2008年03月23日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

「タスク管理」の4つの流儀を比較する − 前編


こんにちは。水口です。
 
今日は、先週の『「時間管理」と「スケジュール管理」の違いとは?』と
いう話の続きです。

※注: 今回も「時間管理」と同じ意味の言葉として、「タイムマネジメント」と
     いう言葉を使います。


■ 「タイムマネジメント」と「スケジュール管理」の違い

前回述べたように、「タイムマネジメント」と「スケジュール管理」には、
次の違いがあります。


  「スケジュール管理」 = 「アポイントメント」の管理
                 (会議・打ち合わせ等の時間が決まっている仕事)


  「タイムマネジメント」 = 「アポイントメント」の管理
                 (会議・打ち合わせ等の時間が決まっている仕事)

                  + 「タスク」の管理
                 (時間が決まっていない仕事:基本的に1人でやる)

                  + 「リソース」の管理
                 (自分が使える時間と自分の仕事量のバランス)


今回は、この「タスク管理」について、少し整理しておきたいと思います。


■ 「タスク管理」の4つの手法

「タスク」、つまり時間が決まっていない仕事(いつやっても構わない仕事)は、
実行する時間が自由な分、先延ばししてしうこともありますし、実際にやれる
以上の仕事を引き受けてしまって後で困ることも起こります。

ですから、前回も述べたように、タスク管理にはアポイントメント管理にはない
難しさもあるわけです。

このタスクを管理する手法には、いくつかのやり方が存在します。そこで今回は
私が推奨する手法以外のやり方も含めて、少し整理してみたいと思います。


いろいろな時間管理手法を調べていくと、タスク管理の手法は3つに分類する
ことができます。その3つの手法に名前をつけるとすれば、


・ ToDoリスト方式

・ 1日リスト方式

・ 時間割方式

となります。


今回は、これら3つの方式の特徴と、メリット・デメリットについて比較しておこう
と思います。こういった考察の例はあまりありませんので、ご自分が使用している
やり方以外も含めて見てみると、参考になることが多いと思います。
(次回、「4つめの方式」を紹介します)

まずは、全体のイメージを図で表しておきます。

タスクの分類1〜3


■ ToDoリスト方式

1つめは、最も一般的な「ToDoリスト方式」です。

市販されている手帳や手帳レフィルにも、「ToDoリスト(タスクリスト)」が設定
されているものがありますし、本などでもこのやり方が推奨されているものは
結構多いです。


このやり方は、シンプルなリストで管理するのが特徴です。
リストを作り、タスクを書き加えていけば、リストができます。

リストは「紙」とは限りません。パソコン上でリストを作ってもいいですし、Web
上のサービスを使うこともできます。また、Web上のサービスから携帯電話へ
リストを転送できるものもあります。

さらに、「GTD」を実践するための手法の1つとして、カードやメモ用紙に
タスクを書き込むやり方を取る場合がありますが、これもタスクを書いて集積
するという意味で、ToDoリスト方式の応用になります。
(カードの束=リスト ということです)


この方式のメリットは・・・

自分がやるべき(と考える)タスクをリストに追加していくだけですから、始める
のが簡単だというメリットがあります。また、思いついたタスクはとにかくリスト
に書いてしまえばいい、という意味でもシンプルで始めやすい手法です。


この方式のデメリットは・・・

しかし、この方式にはデメリットがいくつかあります。

1つは、自分が持っているタスク全体をリストで管理するために、先のタスクまで
見えてしまうことです(上の図の赤い線のように、リストがカバーする範囲が広い
ので、期限が近いタスクも、期限が遠いタスクも一緒くたになりやすいという
ことです)。

ですから、リストのなかには、来週や再来週にやればいいタスクも入っていたり
します。そういった、「今日やらなくてもいいタスク」のことが気になりやすく、
「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」と気ばかり焦ってしまう場合があります。


2つめは、その反面、タスクの実行を先延ばししてしまいやすいことです。タスク
の期限はわかっていても、「どれ」を「いつ」やるかということがあいまいなままに
なっているので、ついタスクを先延ばししてしまいやすくなります。そして、タスク
の期限間際になってバタバタ・・・となってしまいやすいのです。

また、特に期限がないタスクの場合、いつまでも先送りされ続けて、リストに
居座り続けるタスクができてしまう場合もあります。こうなると、リストを見ること
自体がイヤになってくる場合もあります。


これらのデメリットを回避するためには、タスクを整理して、どのタスクをいつ
やるか、という計画を立てる必要があります。しかし、そこまでできている人
は少ないです(かなり手間がかかってしまうので)。

