2008年04月16日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

「仕事のムダ取り」と、その抵抗勢力


こんにちは。水口です。

今日は、「仕事のムダをなくす」話です。


■ 今週の「プロフェッショナル」

今週の「プロフェッショナル 仕事の流儀」という番組に、
山田日登志さんが出演されていました。

(その回の概要は↓こちらのサイトにも掲載されています)
第84回 工場再建・山田 日登志(2008年4月15日放送) |
NHK プロフェッショナル 仕事の流儀


山田日登志さんは、いろいろな会社に対して、工場の生産性を向上させるため
の指導をされている方です。


「工場の生産性を上げる」といえば、最も有名なのは、「トヨタ生産方式」では
ないでしょうか。「JIT(ジャストインタイム)」や、「かんばん方式」といった言葉を
聞いたことのある方は多いと思います。

その「トヨタ生産方式」を確立、体系化したのは、大野耐一氏です。

山田日登志さんは、工場の生産性向上をその大野耐一氏に学び、さらに
独自に「セル生産方式」という考え方を生み出し、普及させている方です。


※ 同様に、大野耐一氏に学んだ方に、若松義人さんという方もおられます。
   若松義人さんはトヨタに在籍した方ですが、山田さんは、トヨタには在籍せず、
   大野耐一さんに頼み込んで学びにいったという、ちょっと変わった経歴を
   お持ちです。

   また、現在の工場改善手法についても、若松さんはトヨタ生産方式の本流的
   な考え方が多いのに対し、山田さんは「セル生産」などの、少し違ったやり方を
   取っています。(考え方の源流は共通していますが)


■ 「ムダ」はどこにある?

上記の放送をご覧になった方は、山田さんがどのように「ムダ」を取り、
生産性を高める改善をしているのか、その片鱗が見えたと思います。

「こうすれば生産性が上がる」という指導の内容のほとんどは・・・、



   「言われてみれば当たり前」

なものだと感じませんでしたか?

たとえば、

・モノ(製品や仕掛品)を運搬する工程を無くすために、レイアウトを変える

という改善も「言われてみれば当たり前」のことです。でも、実際にはなかなか
できてないわけです。一見整然と見える工場でも、必ずムダは潜んでいます。

そんなムダができてしまう理由は、設備の機能別にレイアウトしてしまっている
ことであったり、在庫の置き場所が必要だという思い込みであったりするわけ
です(他にも理由はたくさんあります)。

本来なら「モノの流れ」に徹底して注目しなければいけませんし、「モノの流れ」
の中にあるムダを徹底して排除しなければいけません。それを徹底してやれるか、
理想の状態に近づけるためにどれだけ知恵を出せるか、というところで、結果が
大きく変わってくるわけですね。


■ 「セル生産方式」が生まれた理由は?

番組では、「セル生産方式」についても少し触れられていました。

「セル生産方式」というのは、いわゆる「ベルトコンベア式」の対極にある方式です。
1人の人が、1つの工程だけを担当するのではなく、1人の人が、1つの製品を
完成させるまでのすべてを行ってしまう、というやり方です。

作業者は多数の工程を1人で担当しますから、熟練が必要になります。しかし、
在庫を最小限に抑えながら、多品種少量生産ができるというメリットがあります。


そういう手法ですから、もともと「多品種少量生産に対応する」ことを目的として
考えられた手法だと思っていたのですが・・・発祥はちょっと違うのかもしれません。

通常の流れ作業でも、モノの置き場所や作業方法などを工夫すれば、それまで
2人でやっていた作業を1人でやれるようになる場合があります。そうやって、
作業を複合化していく過程で、知恵を出したり工夫したりすることをくり返して
いたら、「1人で全部できてしまう人」が現れ始め、それがセル生産というやり方
の始まりになった。というエピソードが、番組のなかで語られていました。

ですから、決して「結果ありき」や、「上からの押し付け」ではなく、作業する人が
工夫を積み重ねるうちに、初めて可能になったやり方なのではないでしょうか。

現場の知恵や工夫を積み重ねていくことが、それまでの常識をくつがえす新しい
生産方式を生み出した・・・そうだとすると、すごい話ですね。私は、この話に
いたく感銘を受けました。


■ 改善の抵抗勢力とは?

そんな知恵や工夫による改善にも、敵はあります。

その敵(抵抗勢力?)になるのは、「このやり方を変えるのは無理だ」 という
思い込みや、「いままでこのやり方でやってきたから(変えたくない)」 という、
現状維持志向だったりするわけです。

そういう「できない理由」を排除して、「これをやるためにはどうすればいいか?」と
考えられる人を育てることが、山田さんの目的・・・というか、ある意味「哲学」に
近いもののように思えました。


・「できない理由」を並べるよりも、知恵を出す。

・知恵を出して改善すれば、結果が出る。

・結果が出れば、本人のやる気も高まる。
 (自分で考えるようになる。職場も活性化する)


という好循環を作ることが、企業にも社員にもプラスになるという信念があるの
だと思います。それが伝わるからこそ、社員も前向きに取り組むようになるのでは
ないでしょうか。



この「好循環」は、工場に限った話ではなく、デスクワークについても、まったく
同じだと思います。

「できない理由」を探すことがクセになってしまっている組織は、活気がなくなって
しまいます。それを突破するのは、上っ面の言葉を並べることではなく、まずは1つ、
なにかを改善してみる(行動して結果を出す)ことではないでしょうか。そんなことを
思いました。


というわけで・・・周りの人の仕事に対する意識を変えるには、
100の言葉を並べるよりも、

 ・まずは1つ、仕事のやり方を改善してもらう

  (1つだけでもいいから、結果を出すところまでやらせる)

という作戦を取ってみてはいかがでしょうか。リーダー、管理職の方は、
考えてみてはいかがですか?




この「プロフェッショナル 仕事の流儀」という番組、少し前の時期は、
「挫折。そして再起」のパターンにこだわりすぎて、いい素材をうまく伝え
られないことが結構多かったように思います。
(もちろん、挫折話が感動的なケースもあるのですが、そうでない場合に
 無理に挫折話に仕立てるのは、かえって話をダメにすると思います)

最近、その傾向が無くなってきて、また面白くなってきたように感じます。
またしばらく、マメに見るようにしてみます。


今日の記事作成時間は60分でした。

では、また明日!



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Posted by 水口和彦 at 23:55 │Comments(0)TrackBack(0)

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