2007年12月19日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

「ワークライフバランス」と、関連する諸々の事情 −1


こんにちは。水口です。
今日は昨日に続き、「ワーク・ライフ・バランス」 の話題です。


■ 理想の「ワークライフバランス」とは?

ワーク・ライフ・バランス、つまり、仕事と、仕事以外の生活のバランスを
見直そうという話が、よく話題になるようになってきました。

では、どんなバランスが理想なのか? と考える人もいると思いますので、
少し考えを整理しておきたいと思います。


まず、重要なことは、

「ワーク・ライフ・バランス」には、画一的な答はないということです。


たとえば、「20代30代のうちは、長時間働いてでも、自分を磨け」という
ことを言う人もいます。これはこれで一理あります。

仕事に時間を投入することで、スキルアップするという面はありますから、
若いうちに自分のスキルを磨いておくことによって、あとで得られるものが
大きい。というのは事実だと思います。

  反対に、仕事にばかり時間を投入しないで、プライベートの時間に
  幅広い勉強・スキルアップをしておくべきだ、というのも一理あります。


そういう意味で、ワークライフバランスは、「こうあるべき」という、
決まった答があるわけではなく、本来は自分で決めていかなければ
いけないものなんです。


「周りの人が早く帰るから、自分も早く帰る」、
「周りが残業するから、自分も残業する」 ということではなく、
自分なりのバランスを探していかなければいけない。ということです。

「自分なりのバランス」を見つけるというのは、難しさはあります・・・。

 私は、20代の頃は、なかなかそこまでは考えられませんでした。
 (社会的にも、そういう話題はあまりありませんでしたね・・・)

 エンジニア(非IT系です)の仕事でした。
 研究や開発をする仕事は、極端に言えば、時間はいくらあっても
 足りない仕事です。だから、自分で適当に線を引いていたという
 感じですね。

 仕事が面白かったり、難しい課題を抱えているときは、長時間残業に
 なることもありましたが、別に嫌だとかは思いませんでした。

 ただ、その後、仕事以外の「やりたいこと」に時間を投入したいと
 考えるようになって、残業時間や、時間の「バランス」を意識する
 ようになりました。


そういう意味では、ワーク・ライフ・バランスが定着するには、
「仕事以外になにをしたいか?」 というものを持っている人が
増えることが必要なのかもしれませんね。

もちろん、子育てもそうですし、それ以外にも、
社会人が「勉強する」ことや、何かに挑戦すること、
あるいは、副業を持つことも、いい方向に寄与すると思います。


 「副業のために短い残業時間で仕事(本業)を片付ける」というのは、
 私はとてもいいことだと思います。自然に時間を大事にするように
 なりますし、副業で学んだことが本業にフィードバックされることも
 少なくありません。

 この場合も「ワーク・ライフ・バランス」と呼んでいいのか、
 「ワーク・サブワーク・バランス」と呼ぶべきなのかはわかりませんが(笑)


■ 会社側の課題

逆に、会社の側から見れば、大半の社員が長時間残業しているからと
いって、それが当たり前だと思ってはいけない、ということになります。


今後、会社側(使用者側)に求められるものは・・・、

 ・従業員の働き方の多様性を認める方向に変化する

 ・極端な長時間残業とサービス残業は無くすこと

この2つは、必ず必要になってきます。


これは、会社にとっては厳しい話ではありますが・・・、
そうしなければいけない、2つの理由があります。

1つは、人材の確保のためです。

 これは最近よく言われることですが、人材を確保するためには、
 女性が働きやすくしなければいけないという話があります。

 また、「サービス残業が多い会社」というイメージがついてしまうと、
 採用活動に影響することも考えなければいけません。
 これは、ネットによって情報が広がりやすくなった影響もあります。

 リアルな話として、実際にこういう心配をして、その対策を取ろうと
 している企業もあるんです。
 こういう動きは、どちらかというと、大手企業が積極的ですね。


もう1つは、サービス残業の違法性の問題です。

 日本では長年、慣習的に認められてきましたが、「サービス残業」は、
 本来、違法なものです。

 これに対する締め付けは、5年ほど前から厳しくなりはじめていますし、
 今後も徐々に厳しくなっていくと思います。

 多分、このブログをお読みの方の中にも、自分の職場、あるいは、
 知り合いの職場に、労基局(労働基準監督局)が入った、という話を
 聞いたことのある方がおられると思います。

 今後は、

 ・サービス残業は基本的に無し。
 ・通常の残業も「36協定」の範囲内に収める。

 というのを基本にしなければいけない。と覚悟しておくべきだと
 思います。

 これは、中小企業にとっても無視できないことになりつつあります。

 (退職者が、それまでのサービス残業代を請求するという事例が
  増えていると聞きますし、内部告発という形も考えられます。
  もし、従業員全員に対し、過去2年分※ の全額となると大変な額に
  なることも考えられます。 ※ 残業代の請求権の時効は2年です)



【再び従業員サイドで見ると・・・】

ですから、働く側も、「会社のためを思えば」 長時間残業は、
あまりできない状況になってきているんです。
(本人がよくても、会社に迷惑がかかるかも、ということ)

ですから、いま、長時間残業している人も、36協定内(月30時間以内)
で、仕事が回るような体制をつくっていくことが望ましいですし、万が一の
場合の自衛手段としても重要です。
(残業時間が規制されたときに困らないように、ということです)



「残業」、「ワークライフバランス」 について、少し整理して
おこうかと思いましたが・・・ちょっと整理し切れませんでした。
(まだ書いておくべきことがあるような・・・)

まあ、今日はここまでということで・・・





今日の記事作成時間は50分でした。
では、また明日!

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Posted by 水口和彦 at 23:55│Comments(0)TrackBack(0)

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