2008年05月27日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

「トヨタはA3で1枚」は都市伝説か? (A3書類の作り方)


こんにちは。水口です。

今日は一昨日に続いて「プレゼン」の話、
いや、「都市伝説」の話かも・・・?


■ A3 1枚・・・じゃないの?

こんなニュースがありました。

トヨタグループが「パワーポイント」自粛令!?
|News&Analysis|ダイヤモンド・オンライン>


 (『』内は引用です)
 
『 「パワーポイントの使用は控えた方がいい。特にプレゼン資料の
   カラーコピーは…」

 最近、トヨタ自動車社内からだけでなく、系列会社、サプライヤー(部品会社)
のあいだからでさえ、こんな会話が聞こえてくるようになった。事の発端は、何を
隠そう5月8日の決算発表での渡辺捷昭社長の発言である。』

 
『 「社内の意識はまだまだ甘い。昔は1枚の紙に(用件を)起承転結で内容を
きちんとまとめたものだが、今は何でもパワーポイント。枚数も多いし、総天然
色でカラーコピーも多用して無駄だ」と苦言を呈したのである。』


この発言の趣旨は、

・カラーでのプリントアウトにかかるコストを見直そう

・書類作成に手間をかけすぎるな

・書類は簡潔に、1枚にまとめたほうがいい

ということなのでしょう。


これらは、私も基本的に同意見です。特に社内会議に華美な資料を
作ることには、あまり意味がないと感じます。

ときには、プレゼンテーションとしてのパワーポイントが必要なケースは
あるにしても、配布資料としては適切でないと思います。


※ ここで1つ注釈を入れておきます。

   ただし、パワーポイントで作る資料が必ずしも「プレゼン風」資料で
   あるとは限りません。

   たとえば、文字やグラフを使って1枚の資料にまとめる場合、Wordでは
   レイアウトしづらいケースがあります。そんなとき、パワーポイントだと、
   結構うまくいくんです。

   (私自身は、そんなときにはExcelで作ってしまうのですが、Excelには
    「画面表示と印刷結果が一致しない」という問題が古くからあります。
    文字の大きさが変わってはみ出してしまったりするので、印刷プレビュー
    で確認しないと本当のレイアウトがわかりません。慣れてしまえば、その
    ずれを予想しながら資料を作れますが、慣れていないと結構面倒です)

   パワーポイントを使うと、テキストボックスやグラフが自由に配置できる
   ので、「1枚物の書類作成用」としては、意外に便利なんです。
   Excelと違って、画面と印刷結果もほとんど一致しますし。

   これは、パワーポイントをDTPソフト代わりに使う、という感じです。
   ただ、この場合は出来上がった書類を見ても「パワーポイント」で作った
   とはわからないものになりますから、上記の記事で指摘されている資料
   はこういうタイプではないと思います。

   ちなみに、この「パワポ1枚資料」は、最初に作るときはレイアウトが
   いろいろ面倒ですが、一度作ってしまうと、二度目からは結構快適です。
   (Wordのおせっかい機能が苦手な人にもおすすめかも)

  ※注釈おわり


と、それはともかくとして、気になることが1つ・・・。

あちこちでよく聞く話に、

  トヨタでは社内報告はA3(横向き)1枚で行われている

という話がありました。


しかし、上の記事には、

  『昔は1枚の紙に(用件を)起承転結で内容をきちんとまとめたものだが』


なんて書かれています。

ということは、「A3で1枚」というのは、トヨタ社内ではもう廃れてしまったの
でしょうか? 「トヨタはA3で1枚」というのは、すでに都市伝説?(笑)


私はそのことがショックです・・・。

ちなみに、私は前の仕事で、よくトヨタさんに報告に行っていました。
一番頻繁に行っていたのは1998〜2000年頃ですが、ちゃんと
A3(横)1枚にまとめていました。
(本文は1枚。別紙としてデータ集(A4サイズ)を添付していました)

A3横(A4横でもいいですが)の1枚にまとめる、という形式は、実はかなり
合理的なので、私としては今でも推奨したい形式です。


■ A3 1枚の書き方

ついでなので、その「A3横1枚」型の書類の書き方を紹介しておきます。

まず、「A3横」を2段に段組みした形にします。
つまり、「A4縦」の書類を2枚くっつけた形です。

内容は、大きく5項目あります。

 ・背景や今回の目的など

 ・現状把握

 ・要因分析 (or 要因解析)

 ・今回の実施プラン的なもの(改善案・対策案・実行計画等)

 ・スケジュール

各項目の名称は、何が正式名称なのか私もよく知りませんが、
内容的にはこれで外していないはずです。

トヨタさんや、その関係会社に報告にいった際に、こういう形式で
特に問題はありませんでした。

  ちなみに、自動車業界では、トヨタさん(とその系列会社)以外でも、
  これとほぼ同じ形式が用いられているケースもあります。
  (他の業界は知りません・・・どうなんでしょうか?)


