誤解されがちな・・・ タスクの優先順位・判断基準 その2
こんにちは。水口です。
先週、誤解されがちな・・・ タスクの優先順位・判断基準という記事を書きました。
今日は、それに関連した話です。
■ 「優先順位」よりも「やるか・やらないかの決断」
その記事では、こう書きました。
――――――――――――――――――――――――――――――――
一般的な時間管理のメソッドとしてよく言われる、「タスクに優先順位をつけて実行
する」というやり方は、実際に運用する上で問題があるので、おすすめできません。
たとえば、「優先順位をつけて実行する」というやり方には、
「仕事が増えすぎていても気づかない」
(優先順位をつければ何とかなると思ってしまう)
「優先順位の低い仕事は先延ばしになりやすい」
(翌日へ、さらにまた翌日へ・・・と先延ばしになり、気分もスッキリしない)
という問題があります。
タスク管理に必要なのは、「順番」を決める「優先順位」よりも、むしろ、
「やるか・やらないか」を判断する「判断基準」と考えるほうがうまくいきます。
――――――――――――――――――――――――――――――――
どれを「優先すべきか」という判断だけをくり返していると、結局タスクの
先延ばしが増えてしまい、「仕事の在庫」が増える一方になってしまう。
ということです。
逆から見れば、こういうこと↓です。
・「有限な時間のリソースをどう使うか?」という観点に立てば、「やらない」という
決断も必要になる。
・「優先順位をつける」という発想は、その決断を先延ばしすることに他ならない。
(そして、「決断」を先延ばしするほど、後で追い詰められた状況になってしまう)
というわけで、「優先順位」よりも、「やるか・やらないか」の決断をすることが重要な
局面のほうが多いというわけです。(そのために必要なものが時間リソースを管理
することであり、その第一歩はタスクの実行日を決めることから始まる。というのが
私の時間管理メソッドの基本にある考え方です)
ということを前提にした上で・・・、
今日は「どちらのタスクを取るべきか」という、判断基準の話です。
■ 「重要なタスク」って、どんなタスクのことを指す?
タスクに対する判断基準の例として、「緊急なことよりも重要なこと」と
言われることがあります。
「緊急性と重要性のマトリックス」というのは、『7つの習慣』という本で
広まったものです(このマトリックスの原型は、それ以前からありましたが)。
この、「緊急なことよりも重要なこと」といった「判断のための枠組み」は、
時間の使い方全体を指す一般論として見れば、正しいことを言っています。
しかし、具体的に「どちらのタスクを優先するか?」という判断を迫られたとき
には、この枠組みはうまく機能しません。
【余談】
それなのに、このマトリックスを時間管理の社員研修のメインコンテンツに
置いている研修会社もあったりするので、頭が痛いところです・・・。
そういう実践的ではない研修を受けさせられる社員の方は気の毒ですよ。
【余談おわり】
前回書いた、その典型的な例は、
――――――――――――――――――――――――――――――――
・重要ではないけど、人と約束してしまったタスク
(または、重要ではないけど、仕事上やらざるを得ないタスク)
の扱いです。
「重要なことを優先すべき」というのは、基本的な考えとしては正しいですが、
いくら重要じゃないことであっても、それを「やる」と約束してしまった以上、
やらざるを得ない場合があります。約束した相手しだいでは、自分の「信用」に
もかかわることですから、「重要ではないからやらない」というわけにいきません。
これが、「重要」かどうか、という基準では判断しきれない例の1つです。
――――――――――――――――――――――――――――――――
というものでした。
今日は、もう1つ別の例を紹介します。
たとえば、「デスクの片付け」「部屋の掃除」といったタスクは、
「重要」でしょうか? 「重要じゃない」でしょうか?
直感的に「重要じゃない」と感じた人が多いと思いますが、よくよく考えて
みると、これは結構悩ましい問題です。
片付けや掃除は、1日や2日やらなかったとしても、あまり問題はありません。
そういう意味で「緊急じゃない」のは間違いありません。
しかし、「重要じゃない」というわけでもありません。もし、「重要じゃない」から
片付け・掃除をしない・・・という状況が続くと、その末路は「ゴミ屋敷」に
なってしまいます。
もちろん、それは困るので、(その人なりに基準は違っても)、片付けや掃除を
やることになる、というのが普段の行動です。つまり、片付けや掃除は、
「(いつかは)やらないわけにはいかないタスク」
「(いつかは)絶対やらなければいけないタスク」
なのです。「いつかは」という限定がつくにせよ、絶対やらなければいけないわけ
ですから、「重要じゃない」とは言い切れないのです。
このように、「何が重要か」という1つの観点で、タスクを判断しようとすると、
判断に迷う状況が発生します。
本来なら、「重要かどうか?」ということを判断するための判断基準には、
・そのタスクをやることで得られる(期待される) 成果の大きさ
(時間対効果:投入する時間に対する効果 も考慮する)
・そのタスクは(いつかは)絶対やらなければいけないものか?
あるいは「やらない」という選択肢も許されるものなのか? という判断
という、2つの軸(判断基準)があります。
これをごっちゃにして、「重要かどうか」という1つの判断基準にしようと
するから、上記のようなややこしい問題が起こるわけなんです。
このことが分かっていないと、「緊急・重要」という考え方に翻弄されて
しまいます(私は昔そうなりました)。
少しまとめます。
たとえば、「7つの習慣」でいうところの「重要なこと」というのは、
次のようなものです。
・(長期的な観点も含めて考えて、) より成果の大きいこと、
より自分にとって必要なこと、に取り組むこと
これはもちろん大事なことです。
しかし、実際のタスクの中には、
・絶対やらなきゃいけないものなのか?
あるいは「やらない」という選択肢が許されるものなのか?
という判断基準もあります。
この両方を「重要」という1つ言葉でくくってしまうのが良くないのです。
こう整理すると、結構「当たり前っぽい」ことですが、こういった形で
「タスクの判断基準」を整理している例は、見たことがありません。
(「重要」「緊急」だけの枠組みを教えている人が多いです)
というように、「時間管理」という分野は、他のビジネススキルと比較しても、
まだあまり考え方やノウハウが体系化されていない分野です・・・残念ながら。
(それが私がこの仕事をやろうと(やらなければと)思った理由でもあるのですが)
今日の記事作成時間は55分でした。
【お知らせ】
4月11日・東京 セミナーを開催します。
(今回の「もっと詳しい版」の話もあります)
↓詳細・お申込みはこちらから
時間管理講座上級編 紹介ページ
では、また明日!
Posted by 水口和彦 at 23:43│Comments(0)│TrackBack(0)
時間管理術研究所の無料メールマガジンで
モチベーションアップしてみませんか?
バックナンバーはこちら
Copyright (c) 2005-2007 BizARK Inc. All rights reserved.
http://trackback.blogsys.jp/livedoor/k_minakuchi/51583198
※ スパムコメント対策として、半角の「!」は使用不可の設定にしています。
申し訳ありませんが「!」は、全角文字を使用していただけますよう、
お願いいたします。




(参照リンクの無いトラックバックは受け付けておりません)