『最強の集中術 : Find your focus zone』 という(真面目な)本
こんにちは。水口です。
今日は、「おおっ」と思った本の紹介です。
■ 集中力を高める、集中力を持続するには?
あらためて言うまでもないことですが、「集中力を高める」ことは、
「時間を活用する」ために、とても重要です。
「時間系」の本の著者には、「集中力」=「時間の密度」である。という言い方を
する人も多いです(私もそう思います)。
では、その集中力をどう高めたらいいのか? ということが気になるわけですが、
「集中力を高める秘訣」として、言われるものにもいろいろあり、そのなかには、
まったく正反対のことを言っているものもあります。
たとえば、「集中したいときには音楽をかけるべし」という人もいれば、
「音楽をかけるとジャマになる」という人もいます。
これについては、私もいろいろ試してきましたが、どうも「決定打」がないというか、
「答は1つではないのではないか?」という気がしています。
■ 音楽は効果があるか? それともジャマか?
たとえば、音については、
・静かなほうが集中できる場合もある
・その反面、環境音があるほうが集中できる場合もある
(例:新幹線の中や、カフェなど)
・音楽がないほうが集中できる場合もある
(どちらかというと、こちらのケースが多い)
・音楽をかけたほうが集中しやすくなることがある
(無音→音楽ありに変えて集中力が上がるケースもある)
・曲は激しくなくて、聞き慣れた(聞き飽きた)くらいの曲が良さそう
・ヴォーカルものよりはインストゥルメンタル(歌なし)がいい
(聞き飽きるくらい聞いた曲ならヴォーカル入りでもいいかもしれない)
(弦楽器、特にアコースティックギターの音は良さそう。)
・自分にとって新鮮な曲は良くない(ことが多い)
・個人的に嫌いな曲は、やっぱりダメみたい(当たり前?)
などなど、自分の経験だけをとってみてもいろいろなケースがありました。
どうも、一概に言えないものがある(自分の状態によっても変わる)という
ことだけは、間違いないようです。
※ だからこそ、オフィスへの音楽の導入は慎重にすべきだと思います。
ある人がよくても、他の人にとっていいとは限りません。
「最大公約数」的なところを狙うしかないわけです。その場合に、
音楽導入で仕事の効率が上がるかどうか?(興味はあるのですが・・)
(これはホワイトカラー業務としての話です。工場などのくり返し作業が
多い仕事では、「音楽あり」のほうがいいという話は耳にしますね。)
そうに感じていたので、「音楽をかけて集中力が上がった」というような話は、
個人的なものであり、誰にでも効果のある「集中力アップ術」とは言えないと
考えています(言い切った途端に「うさんくさく」感じます・・・)。
もちろん、いろいろ試してみるのはいいことですし、自分が集中できるパターンを
知っておくのは武器になります。しかし、そのパターンが、他の人に効果があるとは
限らないし、「明日の自分」に効果があるとも限りません。自分だけに限定するに
しても、何パターンかもっておくべきではないかと思います。
そう感じていたのですが、そういった現象をうまく説明できるモデルを
提供してくれる本がありました。
■ 「最強の集中術」
先月出た、この本があります。

最強の集中術
『最強の集中術』 という、少しあやしいタイトルですが・・・、
(原題は「Find your focus zone」とぜんぜん違います)
内容は、とても「まっとうな」本です。
著者のルーシー・ジョー・パラディーノ氏は心理学者で、1970年代半ばから
「集中力」や「注意力」に関係する研究を続けてきたという人です。
「認知心理学」の中でも、特に「集中力」「注意力」について研究してきた人
ですから、内容にも説得力がありました。
※ ただし、1つだけ注意点を・・・
本の中にあるノウハウには、実験などで裏打ちされている話と、
著者の主観(経験)による話が混在して、境界線が不明瞭です。
学術書ではないので、それで構わないわけですが・・・、
「科学者」が書いたから、すべて「科学的なデータに裏打ちされた話」
とは思わないほうがいいです。(他の心理学者や脳科学者が一般向け
に書いた本も、ほとんどそうですし、それで本の価値が下がるわけでも
ありませんが・・・念のために。)
この本では、集中力と刺激の関係を、「逆U字型」の曲線による
モデルを使って解説しています。そして、
・刺激が少ない、「意欲低下」の領域
・最適な状態である、「集中ゾーン」
・刺激が多すぎる、「オーバーヒート」の領域
の3つの領域があるとされています。
つまり、テンションが低すぎても集中できないけど、テンションが上がりすぎると
(イライラしたり過敏になったりする状態)、それも集中できない。
テンションが適度なときが、一番集中できる。
