2008年04月14日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

新入社員に伝えたい(伝えるべき) 「OJT」の価値


こんにちは。水口です。

少し前に、「終身雇用志向を持つ人が増えている」というアンケート結果を
紹介しました。

(↓この記事の中です)
新入社員への 「すぐできる2つのアドバイス」

今日はそれに関連して、「新入社員に伝えるべきこと」 「新入社員が実践
すべきこと」の話です。


■ 終身雇用志向が高まっている(もう1つの)理由

「プレジデント」のサイトに、こんな記事がありました。

終身雇用への回帰が始まったもう一つの理由 - プレジデント
『』内は引用です)

「終身雇用」を支持する人が増えていたり、企業側でも「終身雇用を維持する」と
答える割合が増えている、という傾向について触れたあと、

『 なぜこうしたことになってしまうのか。よく言われるのが、労働者の安定志向で
ある。例えば、前述の終身雇用アンケートについて、一部のマスコミは、「安定志向
への回帰」があると解釈している。
 確かにそれもあるのかもしれない。でも、私は、日本における人材育成の特徴が
長期雇用への志向を強め、労働市場の流動化を防いでいるように思う。 』


『 より具体的に言うと、日本の人材育成が現場育成、またはOJT(on-the-job
training、仕事を通じた学習)によっていることだ。(中略) 人材育成の方法と
してOJTを積極的に位置づけ、それが主な育成方法であると考えるのは極めて
日本的(または、東アジア的)である。近年のリーダー育成研究において、高度
の仕事能力は、高度な仕事経験を通じてしか得られないという、わが国では
あたり前の内容が、 外国の研究では、重要な発見であるとされてしまうこと
もそれを物語っている。 』


と続きます。

 日本の企業での人材育成は、OJTによるところが大きい
                ↓
 だから、終身雇用制の方が、馴染みやすい

という議論は、確かになるほどと思えます。


■ OJTと終身雇用の関係

OJTによる人材育成は、時間がかかります。企業側から見れば、せっかく育てた
人材が流出してしまうことによる損失は大きいですから、終身雇用傾向が高い
ほうがありがたいということになります。従業員側から見れば、OJTで身につけた
スキルが、他社で100パーセント活かせるという保証がありませんから、やはり
終身雇用のほうが良いという判断をする傾向になるわけです。

上の記事では、企業も従業員も、そうした日本の人材育成の基本パターンを
もっと活かすようにしてみてはどうか、という提案がされています。

具体的には、企業には

『 新入社員に対して、チャレンジ性のある、学習効果の高い仕事を
 割り振ってほしい。 』


新入社員には

『 まず、日本の人材育成とは、OJT中心であることを理解してほしい。つまり、
これからの長いキャリアで仕事能力を本当に高めるのは、資格取得などでは
なく、仕事を覚えていくことしかないのである。』


とあります。確かに、こういう考え方は馴染みますね。おたがい、これを
もっと意識したほうがいいのかもしれません。


最近の若者はなぜ、すぐ会社を辞めてしまうのか? という議論もいろいろ
ありますが、実際のところ、「ここにいては自分が成長できない」という
危機感を感じて辞める人の話をよく耳にします。

私が新入社員だった頃(今から十何年か前)も、「自分が成長したい」という
成長機会を求める思いはありましたが、むしろ、現在の新入社員のほうが、
そういう「成長機会を求める志向」が強いように感じることがあります。

それが事実なら、それはかえって終身雇用制に馴染みやすいということ
ですね。逆に言えば、辞めてしまう人が増えているのは、企業側がそういう
「成長できる仕事」を与えることができていないからかもしれません。

また、新入社員側にも「成長している実感」がなかなか感じられないという
焦りのようなものがあるのではないでしょうか。


■ OJTは貴重な「実践機会」

現在の新入社員(やそれに近い年齢)の方たちは、昔(たとえば私の頃)と
比べて、情報収集が上手ですし、勉強熱心なところがあります。それは、
お世辞抜きに、とても良いことだと思います。ただ、その反面、失敗する
ことに対する恐れや、すぐに結果が出ないことに対する焦りを感じやすく
なっているようにも思えます。

OJTは、確かに時間がかかるものでもあります。しかし、その分、「自分の
頭を使いながら、実践で身につける」という面白さや、成長機会があります。


※ 自分の話で恐縮ですが・・・、
   たとえば私の場合、現在の仕事は、最初に勤めた会社での業務内容
   とは、ほとんど(直接は)関係がありません。しかし、もし、大学院を修了
   したあとでいくら勉強を積み重ねたとしても、現在の仕事は出来ない
   はずです。会社の中で、自分の頭を使いながら、考えたり実践したり
   したことが糧になっているのです。


最近の就職活動をする学生さんは、(昔よりも)会社の社内教育制度に
ついての関心が高くなっていると聞くことがあります。もちろん、教育制度
も大事なのですが、それ以上に大事というか、役に立つのは、実践を通じ
ての成長です。

学生や新入社員の方には、それを実感してほしい(実感できるくらいは
会社に残ってほしい)と思います。

また、上司や先輩社員は、「OJTの面白さ」について、もっと意識して
語らなければいけないのかもしれないですね。




「ビジネスを実践する」機会は、起業することでも得られるかもしれません。
しかし、会社に所属しないと得られない「実践機会」も確実にあります。

たとえば、私の場合、自分が開発した材料が年間数十億円の売上に
結びつきました。そんなビジネスの中の1つの意思決定に参加する機会を、
「起業することで」得られる人は、ほんの一握りです。一方、会社に所属
することで、そういう機会を得ている人は結構多いです。もっと大きな話
もゴロゴロしています。そういう意味で貴重な機会を得られるのが「会社」
という場所なんです。

焦らず、「自分の頭を使いながら」、実践のなかで成長していってください。



今日の記事作成時間は53分でした。

では、また明日!



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Posted by 水口和彦 at 23:58 │Comments(0)TrackBack(0)

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