本当の「地頭力」「地頭の良さ」とは?
こんにちは。水口です。
突然ですが・・・
東京から新大阪までの新幹線でコーヒーは何杯売れるでしょうか?
■ 段階的に目標を設定する
という問題は、東洋経済に載っていた「地頭力」の記事にあった
例題です。
↓ここにもその概要があります。
週刊東洋経済TKプラス | The Headline |
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「地頭力」や、「フェルミ推定」という言葉、最近ちょこちょこ耳にしますね。
その類の話です。
先の記事には、
(『』内は引用です)
『 「東京から大阪までの新幹線で、コーヒーは何杯売れますか?」
突然、この質問を振られて、あなたはどう答えるだろうか。約100杯、
200杯……。そんなこと考えたこともない人がほとんどだろう。だが、
回答をインターネット上で調べていては、あなたの地頭力は決してよく
ならない。自分の頭の中にある情報から、回答を推測できるどうかが
地頭力のバロメーターである。』
とあります。だから、要素に分解して、自分なりに推定することが大事だと。
確かにこれはその通りだと思います。
何でも「ありもののデータ」を探すだけではなく、自分の頭を使って考える
ことは大事ですよね。そのためには、推論を立てる能力が必要です。
ただ・・・、推論する能力が「地頭力」だと言われると、微妙に違和感もあります。
■ 推論には限界もある
私はエンジニア気質のためか、こういう推論で物事の数字を考えるのは
好きで、結構よくやります。それが実際の数字と合うかどうかといえば・・・、
かなり合っていることもあれば、ずれていることもあります。
どれくらいかというと・・・
・1桁ずれることはたまにある
・2桁ずれることは、ほぼない
くらいの精度です。
そんなものだと分かった上で考えるのであればいいのですが、「推論」を
あまり過信するべきではない。と思うんですけどね。
たとえば、先の記事にある例では、
新幹線の車両数 × 1両あたり乗車定員 × 搭乗率
× 飲み物購入率 × コーヒーの選択率 × 乗車中に飲む回数
= コーヒーの販売数
という式で、推論しているわけですが・・・。
後半の、飲み物購入率・コーヒーの選択率・飲む回数 は、
数字としては、かなりあやしいものです。
それを掛け算しているわけですから、その結果は誤差の掛け合わせになり、
信頼性はかなり低くなります。
※ 個々に見れば、数十%のずれであっても、それを掛け合わせれば、
ずれは何倍にも達することがあります。
(だから1桁ずれることはある。でも2桁まではずれないということです)
ということを分かった上で推論を立てる人は、地頭が良さそうに見えますが、
「それらしい推論」や、「式で表して煙に巻く」のは、地頭が悪そうに見えませんか?
なんてことを考えたりしました。
ちなみに、「新幹線のコーヒー」で言うと、先の記事では、東京−新大阪間で、
230杯売れるという推定値になってますが・・・本当にそんなに売れるのでしょうか。
私は、以前は東京−新大阪間の新幹線を頻繁に利用していましたが、1車両で
売れるコーヒーは、せいぜい5、6杯ぐらいのように感じています。平均するともっと
少ない気がします。(トータルでは230どころか・・・60杯ぐらいの計算になります)
乗客の多くは、ペットボトルのお茶や、夜なら缶ビールなどを持ち込んでいますから、
車内で300円のコーヒーを買う人はそれほどいない・・・。一乗客として車内を見た
経験ではそう思うのですが。
先ほどの230杯(16両編成で1両当たり14.4杯)という数字だと、横1列の座席
につき1杯弱売れる計算ですが・・・そんなに売れているのはあまり見ないですし。
私はホットコーヒーが好きでときどき買いますが。(← 本題と関係ない (笑))
この記事の推定値は230杯。
私の推定値は60杯。
どっちが正解に近いかは分かりませんが、「推定」に、このくらいの幅があるのは
決して珍しいことではないと思います。
というわけで、
・「推定」は、手がかりのないところでものを考えるためには必要なもの。
(考えるのは頭のトレーニングにもなる)
・しかし、その信頼性は「大きく桁を間違わない」という程度のもの。
(元になっている各推定値の精度によります)
・だからこそ、過信してはいけないし、違う方法で推定することも考えるべき
と私は思うのですが・・・いかがでしょうか。
■ 「地頭の良さ」ってなんだろう・・・?
「地頭力」の定義は、あまりはっきりしませんが、私がこれまでに会った人の中で、
「この人は地頭が良い!」と思った人は、十数人います。
(大学(院)〜前の会社(とその取引先)〜独立後に会った人たちです)
その人たちのイメージは、「こじつけ」的なものとは、まさに対極にあります。
だから、「式で推論すること」=「地頭力」 というふうに書かれると、
どうも違和感を感じてしまうんです。
ちなみに、その「地頭がいい」と思った人たちの特徴は、
(私が思う「地頭力」のある人の定義)
・物事を複数の視点から考えることができる
・直感的に判断を下すことも多い
・立場を変えて考えられる(だから相手の思考パターンを予想できる)
・性急に白黒の判断をつけようとしない(「決めつけ」をしない)
といったところです。
みなさんが「地頭がいい」と感じる人は、どんな人でしょうか?
今日の記事作成時間は54分でした。
では、また明日!
Posted by 水口和彦 at 23:56│Comments(2)│TrackBack(0)
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この記事へのコメント
私が地頭が良いと思ってしまう人は、
自分の得意分野ではない話や新しい話を聞いた時にでも、その話の本質を付いた質問をしてくる人、
他の人があまり思いつかない着眼点で発想してその話や物事を進めることができる人、
なんかですかね。
そんな時は、思わず「おぉー!」っていうような感じになってしまいます。
自分の得意分野ではない話や新しい話を聞いた時にでも、その話の本質を付いた質問をしてくる人、
他の人があまり思いつかない着眼点で発想してその話や物事を進めることができる人、
なんかですかね。
そんな時は、思わず「おぉー!」っていうような感じになってしまいます。
Posted by makoto at 2008年03月08日 21:33
水口です。
あ、ありますね。それ。本質を突く(見抜く)人も、地頭の良さを感じますね。
そんなとき、なぜか「やられた!」と思ってしまいますね。別にやられてないけど(笑)
これはかなり重要な要素のような気がします。
あ、ありますね。それ。本質を突く(見抜く)人も、地頭の良さを感じますね。
そんなとき、なぜか「やられた!」と思ってしまいますね。別にやられてないけど(笑)
これはかなり重要な要素のような気がします。
Posted by 水口和彦 at 2008年03月11日 07:37
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