2008年02月25日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

本当に「ワークライフバランス元年」になれるのだろうか?


こんにちは。水口です。
こんなニュースがありました。


■ 本当に「ワークライフバランス元年」になれるのか?

【レポート】2008年は"ワークライフバランス元年" - 内閣府がシンポジウムを開催
ワークライフバランスの推進は"明日への投資" | 経営 | マイコミジャーナル


『』内は引用です)
『仕事と生活の調和を意味する"ワークライフバランス"の実現を目標に掲げるイベント
 「ワーク・ライフ・バランス シンポジウム」が16日、内閣府主催で行われた。 』


その中身は・・・
 
『東京大学社会科学研究所・日本社会研究情報センター教授の佐藤博樹氏が
「女性の活躍の場の拡大と働き方の改革: ワーク・ライフ・バランス支援の必要性」
と題した基調講演を行った。(中略)
2007年末に政府が策定した「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」と
「仕事と生活の調和推進のための行動指針」をはじめに紹介し、それらが目指す
課題は、

 ・ 男女共同参画(女性の活躍の場の拡大)"
 ・ 労働市場改革(女性、若年、高齢者の就業率向上)
 ・ 少子化対策(結婚・出産に関する希望の実現)

の3点にあると解説した。』


この「憲章」については、以前にもこのブログで紹介しました。その内容を見ると、
「ワークライフバランス」=「少子化対策」 という見方に偏りすぎではないかと私は
感じています。極論すれば、「(すでに子供もいる)中年のおじさんはどうでもいい」と
言っているようにも聞こえませんか?

「ワークライフバランス元年」というには、物足りない気がします。


■ ワークライフバランスの第一の課題

この東大の佐藤教授は、次のようにも述べています。
 
『佐藤氏は「ワークライフバランスは女性の問題と捉える傾向があるが、男性に
とっても大事なこと。企業にとっても予測できないリスクを吸収できる体制を整える
ことにより、生産性を高めることができる」と述べ、仕事を第一に考えるこれまでの
体質から脱却し、企業はワークライフバランスの実現を重視すべきだと提案した。』


さらに、
 
『佐藤氏によると、ワークライフバランスで実現すべき内容は3つ。まずは、社員の
時間的制約を前提とした仕事管理/働き方の実現。

その解決策として「仕事と時間の管理に対する考え方は、これまで仕事の総量を
基本として仕事がすべて完了するまで時間資源の投入を行ってきたが、これから
は時間総量を軸にその範囲内で実現可能な仕事の付加価値の最大化を目指して
いく管理の仕方を行うよう変えること。

経営者は時間資源を"有限な"経営資源と捉え、仕事の優先順位を付け、無駄
な仕事の排除や過剰品質を解消するなど、時間資源を合理的・効率的に活用
する取り組みを意識化しなければならない」と説明した。』

 (上記サイトより引用:改行を追加しました)

私も、↑この部分が、「ワークライフバランス」を考えるために、第一に必要なことだと
考えています(これが先ほどの「憲章」では軽視されているように見えます)。

この話、個人レベルで言えば、まさに「時間管理(タイムマネジメント)」の話です。
それはもちろん必要なことですが、組織としても取り組みが必要だと感じます。


この 『社員の時間的制約を前提とした仕事管理/働き方の実現』をもう少し考えてみると・・・


『これまで仕事の総量を基本として仕事がすべて完了するまで時間資源の投入を
行ってきた』
 と言い切ってしまうのは、少し言い過ぎのような気もしますが、
(これでは会社も社員も、まるっきり考えていなかったようにも取れてしまいます)
こういう傾向が強いのは事実です。

さらに、日本の企業の場合は業務分掌(仕事の分担)が不明確な仕事が多いことが、
(労働時間の観点では※)、状況を悪化させているわけです。

※ 逆に、そのおかげで生産性が上がっている部分もありますから
   (「融通がきく」ということ)、すべて否定すべきではないと思いますが。


さらに言えば・・・

『時間資源を"有限な"経営資源と捉え、仕事の優先順位を付け、無駄な仕事の排除
や過剰品質を解消するなど、時間資源を合理的・効率的に活用する取り組み』
というのは、個人レベルで見ると、まさに時間管理のことを指しているわけですが、
組織としても考え直すべき点があるはずです。

 個人の時間管理のレベルでいう「仕事の優先順位」では、

   「優先順位」=「仕事にA、B、Cとランク付けをすること」

 という解釈よりも、

   「優先順位」=「何をやるか」・「何を(いまは)やらなくてもいいか」を
    明確にする

 と解釈したほうが、より実践的な時間管理ができます。

時間という経営資源を有効に使うためには、組織の場合も、これと基本的に
同じです。有期の課題として「何をやる」と決めると同時に、「(いまは)これを
捨てる」という選択も必要です。しかし、これができていない企業が多いのでは
ないでしょうか(少なくとも私の経験ではそう確信しています)。

だから、「あれもこれも」と総花的な目標を掲げた挙句、結局どれも中途半端・・・
という消化不良な状況になるわけです。
(こういう状況は、MBO(目標管理制度)にも悪影響があります。設定した目標と
 違う業務があれこれ降りかかり過ぎ、という状況です)


と、苦言を呈しましたが、これらを変えていくのは簡単なことではありません。
だからこそ、しっかり取り組むべきだと思います。

 ですから、「ワークライフバランス=子育て支援制度(的なもの)の拡充」と
 いう狭い捉え方をしながら、「弊社はワークライフバランスに取り組んでいます」
 と胸を張るのは、ちょっと違うんじゃないかと思うのですが・・・。



先ほどの「憲章」にしてもそうですが、「ワークライフバランス」のために何を
やるべきかというベクトルは間違っていないにしても、大事な前提条件(いま
述べた「第一に必要なこと」)が抜けたまま議論されていることが多いのでは
ないでしょうか。

このままでは、「ワークライフバランス元年」にはあまりふさわしくない状況に
なりそうな・・・そんな危機感を持っています。

もちろん、文句を言っているだけでは仕方がないので、私も微力ながら、
この状況を変えるべく頑張ります。



今日の記事作成時間は、56分でした。

では、また明日!



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Posted by 水口和彦 at 23:55 │Comments(1)TrackBack(2)

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この記事へのコメント
おはようございます。
確かに、ワークライフバランスに取り組む切り口にはいろいろなものがありますね。

視点が偏らないよう、全体を俯瞰しながら課題をきちんと要素分解していくといいですね。
Posted by ☆shinchan☆ at 2008年02月26日 11:21
 

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