この「ToDoリスト方式」を一言でいうと、簡単に始められる反面、きちんと
運用し続けるのは難しい(面倒な)手法です。


■ 1日リスト式

次は、「1日リスト方式」です。

時間管理の本の中には、この手法を薦めているものもあります。特に、自社の
手帳と連動させた時間管理を紹介している本に多いやり方です。
(「某Fプランナー」もそうですし、他にもあります)

この手法は、当日の朝(または前日)に、1日のタスクを書き出すことに特徴が
あります。まず、その日(または翌日)にやるべきタスクを思い出して、リストに書き
ます。そして、リストができたら、そのなかのタスクのどれからやるか考えます。
(いわゆる「優先順位」です) そして、リストをチェックしながらタスクを実行して
いくというやり方です。


この方式のメリットは・・・

この方式は、意外に取っつきやすく、違和感なく始められます。その理由は、
「タスクを管理していなかったとき」と、頭の使い方が似ているからです。

タスクを書いて管理していない場合には、出勤したら(あるいは出勤前に)、
「今日は何からやるべきかな・・・」 ということを考えますよね。そして、いくつか
思いついた中から、どれをやるか決める、と進めていきます。これを、最初に
全部洗い出して、順番を考えて実行しようというのが、この「1日リスト方式」です。

ですから、元々の頭の使い方と似ていて、あまり違和感なく始められるという
メリットがあります。


この方式のデメリットは・・・

しかし・・・、この方式にもデメリットがあります。

1つは、毎日計画を立てるのが面倒なことです。毎朝計画を立てるのが面倒で
続かなかった、という話はよく聞きます。「全部のタスクを一度に思い出す」という
作業は、結構頭に負担がかかるものなのです。

また、先のToDoリスト方式と同様に、「今日やらなくてもいいタスク」のことが
気になってしまうこともありますし、「今日のタスク」として、いろいろリストアップ
したのはいいものの、やり終わらないタスクが多くて、結局明日に先送り・・・と
なりやすいです。それを書き移す手間も・・・かかります。


もう1つのデメリットは、先が見えないことです。上の図で青い四角で囲ったように、
この方式では、「今日」のタスクはいいとしても、明日以降のタスクについては、
整理されていない状態が続いてしまいます。

そのために、タスクの期限間際に気がついたときにはもう遅く・・・結局バタバタに
なってしまうこともあります。そんなこともあって、先の仕事内容がはっきりしない
という不安を抱えることになりやすいのです。


■ 時間割方式

3つめは、「時間割方式」と呼んでいるものです。

このやり方の特徴は、タスクの「実行時間」をあらかじめ決めてしまうことです。
タスクを、アポイントメントに近い形で管理する手法といってもいいでしょう。

アポイントメント以外の空いている時間に、実行したいタスクを割り振っていき、
最終的には、タスクとアポイントメントの両方が時間に割り付けられた「時間割」
のような計画になります。


この方式のメリットは・・・

この方式は時間を決めるのが面倒な反面、メリットもあります。それは、計画を
立てる時点で、タスクを実行する時間が確保できることです。

「時間割」的なスケジュールを組む段階で、「これだけの時間があれば、このタスク
はできるだろう」という見込みを自然に考えますから、「実行不可能」な計画を立て
てしまうことは、グッと少なくなります。

また、実行時間を決めてしまっているので、タスクの実行を先延ばししてしまう
ことも少なくなります。これもメリットです。


この方式のデメリットは・・・

一方、デメリットもあります。

1つは、タスクが発生した時点でタスク実行時間を決めるのが、少し難しいこと
です。時間まで決めてしまうのが面倒で、「あとで時間を決めよう」となると、
タスクの再整理が面倒ですし、忘れてしまうこともあります。

もう1つは、いったん決めたタスクの計画を変更するのが、とても面倒なことです。
タスクの時間を固定してしまう分、自由度がなくなりますから、アポイントメントを
追加するだけでも、書き換える必要が生じます。


これらのデメリットは先の2つの方式とは違い、手間がかかるものの、あまり
シビアな問題には発展しません。ですから、先の2つよりは安全確実なタスク
管理手法です。

ただし、タスクの数が元々少ない人や、マメな人でない限り、運用を続けるのは
かなり面倒なのは覚悟しておく必要があります。
(突発の仕事が多い人は特に大変です)



もう一度、先ほどと同じ図を出しておきます。

タスクの分類1〜3

・「ToDoリスト方式」と「1日リスト方式」は、タスクの扱いに関してアバウト過ぎる。
 (ToDoリストは大まか過ぎ、1日リストは直近しか見なさ過ぎです)

・「時間割方式」はしっかり管理できる。
 ただし、計画を立てる・変更する手間はかかる。


ということが、イメージしやすいと思います。


では、次回はタスク管理の「第4の方式」を、これらの方式と比較してみます。



今日の記事作成時間は87分でした。

では、また明日!


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Posted by 水口和彦 at 23:53│Comments(0)TrackBack(0)

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