待アウトプット×達成可能性] の総和でした )

を得るのが、「合理的」 な時間の使い方というわけです。

ちょっと無味乾燥な感じもしますけど・・・(汗) 
理屈の上ではこうなるわけです。


■ 「やるべき指数」 は時間に対して一定ではない


もう一度、個々のタスクについて考えます。

 やるべき指数 = (期待されるアウトプット/時間のインプット)×達成可能性

ここで、さらに問題をややこしくするのが、この式の中のそれぞれの項目は、
時間に対して一定ではないのです。


例えば、アウトプットの場合、

・そのタスクの期限内は、アウトプットが一定の場合 もあれば、
・明確な期限が無く、アウトプットが減少していく場合 もあります。

  後者の例としては、同じ製品を開発しても発売が遅れれば、
  競合他社にシェアを奪われる(リターンが減る)という状況があります。

アウトプットは、時間に対して変化するのです。


同様に、インプットも変わります。

・時間に対して必要インプット量が変わらない場合 もあれば、
・期限間近では、必要インプット量が高くなる場合  もあります。

  後者の例としては、期限ギリギリにバタバタ仕事をやると、あちこちに確認や
  根回しの電話をいれたり、交渉したりという時間が取られるという状況です。
  (期間は短いけど、投入時間(手間)が多くなります。)


また、達成可能性も変わります。

・達成可能性が一定の場合 もあれば、
・時間とともに達成可能性が減っていく場合 もあります。

  後者の例は、ある顧客へ営業をかける場合、競合他社に遅れると
  受注を得る可能性が減ってしまうという状況です。


つまり、

 やるべき指数 = (期待されるアウトプット/時間のインプット)×達成可能性

の式は、

 やるべき指数 = [期待アウトプット(t)/時間インプット(t)]×達成可能性(t)

となります (※ (t)は時間の関数という意味です)。
そして、それぞれの時間の関数は、各タスクごとに異なります。


■ 「計算」・「定量化」 はあきらめましょう。 しかし・・・


ややこしい話をしてしまいましたが、私が言いたかったことは・・・、
時間インプットに対してアウトプットを最大化しようと計算するのは、
非常に複雑だということです。


しかし、昨日述べたように、人間の脳は素晴らしい能力を持っています。

「この2つのタスクのうち、どちらを先にやるべきか?」

という命題に対しては、複雑な要素を総合して答えを出すことができますし、
間違えることは、あまりありません。

ただし、確かな答えを得るためには、選択肢を絞っておくことと、
適切な制約条件を与えることが必要です。

「今日は、あと1つしかできない。どちらをやるべきか?」

と考えた方が、人の脳は、より的確な答えを出してくれるのです。


■ 時間管理で重要なこと


ですから、時間管理(の中のタスク管理) では、

・自分の手持ちのタスクを一ヶ所に集める
 (タスクを忘れない・すぐに確認できる)

・タスクは日付別に整理する
 (日付別に整理 → 選択肢を絞るということ)
 (手持ち時間の制約条件と合わせて考えられるようにする)

といったことが重要なのです。

  (逆に、タスクにA・B・Cなどの中途半端な「重要度」 を
   付けることには、ほとんど意味がありません。 )
 

これが、人間の苦手なところは手帳にまかせて、
得意なところは人間の能力を活かすためのポイントです。

「選択肢を絞る」 「制約条件と合わせて考える」 ためには、
他にも方法があるかもしれませんが、現時点ではこの方法が
ベストだというのが、私の見解です。


  (補足説明)
  「タスクは日付別に整理する」 というのが、あまりピンと来ない方も
  いるかもしれませんので、ちょっと説明しておきます。

  自分の「やること」 を、日付別でなく、ひとまとめのToDoリストにすると、
  いろいろ問題が多いのです。例を挙げると・・・

  ・どれから手をつけるべきか判断を間違えやすい
   → 選択肢が多過ぎるため、人の頭では判断しにくい

  ・このタスクは、本当にやるべきか、やるべきでないかの判断に迷う
   (あれもこれもやれそうな気がしてしまう)
   → 手持ち時間の制約と関連付けられていないので、判断を誤りやすい
 
  といった問題があります。

  人間の判断能力をうまく引き出すためには、選択肢の数を減らすことと、
  制約条件と関連付けて考えることが重要なのです。

  そのためには、タスクを日付別に管理するのは有効な手法です。
  (なのに、これまでは時間管理であまり重視されていなかったことです。)



すみません。今日も、ちょっと長い(しかもややこしい?)話になってしまいました。

実は、これらは1年前(「7つの嘘」の頃)から、いつか書こうと思っていた話です。
セミナーに使おうかと思っていた話なのですが、ちょっとマニアックで好き嫌いが
分かれると思うので、ブログで公開することにしました。

こういう話をもっと突き詰めて考えたいという方はどれくらいいるんでしょうかね?
(もっと突き詰めたい方がおられましたら、ご依頼を頂ければ講演致します。)


今日の話のすべてを理解しなくても、KKJPROFETとして紹介しているように、
タスクを日付ごとに区切って整理すれば効果は得られます。その点はご心配なく。


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今日の記事作成時間は、ここまで80分でした。
明日はもっと分かりやすい話題ができると思います(笑)

では、また明日。



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Posted by 水口和彦 at 07:10│Comments(0)TrackBack(0)

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