2008年05月28日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

企業は「残業を減らすインセンティブ」を真剣に考えるべきである


こんにちは。水口です。
今日は先週紹介したニュースに関連した話です。

■ マクドナルドの件、結局給与は変わらない?

先週、こんな記事を書きました。

「残業代」と「職務給(またはボーナス)」 どっちを取る?

「名ばかり管理職」問題で、日本マクドナルドが店長に残業代を支払う
ようになったという話でした。

(さらにその前の関連記事)
 「店長」はプレイヤーか?マネージャーか?
 マクドナルドの残業代訴訟について、もう一度考えてみる

最初、このニュースを聞いたとき、

・店長への残業代の支給を始める
・同時に店長への職務手当てを減らす

ということでしたので、

・残業代は残業した分だけ支給
・職務手当ては一律に減らす

ということだと思ったのですが・・・、これだと

・残業が多い人→現状よりも給与が増える
・残業が少ない人→現状よりも給与が減る

ということになります。


その後、いくつかニュースを見ていると、どうも、
職務手当ては一律に減らすということでは無さそうですね。つまり、

・残業代は残業した分だけ支給
・職務手当ては残業が多いほど減らされる

ということになるようです。

具体的な金額ははっきりわかりませんが、ひょっとすると、

・残業が多くても少なくても給料は変わらない

ということになるのかもしれません。
となると、金額的には「現状維持」で、変わらないのかもしれません。


■ 「残業を減らす」ためのインセンティブ

ですから、今回の日本マクドナルドの施策は、
「法律に対応するために、給与の内訳の名目を変えただけ」
と見ることもできます。

それはそれで、確かに事実かもしれませんが、ここに1つ、
考えなければいけないポイントがあるような気がします。

というのは、「残業を減らす」ためのインセンティブについてです。


※ インセンティブ(incentive)という言葉は、「誘因」と訳されることが
   多い言葉で、別の言葉でいうと、ある方向に行動を動機付けする
   要素のことを指します。「奨励金」などの具体的なメリットを指す
   場合もあります。(心理学や経済学でよく使われる言葉です)


普通、働いている人は、自分の残業した時間に応じて、その
残業代をもらいます。

これは当然のこと・・・ですが、これには、
「仕事量が増えたんだから、その分の報酬をもらう」
という
前提があるわけです。

ところが・・・、実際にはいろいろ矛盾もあるわけです

・(成果としての)仕事量は同じなのに、
 ダラダラ残業する人のほうが、報酬額が多くなる

・仕事の効率を上げて(同じ仕事量を)短時間で
 片付けると、報酬額が減ることになる

ということになってしまいます。

この前者に対しても、日頃矛盾を感じている人は多いと思います。
(私も感じたことがあります)

ですが、今日はその話はちょっと置いておいて、後者について
考えてみたいと思います。


■ 「仕事の効率アップ」は「三方良し」につながる(はず)

仕事を効率アップすること、その結果労働時間を減らすことは、
基本的に

 「顧客」 (全般に「早い仕事」で対応してもらえるメリット)
 「会社」 (仕事が速くなる・残業代が減るメリット)
 「自分」 (プライベートの時間が増えるメリット)

の三者ともにメリットがある話です。

「三方良し」(またはWinーWinーWin)の関係になります。


しかし、「残業代」については、「会社」だけがメリットを享受する
ことになりがちです。

特に、「報酬が減る」ということになると、「残業を減らすインセンティブ」
が希薄になってしまいます・・・それどころか、逆方向の「残業を減らさない
インセンティブ」があるということになります。

実際のところ、これが「なかなか残業が減らない裏の理由」の1つに
なっていることは多いと思います。


■ 「削減した残業代」を従業員に還元したら?

ですから、本当に業務効率化して残業代を減らしたのであれば、
その浮いた残業代は、会社と従業員で折半する(半々に分ける)
ぐらいがちょうどいいのではないかと私は思うのですが・・・。

もうちょっと具体的にいうと・・・、

仕事を効率化して残業を減らせた場合には、その額の半分程度は、
その人のボーナスに上乗せして還元する。
 というのはどうでしょうか。

※ これで残業が減れば会社として人件費は減る方向。
   従業員は時間を得ると同時に、残業代が無くなることによる
   負のインパクトを減らせます。


これとは違いますが、先ほどの日本マクドナルドのやり方は、ある面に
おいては画期的でもあります。それは、給与体系のなかに「残業を減らす
インセンティブ」を、目に見える形で取り込むことになるからです。

プラスマイナスゼロでは「何だかなあ・・・」という感じもしますが、
名目上のものであっても、「(効率を上げて)残業を減らした」ことに
対する報酬があるというのは、画期的なのかもしれません。

そういう意味で面白い制度だと思います。



先の「減らした残業代を還元する」施策を実現するためには、
「本当に効率を上げたのか」という点を評価する難しさがあるのですが、
少なくとも、会社にとっても従業員にとってもマイナスの話ではありません。

これに似たことを実現する企業が増えると、いいと思うのですが、
そういう企業は出てくるでしょうか・・・?



今日の記事作成時間は42分でした。

では、また明日!


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Posted by 水口和彦 at 23:50│Comments(0)TrackBack(0)

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