2007年12月18日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

「2017年までに年次有給休暇の100%取得」という目標について


こんにちは。水口です。
今日は、「ワーク・ライフ・バランス」 関連の話です。


■ ワークライフバランス関連のニュース

こんなニュースがありました。

時事ドットコム:10年後は「有休」完全取得=仕事・生活の調和で行動指針
『』内は引用です)

『 政府の「ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)推進官民トップ会議」
 (議長・町村信孝官房長官)が18日開かれ、働き方の改革を促す「憲章」と、
 数値目標を示した「行動指針」をまとめた。10年後の有給休暇完全取得と
 いった数値目標を経済界や労働界の代表者も参加して定めたのが特徴。
 ただ、実現に向けては「労使の自主的な取り組みが基本」としている。
  憲章と行動指針は、政府が同日まとめた少子化対策の重点戦略にも
 盛り込まれた。 』


 この↑「政府が同日まとめた少子化対策の重点戦略」というのは、
    ↓こちらのニュースのことです。

時事ドットコム:自治体に本部設置要請へ=少子化対策の重点戦略−政府
『』内は引用です)

『 政府の「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議
 (議長・町村信孝官房長官)は18日午前、首相官邸で会合を開き、
 少子化対策の重点戦略を決定した。これに基づき政府は年明けにも、
 都道府県や市町村に対し、福祉、教育、住宅部局などにまたがる
 少子化対策推進本部の設置を要請する。各本部は政府や他の
 自治体との連絡窓口になる。

  重点戦略は、働く女性の7割が妊娠・出産を機に離職する現状から
 「就労か出産・子育ての二者択一構造の解消」が不可欠と指摘。
 併せて「若者、女性、高齢者の労働市場参加」を推進しない限り
 出生率は回復せず、労働力人口が大幅に減少すると予測した。
  また、働き方の改革と子育て支援サービスの充実を「車の両輪」
 と位置付け、希望者全員が利用できる子どもの一時預かり事業や
 家庭的保育(保育ママ)の制度化などを来年度に行うべきだとした。』



■ ワーク・ライフ・バランス=少子化対策?

「ワーク・ライフ・バランス」 という言葉、一般的になりつつありますね。


それはそれでいいことなのですが、どうも

 「ワークライフバランス」 = 「少子化対策」

というイメージがついて回っているような気もします。


もちろん、本来のワークライフバランスは、そうではありません。
しかし、少子化対策として報道されることが多いので、そういう
イメージになりつつあるような気もします。

もちろん、ワーキングマザーにとって、ワークライフバランス対策が
重要なことは、もちろんです。

ただ、「ワークライフバランス」=「少子化対策」というイメージが強すぎると・・・

「君はまだ結婚してないから、ワークライフバランスは関係ないよね」
なんて言う、パワハラおやじが出てこないか・・・と心配になります。


ワークライフバランスという言葉、もっと、当たり前に、すべての人に
共通するものとして認知されるようになるといいですね。


■ 「でも有休100パーセントは無理だろう」という突っ込みも・・・

上記の、「ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)推進官民トップ会議」
では、「行動指針」として、数値目標が提示されているのですが、

有休については、2017年までに「年次有給休暇の100%取得」と
掲げられています。

この目標は、働き手の立場で見ると、ちょっと変です。
90%くらいにしておけばいいのに・・・と思います。


  なぜなら・・・

  有休を100%取得するためには、年末までに(年末が締めの場合)、
  全部の有休を使い切らなければいけません。

  いったん使い切った後は、風邪をひこうが何しようが休めません・・(汗)
  休めば欠勤扱いになってしまいます(給料が引かれます)。

  それは困るので、1〜2日の余裕を残しておくと、100パーセントには
  ならなくなるので困ります。この場合、最終日に休むしかありません。

  しかし、最終日はなかなか休みにくいものです。もし、全員が最終日に
  休むことになったりしたら・・・困りますよね。


というわけで、「年次有給休暇の100%取得」という目標は、
まったく現実的ではありません。

これを押し付けられても、従業員のほうが困るわけなんです。

※ もちろん、前年分の有休の繰り越しがあれば調整は効きますが、
   そもそも100%取得を前提にするなら、前年分の繰り越しも
   ないはずですから・・・。

 (せめて95%にすればよかったのに・・・と思います。
  有休が年間20日の場合、1日残しただけで95%ですから)



これは、かなり、しょうもない突っ込みですね・・・ (笑)

でも、こんなふうに、従業員の目線で見ればおかしな目標を
真面目に掲げられてしまうと、「本気でやる気があるのかな?」と、
心配になりますよね。

基本的に、いいことをやろうとしているんですから、
もうちょっと考えてくれればよかったのに・・・。



たとえば「残業を減らす」という目標は、組織的に
取り組めば、決して難しいことではありません。

「残業時間半減」でも、充分現実的です。
(私自身も半減以下にした経験がありますし、時間管理を
 学んでくださった方で、半減以下にされた方もおられます。)

これは充分現実的ですが、有休100%はちょっと・・・ですね。


今日の記事作成時間は50分でした。
では、また明日!

アンケート、まだやってます。ぜひ、投票をお願いします!



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Posted by 水口和彦 at 23:51│Comments(0)TrackBack(1)

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