2008年06月26日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

「ラクをしないと成果は出ない」・・・って、本当ですか?


こんにちは。水口です。
今日は「本」の話です。


■ 「ラクをしないと成果は出ない」

少し前に読んだ本ですが、まだ紹介していませんでした。
↓この本です。

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ラクをしないと成果は出ない

タイトルは 「ラクをしないと成果は出ない」
サブタイトルは 「仕事の鉄則100」

という本です。

タイトル・サブタイトルを見ると、「効率的な仕事術」的な内容を
想像しますが(実際そういう内容も一部あります)、そういう本だと
思って手に取ると、ちょっと拍子抜けするかもしれません。


■ この本の評価が分かれる理由

著者は日垣隆さん。ジャーナリスト・作家の方です。
この著者の本は何冊か読みました。

私は個人的に↓この本が興味深かったです。

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売文生活 (ちくま新書)

↑この本は、文章を書いて原稿料(または印税)を得ている人は
  一読の価値があります。


今回の本は、内容的にはこの「売文生活」とも関連があります。

「仕事の効率を上げるノウハウ集」としての内容を期待すると、
ちょっと肩透かしを食います。そういう内容があまりないからです。
むしろ「ラクじゃない」ことが結構多いです。

しかし、「フリーランスとして仕事をしていくための心得集」として読めば、
得るものはかなりあると思います。そういう本です。

ラクをすべきところはラクをする。でもラクをしちゃいけないところは
ラクをしちゃいけない、ということが書かれています。

その「ラクをしちゃいけないところ」というのが、「フリーランス」、つまり組織に
属さずに仕事をしていく人の視点のものなので、会社勤めの人が、そのまま
実践しようと思うと、しっくりこない部分はあるし、ラクじゃなくなる部分も
出てきます。

※ amazonのレビュー(上記画像をクリックすると見られます)で評価が
   大きく分かれていますが、これはタイトルと内容があまり一致していない
   ことが1つの原因。もう1つの原因はフリーランス向けではなく、ビジネス
   パーソン全般に向けた本だと思った人が酷評しているのではないかと
   思います。


「フリーランス」向けの本だと思って読めば、「面白くて役に立つ」本だと
思います。私もうなずけるところが多々ありました。

ただ、これを「フリーランス」というキーワードを出さずに、「仕事術」の
本だと紹介するのはちょっとどうかと思います。
(そういう書評もあったのですが・・・)


■ こんな本です。

「仕事の鉄則100」とあるように、この本は100項目からなります。

私が面白いと思った項目を上げておきます。

□ ラクをして成果を上げるのが基本中の基本
□ 自分にできないことをしている人を、素朴に尊敬する
□ 外部の人に自分の仕事のおもしろさが伝わらなければ、
   それはつまらない証拠
□ よくわからなかったら、現場に行って考える
□ 「つまらない」と思ったら、できるだけ早く撤退する
□ 情報収集にのめりこまない。情報とは「出合う」ものだからである
□ ウソには必ず理由や背景がある。それを探るとインプットが効率的になる
□ 人から薦められたものは、無理をしてでも即日取り入れる
□ 依頼には即決で答える
□ 商売道具への投資はケチらない
□ 「この社と切れたら自分がアウト」という取引先は作らない
□ 好きな仕事を増やすために、好きではない仕事を毎年二割ずつ削除する
□ 過去を振り返らない
□ 自分の「忘れグセ」を前提に、「忘れても、できる」仕組みをつくる
□ 会議は一企画につき二度だけで終える
□ アウトプットしないものはインプットしない
□ 「必要でないこと」は極力やらない
□ 加齢とともに遊び時間を増やしてゆく
□ 最悪の事態を想定し、その兆候が出たら動く
□ 大切な人は命がけで守る


ただ、最初の

□ ラクをして成果を上げるのが基本中の基本

というところには、私は少し異論があります。

効率よく成果を上げたほうがいいのは私もそう思いますが、
著者はその例として、「先人のノウハウ」には素直に従うことを
推奨しています。

しかし、これは「効率良いやり方を素直に取り入れる」という
メリットの反面、「先例主義」、つまり、先例ばかり重視して
自分の頭で考えなくなる危険性もはらんでいます。

著者は「自分の頭で考えない」タイプの人でないことは、本を
読めばわかりますが、「先例主義」のデメリットもあることは
指摘しておいてほしかった・・・と私は考えています。

そんな、「微妙に言葉足らず」なところがいくつかあるという
気はしましたが、全般的にはいい本だと思います。
私も参考になりました。


■ この本をおすすめする理由

これは私の個人的な意見ですが・・・、

会社勤めをしている人も、フリーランス的な考え方や、経営者としての
考え方をしっておくことは有益だと考えています。

これは私の経験談ですが、独立を視野に入れて本を読んだりしていると
会社勤めの中でも有益なことが結構多いです。いろいろ見方を変えられ
たりして、(会社勤めの中でも)新たな仕事の面白みを発見することが
できました。

そういう意味では、今はフリーランス・独立志向ではない人にも、
(そのまま当てはまるわけではないけれど)読んでもらえるといいと
思う本です。




今日の記事作成時間は48分でした。

では、また明日!




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Posted by 水口和彦 at 21:37│Comments(0)TrackBack(0)

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