「なぜなぜ分析」 の難しさ・・・について
こんにちは。水口です。
昨日の記事は「なんでや?の連鎖」 という話をしたのですが、
頂いたコメントを読んでいて、思うことがありました。
(makotoさん、ありがとうございます!)
その「思うこと」 というのは・・・、
「なんで?」 つながりということで、「なぜなぜ分析」 の話です。
■ 「なぜなぜ分析」 ってご存知ですか?
「なぜなぜ分析」 または、「なぜなぜ解析」 という言葉、
聞いたことがあるでしょうか。
この言葉自体は聞いたことが無くても、
『 真の原因にたどりつくために、「なぜ?」 を5回くり返す 』
という話を聞いたことのある方は多いかもしれませんね。
「なぜなぜ分析」 は、まさにこのことです。
さて、昨日の話、「なんでや?の連鎖」 は、
「なぜだ!」 と怒りをぶつけ合っても、物事は前に進まない。 という話でした。
一方で、「なぜ」 を5回くり返す、 「なぜなぜ分析」 は有効だと言われています。
これは「なぜ」 でしょうか?
■ 「なぜなぜ分析」 の難しさ
「なぜ?」 を5回くり返す、という話は、書籍や雑誌でよく見るようになりましたが、
その割には、具体的なやり方の話は、あまり見かけません。
実は、この「なぜなぜ分析」 は実際にやってみると、とても難しいのです。
(これは自動車業界の中で実践を積ませて頂いて、実感したことです。)
※ 難しさを示す実例として、こんな話があります。
こんなことはあまり知られていないと思いますが・・・、
なぜなぜ分析は、会社によって「流儀」 の違いがあります。
A社が納得した解析結果でも、B社は納得しないという現象が
実際に起こりますし、その明確な理由もあります。
(なぜそうなるかは、ナイショです・・・ )
■ 「なぜなぜ」 の難しさ ・・・ 「社長が悪い」 分析
さて、「なぜなぜ分析」 の失敗例を1つ挙げておきます。
例えば、ある工場で品質問題が起こったとします。
「なぜなぜ」 の悪い例として、こういうのがあります。
・○○の問題が起こった
↓ なぜ?
・△△の部品が□□した
↓ なぜ?
・試作段階での検討が不充分だった
↓ なぜ?
・開発期間に対し、人員が不足していた
↓ なぜ?
・◇◇部門に予算が無い
↓ なぜ?
・ 社長が悪い !
これはひとつの笑い話です。
しかし、「なぜなぜ分析」 では、どんな問題でも「社長が悪い」 に
誘導することも可能です(ウソだと思ったら、実際に試してみてください)。
こういった「社長が悪いなぜなぜ」 は、一種の責任転嫁です。
中には本当に社長が悪いケースもあるかもしれませんが、
そういう例は極めて稀だと思います。
もっと具体的な真因は別のところにあるのです。
ですから「なぜなぜ分析」 には、「責任転嫁」 は禁物なんです。
(というところが、昨日の話と共通するので、今日この話をしてみました。)
■ なぜなぜ分析のやり方
では、ここで「なぜなぜ分析」 のやり方を・・・
と紹介したいところですが・・・、すみません。今日はやりません。
私自身も、実例を見れば悪いところが分かったりしますが、
誤解のないように、イチから書き方を説明するのは、難しいですね。
実際、うまい「書き方の説明」 を、書籍などでも探してみるのですが、
簡潔に説明するのは、やはり難しいみたいですね。
もし、将来私が「時間管理コンサルタント」 から「品質管理コンサルタント」 に
転職することがあれば、その時には紹介したいと思います・・・(笑)
というわけで、「なぜなぜ」 関係の本を紹介しておきます。
どちらも「モノ造り」 系の基礎知識が少ない方だと、
ちょっと読みづらいかもしれませんので、その点はご覚悟を。
(写真なしです)
なぜなぜ分析 徹底活用術―「なぜ?」から始まる職場の改善
「モノ造り」 に詳しい方には、
こちら(↓)の方が実践的でおすすめです。
なぜなぜ分析実践指南―現場トラブル徹底攻略法
これをクリックするのは「なぜ?」 でしょうか。
それは分かりませんが(笑)、
クリックいただけるとこのブログの順位が分かります。
↓
今日の記事作成時間は、
ここまで65分でした!
Posted by 水口和彦 at 08:16│Comments(7)│TrackBack(1)
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こんにちは。水口です。
今日は「なぜなぜ」の話です。
(その関連で「要因と原因」の違いの話もあります)
■ 「なぜなぜ分析(なぜなぜ解析)」をご存じでしょうか?
『なぜなぜ分析』または『なぜなぜ解析』と呼ばれている、問題解決手法
(問題発見手法)....
