2008年05月13日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

「自営業者」は仕事と生活の満足度が高い?


こんにちは。水口です。

■ 「自営業」の満足度

Google アラート が、こんなニュースを拾ってきました。

弘大が「仕事とこころの健康」でアンケート by 陸奥新報
『』内は引用です)
 
『  弘前大学人文学部付属雇用政策研究センターは「仕事・生活とこころの健康
 に関する調査報告書」を公表した。2007年に北東北三県を対象に実施した
 アンケート結果で、就業形態や働くこと、悩みなどの人間関係が生活満足度に
 どのように影響しているかについて調査した。』

 
『  アンケートの結果によると、仕事と生活の満足度については、所得増加が
生活満足度に最もプラスの影響を与え、労働時間が多いほどマイナス影響を
与えていることが分かった。一方、仕事と私生活とのバランスを重要視しており、
最近提唱されているワークライフバランスの形成が厚生水準を高める要因の
一つと言えることが分かった。』


とあります。

所得増加がプラス影響、労働時間増がマイナス影響、というだけでは当たり前
すぎるので、実際の数字を見たいところです・・・。

残念なのは、このアンケート結果が、同センターのサイトにアップされていない
ことです。マスコミにプレスリリースを送る場合、同内容(要約だけでも)をサイト
にもアップするのが最近は一般的だと思うのですが・・・。

それはともかく、
 
『 また、就業形態が人に与える影響として、自営業が最も満足度を高めること
  が分かった。しかし、自営業者の比率は中高年層に偏っており、若者で自営業
 に就業している人が少ないことも浮き彫りになった。』


とあります。

自営業が最も満足度が高い、というのは分かる気がします。
(別の全国版の調査でも、同じ結果が出ていたのを以前見たことあります)


決して「自営業が楽だ」というわけではありません。自営業だからといって、
何でも自由にできるというわけではないでしょう。

・・・とはいえ、いろいろ融通が効くところもあるでしょうし、「通勤いらず」の
人の比率も高いでしょうから、そういう意味でも満足度が上がる要素が
あるのでしょう。


また、会社勤めでは、時として「理不尽さ」を感じることもありますが、
自営業にだって、「理不尽」だと感じることはあるものです。

しかし・・・、会社勤めよりも、自営業のほうが、そういう理不尽さに対して
「自分の知恵」で乗り切ることができる裁量が大きいわけです。

結局、「良くも悪くも自分しだい」ということですから、そういう立場は
プレッシャーもかかりますが、満足度も高いように思います。


■ 21世紀は「自営業者」の時代?

P.ドラッカーは、「21世紀はNPOが伸びる」と言いましたが、
私は 『21世紀は「自営業」が伸びる』 と考えています。

これには、それほど大した根拠はないのですが、たとえば、

・ 嗜好やサービスの多様化→いろいろな分野で専門性が高まる
  →専門的な分野に特化した自営業者が活躍しやすい

・ インターネットの普及→小規模な事業体(自営業者含む)も
  得意な分野に特化すれば情報発信力が得られる。
  また、仕事を頼む相手も探しやすい環境が整ってきた

といった変化が、小規模の企業や自営業者にとって有利だろうと
思えるからです。


もちろん、少人数でやるのは不利なこともありますし、会社勤め以上に
頭も体も使わなければいけないかもしれません。しかし、それでもやりたい
と思える分野があれば、自営業という選択もなかなかいいのではないかと
思っています。

「実際にやっている人の満足度が高い」というのは、迷っている人にとって、
一考の価値があることかもしれませんね。


※ ただし、この手のアンケートは、「ニワトリと卵」問題を抱えているのが
   常だということは知っておいてください。

   「自営業者の満足度が高い」 というのは、
   「自営業者になれば満足度が高まる」 というのとは違います。

   現在自営業を営んでいる人は、自営という不安定な立場である
   ことを引き受ける覚悟をしてきた人たちです。その覚悟があるから
   こそ、結果が良くても悪くても納得できる部分があるのかもしれません。

   「自営だから満足できる」のか、「自営に満足できる(それが好きな)
   人だから自営になった」のかは、こういった統計からはわからないのです。
   「ニワトリが先か、卵が先か」という議論と同じです。

   これと似ているのが、雑誌やWebにある「ビジネスパーソンに聞きました」
   というアンケートです。たとえば、アンケートを集計した結果、「できる人は
   物事をポジティブにとらえている」という結果になったとしても、それは
   「ポジティブだから仕事がうまくいったのか」「仕事がうまくいったから
   ポジティブになれているのか」は、本当はわからないのです。

   それを本当に確かめようと思えば、同一人物に2つの道を歩ませないと
   いけませんが(しかもサンプル数も多く)、そんなことはできないですから。

   アンケートを解析した結果、というのはそれらしく見えますが、そこから
   強引に結論づけるのは、間違った結果を導く危険性もあるのです。
   (先の「できる人・ポジティブ論」は正しいような気はしますけどね)


なんだか注釈が長くなってしまいました・・・(笑)
話を戻して・・・


「自営」というのは、リスクもある反面、魅力的なものでもあります。

もちろん慎重に判断する必要はありますが、将来の自分のキャリア選択の
なかに、「自営という選択肢を残しておく」くらいのことは、誰でも考えて
おいたほうがいいのではないでしょうか。

それまでに積み上げてきた専門性があれば、「自営に転ずる年齢的な
制約」はそれほど気にする必要はないと思いますし。



ちなみに、自営で仕事をやっていくためには、それぞれの仕事における
時間的な収支に対して敏感になる必要があります。
(かかった時間と報酬の関係です)

そのためには、プロジェクトごとに時間集計をするのがおすすめです。

私もいろいろ試行錯誤しましたが、現在はこの記事(段取りの話)
ようにやっています。



なんて言いながら、私は自営業者(個人事業主)としての経験は
ないんですけどね・・・。
(会社を起こしたので、「自営業者」という枠には入らないんです)

小さな会社を起こすのと、自営業には、似たところもたくさんあり
ますから、お許しください。


今日の記事作成時間は44分でした。
では、また明日!


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Posted by 水口和彦 at 23:59│Comments(0)TrackBack(0)

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