2008年03月04日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

ちょっと変わった仕事での目標(マイルストーン)設定方法


こんにちは。水口です。

今日は、昨日に続きまして、先週のセミナー(段取りand長期スケジュール)で
頂いたご質問に関連した話です。


■ プロジェクトの目標設定

そのご質問というのは、

 プロジェクト内でどのフェーズのときに、どういう目標設定を
 行うかの具体例があれば知りたい

というご質問でした。
(ご質問ありがとうございます!)


たとえば、システム開発などのプロジェクトの場合、プロジェクトの業務内容
を分解するわけですが(WBSというやつです)、その第1階層は「レベル1」
または「フェーズ」と呼ばれます。

(「WBS」にもいろいろあってとてもややこしいのですが・・・)
通常用いられるWBSの場合、フェーズは「成果物」単位で設定するよう
になっています。

この場合、「成果物」ができて、それが承認されることが、そのフェーズの目標
(達成条件)ということになります。たとえば、「要求定義書の作成と承認」と
いうのがシステム開発の場合の1つのフェーズになるわけですね。


それと同じように、個人的な目標や、正規のプロジェクトマネジメントとして
管理されていない仕事でも「フェーズ」を設定したほうがいい場合があります。

そういう場合、私は「マイルストーン」という名称を使います。
(「フェーズ」という言葉よりも「達成した感」があるような気がします)

たとえば、個人的な目標のお持ちの方は、その目標の「マイルストーン」を
設定してみてはいかがでしょうか。


■ 書籍執筆の場合のマイルストーン

たとえば、「本を書く」という仕事の場合、マイルストーンはどう設定するのが
いいでしょうか。

人によってちがうかもしれませんが、私の場合は、

 MS1: 本の企画が出版社の企画会議を通る

 MS2: 企画をさらに煮詰める
      (これで書ける!と確信が得られるくらいまで)

 MS3〜10(くらい) : 執筆
      (ここから「章」ごとのマイルストーンになります)

 MS11(仮に11とします) : 校正

 MS12 : 書籍プロモーション等々

となります。

「企画会議を通る」と「企画を煮詰める」の前後関係が変だと
思われるかもしれませんが、実際にこんな感じです。

 ※ 企画会議は企画が充分に煮詰まっているかどうかに関わらず、
   通るときは通ります。
   (もちろん、目次とある程度の内容はできているのが前提です)
   だから、通ったからといって「あとは書くだけ」とはならないんです。
   内容をもっと煮詰める作業が(私の場合)必要です。


■ 材料開発の場合のマイルストーン

私が昔やっていた「材料開発」の仕事の場合にも、マイルストーンに
相当するものがありました。

  「材料開発って何じゃ?」 とお思いの方もおられると思います。
  私は昔、自動車用の「ブレーキパッド」という部品の材料を開発する
  仕事をしていたんです。

その場合のマイルストーンは、まさに性能の「目標値」そのものです。

MS1:○○時□□パターン△△テストの最大摩擦係数が0.**以下
MS2:○○○○○の□□□□□効力テストで摩擦係数が0.××以上

などの(伏せ字だらけですみません・・・)、具体的な性能の目標値
(を達成する材料ができること)が、マイルストーンになります。

車のブレーキには、普通考えられている以上に、多くの要求性能が
あります。「効きが良ければいい」というわけではなくて、どんな条件の
ときにどんな効きが得られるか、どんな条件のときに踏んでもイヤな
ノイズ(ブレーキ鳴き・他)が出ないとか・・・いろいろあるわけです。
(その他、摩耗であるとか、耐久性(割れないこと)であるとか・・・)

そんな要求性能のなかで、現状の材料では性能未達の項目が、
新しい材料の開発目標になります。
(多くの場合、カーメーカー側から目標値を提示されます)

そして、その性能を上げるためにはどうすればいいか、ということを
いろいろ実験をしながら調べていくわけです。

もちろん、一度にすべての項目を達成できればいいのですが、
ブレーキの場合は、それが非常に難しいので、各項目ごとに
メド付けをしていくことになり、それが自然にマイルストーンに
なってきます。


ちょっと(かなりか)マニアックな話になってしまいますが、そんなふうに
この開発の仕事のなかでは、仕事の流れに応じて自然にマイルストーン
が決まってくる感じになります。


ちなみに、各マイルストーン(の目標値)を達成するまでは、先が見えないとき
もあります。材料開発の仕事は、ある意味「発明発見」的な仕事でもあります
から、予見した通りに進むことのほうが少ないんです。

「PDSサイクル」を回しながら開発していくにしても、現在回しているサイクルの
実験結果次第で、次がどうなるかはわかりません。1、2つ先のサイクルまでは
ある程度予想できますが、それ以降になるとわかりません。

そんな「先が見えない」状況で進んでいくからこそ、マイルストーンとその期限は
「常に」意識しておく必要があると思います。 (← ここ重要だと思います) 

(ちなみに、最終の期限は、ターゲットとする車種の量産開始に間に合う
 ように、材料開発と各種評価を終えることです)


「先が見えない」上に、「お尻が決まっている」仕事ですから、
要求性能が高い場合には、かなりプレッシャーでした・・・(汗)
面白い仕事でしたけどね。


なんだか、役に立つかどうかわからないことを書いてしまいましたが、
こんな目標設定もあるんだということが少しでも参考になれば・・・。



そういえば、私が昔開発した材料で多くの車種に採用されたものが1つあります。
○リウスとか○クサス(の何車種か)などなど・・・多くの車種に採用され、売上も
ダントツで社内トップという華々しい仕事でした。・・・と言いたいところですが、
これはうまくいったから良かったようなものの、各マイルストーン達成までは毎回
綱渡りをするような・・・大変な、いや、面白い仕事でした(笑)
(とはいえ、この仕事は本当に面白かったので、当時の関係者の方々には
 今でもとても感謝しております)

今日の記事作成時間は48分でした。
では、また明日!


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Posted by 水口和彦 at 23:54│Comments(0)TrackBack(0)

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