というモデルです(※ 著者は「テンション」という言い方はしていませんが)。
・・・こう書くと、いかにも「当たり前」のことしか言っていないようですが、
先ほどの音楽の話も、このモデルを使うとうまく説明できます。
私は、自分の経験と照らし合わせても、腑に落ちる(納得できる)ところが
多かったですし、いろいろ応用が効きそうなモデルです。
他にも、具体的な「集中力アップ」のテクニックがいろいろ載っています。
もちろん、「どんなときでもこれさえやればOK」というような、紋切り型の
テクニックではありませんし、個人的に合う、合わないもあると思います。
それでも、自分にとって「使える」ものが、いくつか見つかると思いますよ。
■ 時間管理ツールに対する相反する思い
この本の中に、「時間管理」「段取り」的なことについても触れられた
部分がありました。(『』内は引用です)
(時間管理に使うツールに関して)
『 私たちは、あるものに対し、肯定的な感情と否定的な感情を同時に感じる
− 愛憎入り混じった思いを抱く − ことがある。 (中略)
こうしたツールは、生活に枠組みを与えてくれるという点では有難いが、他方
ではああしろこうしろと命令されているようで辟易することもある。「やりたい」と
「やらされる」という2種類の思いが、胸の中で交錯するのだ。』
『あなたに予定を知らせてくれる「時の伝令」を責めるのはやめ、発想を変えて
それを好きになれば、時間管理ツールをもっと楽しく使えるだろう。』
この感覚、「わかる」という人は多いのではないでしょうか。
たとえば、手帳を例に取れば、
・やる気があるときには、手帳を見るのがうれしい
・あまりやる気が出ないときには、手帳を見ることをイヤだと感じる
というように、同じ「手帳」に対して、日によって違う感情を感じることがあります。
こういった、「気分の波」のようななものをいかに乗り越えるかが、時間管理を
継続するポイントの1つになっています。
「見るのがイヤだ」と思って見なくなると、ますます見ないことになります。
すると、今度はやる気が高いときにも、見ないまま突っ走ってしまう・・・。
なんてことになる可能性もあります。
■ 「時間管理ツールへの相反する思い」を解消する
私は時間管理をやる過程で、これと同じような状況を経験したことがあるため、
2つのアプローチで、これを予防しています。
1つは、「作業中は手帳を常に開いておく」 習慣です。
「常に開いておく」のは、いつでも「書ける」「見られる」という、実用的な面でも
おすすめなのですが、「手帳を見たくない」という思いを作らないためにも重要
です。
たとえば、あまりやる気が出ない日には、手帳を書いたり見たりするのが、
おっくうに感じることもあるかもしれません。そんなときに手帳を閉じてしまうと、
ますます見なくなってしまいます。ですから、どんなコンディションの日であれ、
「見る」ことだけはやめない、というのが、時間管理を継続するために
とても重要です。
※ パソコンのスケジュール管理ソフトを使っている場合は、注意が必要です。
他のソフトでの作業中はスケジュール管理ソフトが隠れてしまいますから、
そうなると(見たくないという意思も手伝って)、長時間見ないまま、
仕事を進めてしまう場合があります (そしてますます見なくなる・・・)。
ですから、パソコンを用いて時間管理(特にタスク管理)を行う場合には、
手帳の場合以上に、「意識的に見る」ことが必要になります。
もう1つは、とても「ベタな」アプローチですが、気に入った手帳を使うと
いうことです。
「モノ」、「アイテム」として、自分が気に入っているものであれば、
「肯定的な感情と否定的な感情」のバランスを、多少は「肯定寄り」に
する効果があると感じています。
私が(A5サイズとしては、)最初に買ったシステム手帳のバインダーは、そういう
意味もあり、奮発して気に入ったもの(3万円弱)を買いました。当時は「手帳
にそんなにお金をかけるなんて・・・」 とも思いましたが、結果としては良かったと
感じています。
あれ・・・本の紹介をしていたはずなのに、
いつの間にか手帳の話になっている・・・ (笑)
「集中力のメカニズム」について興味がある方、
「集中力アップ術を増やしたい」という方におすすめの本です。
↓

最強の集中術
こちらは「集中力」・・・ではなく、「タスク管理」の話です。
↓
時間管理講座上級編
(「毎月恒例」になりつつある、弊社セミナーです)
今日の記事作成時間は96分でした。
(長いなあ・・・と思ってカウントしたら、3600字を越えてました(汗) )
では、また明日!
Posted by 水口和彦 at 23:55│Comments(0)│TrackBack(0)
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