2008年05月11日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

長期的な「やるべきこと」 vs 短期的な「やるべきこと」


こんにちは。水口です。

本日は 前にも紹介したように、「時間管理基礎講座」を開催しました。
今日はそのなかで頂いたご質問の話です。


■ 長期的な「やるべきこと」が短期的な「やるべきこと」に負けないためには

頂いたご質問は、

  「緊急にやらなければいけない」 「できるだけ早く実行しなければいけない」と
  いう仕事が続けて入ってくると、「長期的にやる予定にしている仕事」が実行
  できなくなる(先送りにすることが続いてしまう)という状況になりがち。

  それをなんとかするいい手はないか?

という主旨のものでした。


  長期的な「プロジェクト」や、長期的に「継続したい習慣」があるのに、
  短期的な「やらなければいけないこと」に追われてなかなか実行できない。

というのは、よくある話です。

いや、「よくある話」どころか、「すべての人はそうなってしまう傾向を持っている」
といっても過言ではないくらいです。


なぜ、そうなってしまうのか? というのは、いろいろな理由があるわけですが、
その1つは、人は長期的なメリットよりも、短期的なメリットのほうを、どうしても
重視してしまう傾向がある点にあります。

たとえば、↓この本 「誘惑される意志」では、「やめられない習慣」などの様々な
例をあげて、そういった現象を「双曲割引」を使って説明しています。

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誘惑される意志 人はなぜ自滅的行動をするのか

ここでいう「割引」というのは、本来は同じ価値のものも、得られる時期が遠く
なればなるほど、「現在」感じる価値は低くなる。ということです。

たとえば、ダイエットをしようと思っている人が、「(将来)ダイエットに成功するメリット」
と、「いま、これを食べるメリット」を無意識に比較した結果、「いま」のメリットを重視
してしまうと、「わかっているのに・・・食べてしまった」 ということになります。

こういった行動が「割引」、特に(「指数」ではなく)、「双曲割引」の影響を受けて
いると考えれば、様々な事象がうまく説明できる。というのが、上記の本の主旨
です。(やや冗長なところがある本ですが、こういう現象に興味を持っている人に
とっては、非常に面白く読める本だと思います)。


そんなふうに、人は様々な局面で「長期的なメリット」 よりも「短期的なメリット」
を得ることや、「短期的なデメリットを避ける」ことを重視して行動しがちです。

さらに、それに拍車をかけるように、

  短期的な仕事は、いろんな人に催促されるのに、長期的な仕事が
  催促されることは少ない(というか、めったにない)。

という事情があったり、

  短期的な仕事は毎日意識するのに、長期的な仕事は、つい頭のなかから
  抜けてしまいがち。

という事情があったりします。



ですから、基本的に、

  長期の「やること」は、短期の「やること」に負けてしまう

ということを、前提におく必要があります。


■ 少しでも「長期」を意識する習慣を持つ

長期的なことを成し遂げるためには、そういった「長期的なやること」に
たいして、「いかにその肩を持つか」 という対策が必要です。

私はそのための手段として、

 ・ 「長期スケジュールをわかりやすく整理・具体化」する

 ・ その長期スケジュールを見る (毎日見る)

といった手法に効果を見出しています。やや地味な手法ですが、やるのと
やらないのでは、大きな違いが生まれます。


■ ときには「鉄の掟」をつくることも必要

ただ、実際にシビアな局面(緊急のものが次々入ってくる局面)になると、
厳しいものです。

「緊急なものよりも、(長期的に見て) 重要なことをやるべき」 という
意識だけでは、なかなかうまくいかないものです。

ですから、ときには自分自身で、 「この案件には、最低でもこれだけの時間
(例:週当たり○時間)を投入する」 という「鉄の掟」を決めておくことが必要
になる場合もあります。

たとえば、個人的な「勉強」などでも、「1日○○分以上」のように決めて、
その時間を必ず投入する、という習慣ができれば大きな力になります。
それと似たように、長期的な仕事に対しても、「絶対に時間を確保する」
ことを(自分のなかの)「鉄の掟」として決めておく。 というのは、1つの
対策として有効です。


また、違ったアプローチとしては・・・

たとえば、「早朝の時間を活用する」ことの重要性を説く社長さんが多いのは、
その時間の一部を「長期的なこと」のために割り振ることができるというメリット
があるから、というのが大きな理由の1つになっています。
(他にもさまざまな理由がありますが)

早朝を使わないにしても、たとえば、「朝一番の30分は極力この仕事をする」
などのルールを決めておくのもいいかもしれませんね。


他にもやり方は考えられますが、なによりも大事なのは、「絶対に時間を
確保する」 という自分の意志が、どうしても必要になる。 というところです。

「習慣づける」ことも大事だけど、「絶対やるという意志」も大事ということ。
状況が困難であればあるほど、重要なことですね。



今日の記事作成時間は45分でした。
では、また明日!


「段取り」を追求するための 「段取り講座」 も行います!



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Posted by 水口和彦 at 23:55│Comments(0)TrackBack(0)

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