2007年06月07日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

I-ACT(4) 「やれる」の見極めに必要な 「Cue」


こんにちは。水口です。
今日は一昨日の続きで、「i−ACT」の話です。


■ 時間管理に必要な情報 

【 忘れるといけないので・・・「i−ACT」の解説です (この部分は再掲です) 】

  時間管理とは「意思決定のプロセス」でもあります。
  そして、意思決定のためには、

  ・必要な情報を整理すること、
  ・それを一覧できるようにすること

  が必要です。

  そのために必要な項目が、「i−ACT」で表せます。
  「i−ACT」とは

  i  : Information (情報)
  A : Activity (アクティビティ)
  C : Cue    (キュー)
  T : Time Resource (タイムリソース・時間リソース)

  の4要素です。

【 再掲部分 終わりです 】


■ 「キュー(Cue)」 とは?

現在、4つの要素を、下から順番に説明しているところです。
前回は「タイムリソース」について解説しました。

今回は、「 C : キュー 」について解説します。

「キュー(Cue)」というのは、「きっかけ」や「合図」といった意味があります。

  例えば、テレビ番組などの進行表のことは「キューシート」と呼ばれます。
  「ここでBGMが入る」などの、キュー(きっかけ)を表にしたものです。
  音楽の「楽譜」とも似ていますね。


ここでは、

  キュー = 開始の合図

と考えてください。

そして、「i−ACT」要素の中の「キュー」が何を表すかというと、
いわゆる「タスク」のことを表します。

ただし、タスクそのままではなく、タスクを「分けて配置した」ものが、
「キュー」 なんです。


■ 「タスク」 を 「キュー」 にする

「タスク」とは、時間が決まっていない仕事(自分ひとりでやる仕事)のことです。

  私たちが行う「仕事」を、「作業」のレベルまで分解していくと、必ず
  このタスクとアポイントのどちらかになります。
  (アポイント = 会議などの時間が決まった予定)


このタスクを、リストアップしたものが、いわゆる「ToDoリスト」です。

そして、ここで言う「キュー」とは、タスクを日付別に分けたものを指します。

タスクの図この図の中段にあるのがタスク、
つまり、ここで言う「キュー」です。

(上段は後の回で説明します)

※ 右の図は手帳を模したもの
   ですが、例えばOutlook等
   のスケジュール管理ソフト
   でも、日付ごとにタスクを
   割り当てることができます


ですから、この「キュー」は、「日付別に分けたToDoリスト」とも
言うことができます。

この「日付別に分ける」という作業は、単純な作業ですが、
とても重要なことなのです。

タスクを1つの表、つまりToDoリストにした場合、
2つの大きな問題があるのです。


■ タスクをひとまとめにすると起こる問題 ー 1

ひとつは、心理的な面での問題です。

単にタスクをリスト化しただけであれば、それぞれのタスクを「いつやる」と
いう自分の意志が明確になりません。

ですから、「明日やればいい」と先延ばしにしてしまいやすいのです。


人は、どうしても仕事が目の前に来ると、それを先延ばししたいという
思いにとらわれてしまうことがあります(仕事の内容にもよりますが)。

ですから、「やる日」を決めること、つまり、タスクをキューに変えることが、
とても重要なのです。


タスクのままでは : 「この日までにやろう」

キューに変えると : 「この日やろう」 または、「今日やろう」

となるわけです。この違いはとても大きいです。


また、タスクをやる日付を決め、普段からその決めた予定を見ることによって、
「この日にはこれをやる(やらなければ)」という心の準備もできます。

この「心の準備」は、微妙に「プレッシャー」ではあります。
しかし、このプレッシャーは必要なものです。


心の準備の無いまま、「これ、今日中にやらなくては!」と気付いたときの、
ショックというか、後悔というか・・・ありますよね。私は心拍数が上がります(笑)