書類の形式は、こんな感じです↓

A3書類見本.GIF

この画像は、私が見本として作ったA3書類(内容はダミー)です。

ダミーなので差し障りはないのですが、元々が別の企画のために
作成したファイルですので、内容は一応モザイクしておきます。
(雰囲気をつかんでください)

ちなみに、グラフの位置等々は、別に決まりはないと思います。


■ A3書類でありがちなミス

この形式を作ろうとした人がやってしまいがちな「ミス」は、

  「現状把握」の部分を、「ざっくりとした把握」

  「要因分析」の部分を、「数字を使った定量的分析」

と思って作ってしまうことです。これは間違いです。

実際はまったく逆で、

  「現状把握」の部分は、徹底して「事実」だけにこだわること

   (定量的なデータがあればベスト)

  「要因分析」の部分は、要因(場合によっては原因(真因))
  を見出すために調査検討した結果、を示す


   (「なぜを5回くりかえす」と言われているのがこの部分です。  
    さらに、品質問題に関する要因分析の場合には、
    もっと詳細な「なぜなぜ分析」を行います)


というのが正しい姿です。


この形式、慣れるまではこの2つがごっちゃになってしまったりして
大変なのですが、ちゃんとできるようになると、「問題解決」手法として
パワフルなものだと感じます。

興味のある方は、「なぜなぜ分析」と合わせて、勉強してみるのもいいかも
しれませんよ。(とはいえ、どちらも参考書が少ないのが難点ですが・・・)




今日の記事作成時間は65分でした。

では、また明日!


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Posted by 水口和彦 at 23:55│Comments(4)TrackBack(0)

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この記事へのコメント
はじめまして!
渡辺社長の言葉、確かにその通りだと思います。

私もよく仕事でプレゼン資料を作りますが、自分の意見の正しさを証明するために、膨大なデータをくっつけて「さあどうだ!」と出すことがあります。

でも、プレゼンの目的はあくまで、相手に自分の言いたいことをわかってもらうことだと思います。自分にとってのわかりやすさは、必ずしも相手にとってのわかりやすさではありません。

そういう意味で、A3一枚にまとめると相手にもわかりやすいし、自分の中で情報を整理できてプロジェクトに対する理解も深まると思います。

年配の方の「昔はなぁ」という意見、普段はあまり聞こうとしていませんでしたが、ちゃんと聞いてみるのもいいかもしれませんね(笑)
Posted by スタンリー・グッドスピード at 2008年05月29日 00:18
水口さんは色々な提起をしているのですね。
随分前の記事ですが、このまま黙って結論を出さないのは私の気が落ち着かないので報告します。
トヨタさんだけでなくカーメーカーさんへの報告はA3用紙1枚で行うのが続いていると思います。
(現場を離れて2年経ちましたが未だ同じと思います)

「A3用紙1枚の利点が何か?」と言うと、報告を受ける人に優しい事です。(お客さま優先)
(相手に報告する事が目的だから)
(鷙靈兒罎1枚であれば一目で全体像(ストリーリー)が掴める
∧鷙霪睛討簡潔で明瞭になり理解し易い(間違いを見抜き易い)
人間の視野範囲でA3なら報告書を置いて見る事が出来るので、
 必要に応じて詳細報告書なども手に取って見る事が出来る
 A4ではストーリーを活かす報告では書き切れず、
 文字を小さくすれば見えない
 A2では大きく首を振るか用紙を動かして見る事になる。

その他に何枚もの報告書をめくって報告を受けた時は前後で多少違いが有っても気付き難いし、某社の様にあれもこれも1cm束の報告書を関係者に廻したり、保管しても場所を取るだけでもムダです。
(A3はA4に縮小して保管し見る時は拡大します)

ご承知の通り、私はトヨタの一殺主義に基づく「なぜなぜ分析」を唱えていますので、次の点も付け加えて於きます。
問題に対する副要因を書き込む程の余裕は無く、主原因(真の原因)だけを追究した報告書にする必要が有るのです。 伊藤
Posted by NAZEKA18 at 2011年05月10日 16:19
水口です。
NAZEKA18さん、コメントありがとうございます。

なるほど。カーメーカーへの報告は「A3」スタイルが続いているけれど、
そのカーメーカー内部では(油断すると)「A3」スタイルが崩れることもある。
ということですかね。

外部から見れば、言い出しっぺがやってないとなると違和感ありますよね。

A3スタイルが読み手のためにあるというのは同感ですし、
同様に作り手や「作り手の上司」にも優しいシステムでもありますね。
(チェックして承認する上司も、分厚い報告書だと大変ですから)
Posted by 水口 和彦 at 2011年05月15日 21:07
こんにちは。旧い記事へのレスですが、これは都市伝説ではありませんよ。
私は以前この会社の子会社にいました。
親会社への提案はA3一枚が基本でした。
詳細を別添資料で補足することはあります。
Posted by JUN at 2011年06月09日 14:19
 

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