正しい「なぜなぜ分析」と、だましの「なぜなぜ」:(と「要因と原因」の違い)【時間管理術研究所 □□ 仕事と生き方、幸せの研究所 □□】at 2009年03月26日 00:00
この記事へのコメント
こんばんは。
> A社が納得した解析結果でも、B社は納得しないという現象が実際に起こりますし、その明確な理由もあります。(なぜそうなるかは、ナイショです・・・)
これ、非常に興味がありますねー(笑)
> A社が納得した解析結果でも、B社は納得しないという現象が実際に起こりますし、その明確な理由もあります。(なぜそうなるかは、ナイショです・・・)
これ、非常に興味がありますねー(笑)
Posted by makoto at 2006年11月30日 00:16
makotoさん、こんにちは。
この話、秘密というわけではないんですが、
一言では説明しにくいところがあるんです。
ざっくり分類すると・・・
問題の原因を「仕組み」のレベルに求めるか、
それとも、さらに深く「体質」のレベルに求めるか、
という違いという感じですね。
ニュアンス伝わります・・・?
この話、秘密というわけではないんですが、
一言では説明しにくいところがあるんです。
ざっくり分類すると・・・
問題の原因を「仕組み」のレベルに求めるか、
それとも、さらに深く「体質」のレベルに求めるか、
という違いという感じですね。
ニュアンス伝わります・・・?
Posted by 水口@時間管理術研究所 at 2006年12月01日 07:05
なんとなくわかるような気がしますが、、、
よく組織のイノベーションには、
システム面と組織風土・体質を
両輪で変えていかなければならない
というようなことがいわれますが、
きっと、それと関連しているのでしょうね。
でも、限られた時間の中で、
問題の真因をどこに求めるのか、
どこまで深く掘り下げるべきなのか。
とても難しいなぁと感じますね。
よく組織のイノベーションには、
システム面と組織風土・体質を
両輪で変えていかなければならない
というようなことがいわれますが、
きっと、それと関連しているのでしょうね。
でも、限られた時間の中で、
問題の真因をどこに求めるのか、
どこまで深く掘り下げるべきなのか。
とても難しいなぁと感じますね。
Posted by makoto at 2006年12月01日 20:52
makotoさん、こんにちは。
確かに掘り下げ方って難しいと思います。
「体質」にまで掘り下げると泥沼にはまってなかなか解決しないこともあると思います。
そういう意味では、その手前の「仕組み」の部分に踏みとどまるのもアリだと・・・、
個人的には思いますね。
どっちつかずで混乱するのが、最悪だと思うのですが・・・、
実際には、慣れている方はそういうことにはならないです。
その人(その組織)なりのやり方が熟成されているのではないかと思います。
・・・深いですね。
確かに掘り下げ方って難しいと思います。
「体質」にまで掘り下げると泥沼にはまってなかなか解決しないこともあると思います。
そういう意味では、その手前の「仕組み」の部分に踏みとどまるのもアリだと・・・、
個人的には思いますね。
どっちつかずで混乱するのが、最悪だと思うのですが・・・、
実際には、慣れている方はそういうことにはならないです。
その人(その組織)なりのやり方が熟成されているのではないかと思います。
・・・深いですね。
Posted by 水口@時間管理術研究所 at 2006年12月04日 11:20
「なぜなぜ分析」
非常に参考になりました!
非常に参考になりました!
Posted by HERB at 2006年12月16日 17:44
HERBさん、コメントありがとうございます。
参考にしていただけてうれしいです。
またのぞいてみてくださいね。
参考にしていただけてうれしいです。
またのぞいてみてくださいね。
Posted by 水口和彦 at 2006年12月18日 21:02
大変参考になる記事ありがとうございました。 私も世間一般に言われるような「なぜなぜ」は何かこじつけのような印象を持っておりました。
起きた問題に対して関係者及び専門家の知識・情報を出し、それに基づいて分析し、沢山の要因に枝分かれし、それぞれを更に追求し、到達した結論に対して更に妥当性の検証を行い、それぞれに対して具体的対策を考えるというのが本当だと思います。
そう考えると、「5なぜ」という言い方もどうかと思います。 「なぜ」は真因に達するまで言い続ける必要があるので、3回でも5回でも8回でも10回でもよいわけですし、途中で枝分かれした部分からスタートするわけですから、回数の問題ではないと思います。
いろいろと勉強させていただきます。
起きた問題に対して関係者及び専門家の知識・情報を出し、それに基づいて分析し、沢山の要因に枝分かれし、それぞれを更に追求し、到達した結論に対して更に妥当性の検証を行い、それぞれに対して具体的対策を考えるというのが本当だと思います。
そう考えると、「5なぜ」という言い方もどうかと思います。 「なぜ」は真因に達するまで言い続ける必要があるので、3回でも5回でも8回でも10回でもよいわけですし、途中で枝分かれした部分からスタートするわけですから、回数の問題ではないと思います。
いろいろと勉強させていただきます。
Posted by Conservativeblog at 2012年05月23日 19:57
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