「微妙なプレッシャー」に目をつぶって、タスクの先送りをすると、
結局あとで「強烈なプレッシャーとストレス」がやってくるわけです。


・・・ちょっと話が長くなりました。

こんなふうに、タスクをひとつのリスト(ToDoリスト)にするのと、
日付別にするのでは、大きな差があります。


■ タスクをひとまとめにすると起こる問題 ー 2

タスクをひとつのリストで管理すると、もうひとつ問題が起こります。
こちらは、仕事の段取り上の問題です。


タスクをそのままひとつのリストで管理している場合、

 ・タスクを「やれたかどうか」のチェックはできます

しかし、

 ・タスクを期限までに「やれるかどうか」のチェックはできません



タスクを(期限までに)「やれるかどうか」をチェックするためには、
期限までの間に、そのタスクをやる時間が確保できるか、知る必要があります。

「タスクをやる時間」 というのは、前回解説した「タイムリソース」そのものです。

総時間から、アポイントに取られる時間を除いた部分(空白部分)が、
タスク実行のために使えるリソースです。

  ※ ただし、実際には、まだ「タスク」になっていない日常業務や、新しい仕事が
     発生するため、タスクで空白を使い切らないようにする必要があります。


手持ちのタスクを、それぞれ期限までに終わらせることができるかどうか
判断するためには、「タイムリソース」の空白部分と照合する必要があります。

しかし、その作業は、ToDoリストのままでは難しすぎるのです。

  例えば、タイムリソースの空白時間が○○○時間で、タスクに要する時間が
  △△△時間で・・・なんて計算すれば、照合できるかもしれません。
  しかし、期限(タイミング)とリソース(総時間)両方を計算しなければならず、
  非常に複雑になります。


一方、日付別にタスクを割り当てておき(= タスクをキューに変える)、
各日付ごとにタスクとアポイントを合わせて見ることによって、
「やれそうかどうか」の判断は、そう難しくなくなります。

それぞれの日付について、
タスクとアポイント、つまり、
右の赤枠に注目するわけです。

(上段は後の回で説明しますが、
 大枠での仕事を指すものです。
 「作業レベル」に分解する前の
 仕事なので、リソースの判断
 には関与しません)



解説が長くなりましたが、話を少し戻しまして・・・、

タスクをそのままひとつのリストで管理している場合、

タスクを「やれたかどうか」のチェックはできますが、
タスクを期限までに「やれるかどうか」のチェックはできません。

ということでした。


「やれるかどうか」という判断は、実は時間管理ではとても重要です。

 時間管理について述べられた本やサイトで、

 ・あふれる仕事は 「断る」 または 「人に任せる」 ことが重要

 という意味のことを聞いたことのある方は多いと思います。
 このアドバイスは、私もまったくその通りだと思います。


 ただ、実践する上で問題なのは・・・、

  「自分でやれるかも」 と思っているうちは、
  断ったり、人に振ったりしづらいことです。

 つまり、「やれるかどうか」の見込みを立てること、
 逆に言えば「やれない場合は、早く気がつくこと」が 
 とても重要なんです。


ですから、タスクをタスクのままにしておくのではなく、
「いつやる」という情報(意志)と一緒に整理して、「キュー」に変えること。

そしてそれを元に、各タスクが期限までに「やれるかどうか」を
判断することが重要なのです。



ちょっと長くなってしまいましたが・・・、
タスクをキューに変える(タスクを日付別に分ける)ことの
重要性は分かって頂けたでしょうか ?


では、次回は「タスク」の上位概念である
「A:アクティビティ」について解説したいと思います。

「アクティビティ=タスクの集合体」とみなせる場合と、そうでない場合は
対応を変えなければいけない・・・という、ちょっと複雑な話もあります。



むむ・・・、今日は長文過ぎたでしょうか?


  つまり、これをクリックするのは「タスク」
  明日クリックすると決めるのが「キュー」
  ということです (← 一応間違いではない・・・)
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今日の記事作成時間は71分でした。
最近にない長文でしたね。

では、また明日!
(明日はセミナーの日ですね。明後日もです。)



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Posted by 水口和彦 at 23:15│Comments(2)TrackBack(0)

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この記事へのコメント
すごい。
売れる営業マンの唯一の共通点は、
「時間管理」 だそうです。
もうちょっと読み込んで勉強させてもらいます。
応援クリックポチッ。
Posted by Nori at 2007年06月08日 02:16
Noriさん、応援ありがとうございます。

ブログ、がんばってくださいね!
今後ともよろしくお願い致します。
Posted by 水口@時間管理術研究所 at 2007年06月12日 06:17
 

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