2006年12月19日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

はじめての時間管理 ― 第2回


こんにちは。水口です。

「はじめての時間管理」、第2回です。

この企画は、できるだけ簡単に、時間管理のツボを押さえた方法を
紹介しようというものです。実際にやってみると必ず効果が表れます。

  第1回はこちらです


ぜひ、時間管理に悩むご友人にも紹介してあげてください。
では、第2回をお届けします。


はじめての時間管理  第2回


  書くための「仕組み」  


私たちが「やろうと思うこと」には、2つの種類があります。

 アポイント ・・・ 「人との約束」
             時間が決まっている「やること」

 タスク    ・・・ 「自分との約束」
             時間が決まっていない「やること」

の2つです。

例えば、仕事の中では次のような例があります。

 アポイントの例・・・ 会議や打ち合わせなどの時間が決まった予定
  (人との約束)    電車の時間など、時間が決まった予定
              その他、人と一緒に行動する予定

 タスクの例  ・・・ その他の、時間が決まっていない仕事
  (自分との約束)   期限はないけど、自分がやりたいと思っていること


しかし、手帳を使っている人でも、そのほとんどはアポイント(人との約束)
しか書いていません。ですから、タスク(自分との約束)が守れなかったり、
期限まぎわになって、あわてたりしてしまうのです。

この両方を1つのシートに書くようにしてみましょう。

はじめての時間管理書式書き方のポイントは、右の図のように、
1枚のシートに、その週の「約束」を
すべて書くことです。

ここでは「シート」と呼んでいますが、
書くものは、次のように何でも構い
ません。


 紙を使う
   紙を用意して、図のように区切っておく。
   (A4サイズ横向きの大きさなど)

   次回、区切りを作った用紙を紹介しますが、
   細かく書くのが苦手な場合は、簡単な枠を
   引いただけでも構いません。

 手帳を使う
   タスク(自分との約束)やメモが書けるように、
   空きスペースが広いものがおすすめです。

 ノートを使う
   手頃な大きさのノートを図のように区切って
   使います。


「やろうと思ったこと」や「人と約束したこと」は、決まったら、必ず「すぐに」
書いてください。書かなければ、人は必ず忘れてしまうものなのです。

忘れないためには、「書こう」と意識することよりも、
「書けるようにしておくこと」が、簡単で有効な方法です。

そのためには、シートが常に「手元にある」ことが重要です。
(※ ここがとても重要なポイントです。)

ですから、デスクに座っているときは、必ずこれを広げて置いてください。
手帳やノートを使う場合も、常にページを開いて置いておくことが重要です。


  アポイント(人との約束)の書き方  


書く内容を、下から順番に紹介していきましょう。

一番下の欄には、アポイント(人との約束)を記入します。
これは時間が決まっているので、開始時間と終了時間が分かるように記入します。

アポイント(人との約束)の書き方にはコツがあります。それは、約束の時間
だけでなく、自分が「動き始める時間」を書いておくことです。

例えば、11時に始まる会議の予定があるのなら、会議室に移動するための時間
を考えて、自分が席を立つ10:55という時間を書いておきます。

14時にお客さんのところに訪問するのであれば、
・電車での移動時間
・駅までの移動時間
を考慮して、自分が「席を立つ時間」を記入します。
アポイントの例
13時30分の電車に乗るとして、
席を立ってから駅までの時間が
余裕を見て15分とすれば、
行動開始時間は13時15分です。

この時間も記入しておきます。

こうしておけば、時間を確認するたびに頭の中で逆算しなくてすみますし、
時間を読み間違えてあわてることもありません。


  タスク(自分との約束)の書き方  


中段には、タスク(自分との約束)を記入します。これは、終わったかどうか
分かるように、チェックするボックスと一緒に記入しましょう。

タスクの例例えば、「○○の資料を作る」とか、
「△△さんに電話する」という
「自分との約束」があるとします。

これを図のように、タスクの欄に
記入します。

これを「どの日付に書くか?」がポイントになります。

このタスクという「約束」には期限があります。しかし、期限に間に合えば、
時間的にはいつやっても構わない仕事です。

こういう仕事は、どうしても期限ギリギリになってから、あわててやり始めることが
多いものです(人は簡単に忘れるものでしたよね)。


タスク(自分との約束)とは、こういう仕事を「いつやるのか」
自分と約束することです。

例えば、仕事の期限が水曜日だったとして、水曜日にやるとは限りません。
火曜日や水曜日に他のアポイントやタスクが多いのであれば、月曜日に
やる方がうまくいきますよね。

他の「約束」も見ながら、「いつならやれるか」という目で見て、
「やると決めた日」に記入しておくのです。

日付を決めるときは、その「約束」だけではなく、他の「約束」も見ながら
決めることが大事です。

「やろうと思ったこと」を一枚のシートにまとめているのは、前後の日を含めて、
一度に見られるようにするためなのです。


  メモの書き方  


このシートの上段には、メモを書きます。
ここで言うメモとは、自分の仕事に関係のある情報のことです。

「自分の周りの人の予定」も、必要な情報です。

例えば、上司の承認が必要な書類を提出する場合、上司が水曜日に
不在なら、火曜日のうちに済ませなくてはいけません。

このような周りの人の予定は、あらかじめメモしておくと便利です。
(プライベートの場合は、家族の予定などを書くのも便利です。)

ただし、こういった情報は自分の「約束」とは違いますから、
「約束」とは分けて、上の段に書くようにします。


また、この欄には自分の仕事に関連することは、何を書いても構いません。

例えば、「大阪出張」という予定があったとします。この「出張の予定」は、
まだ「約束」になっていませんから、まず、メモの欄に書きます。

その後に
・切符の手配 (タスク)
・宿泊の手配 (タスク)
・移動の予定 (アポイント)
・会議の予定 (アポイント)
・出張費の精算手続き (タスク)
・出張報告を出す    (タスク)

といった「約束」に分解し、タスクとアポイントの欄に記入してください。


また、「企画書を書く」という、大きな仕事があったとします。
これも、まずメモの欄に書きます。

その後に
・資料を集める      (タスク)
・フォーマットを用意する (タスク)
・本文を書く        (タスク)
・上司の承認をもらう   (タスク)

などの「約束」に分解し、それぞれの欄に記入します。






第2回はここまでです。
明日は記入の仕方をもう少し詳しく紹介しますね。

  ※ 以前からこのブログを読んでいただいている方へ
     今回「メモ」と読んでいる欄は、以前紹介した
     「流れ(Flow)」の欄のことです。


明日は、第3回ですが、
こちらのクリックは1回で構いません(笑)  →  人気ブログランキング(オレンジ)
(このブログのランキングが分かります。さて何位かな?)

では、また明日!

  第3回はこちらです



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Posted by 水口和彦 at 23:30│Comments(2)TrackBack(0)

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この記事へのコメント
このシリーズなかなかよいですね。
意外と初歩のところ忘れていたりします。
あと、社員に読まそうと思っても、引かれたりするから、このシリーズがいいなと思ってます。
Posted by FUJIKI at 2006年12月20日 11:09
FUJIKIさん、ありがとうございます。

「社員に読まそうと思っても、引かれたりする」というのは、
どこでもありそうな話かもしれませんね。

時間管理は、自分で必要性を感じないとなかなか始められませんからね。

私自身も、今まで「時間管理に熱心な人」向けに書くことが多かったので、
あらためてこういうふうに書くのは、勉強になりました。

あと2回で終わる予定ですので、もうちょっとがんばってみます。

Posted by 水口和彦 at 2006年12月20日 23:19
 

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