2008年06月27日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

「口で言うのは簡単」「やるのは大変」「だけど変えられないわけじゃない」


こんにちは。水口です。
今日も昨日に続いて「本」の話です。


■ 「知事の世界」

最近、店頭で見かけて↓この新書を買いました。
こういう(自分にとって)意外な本に興味がわくのも、
「書店で本を買う」ことのいいところですね。

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知事の世界 (幻冬舎新書 ひ 3-1)

タイトルは 「知事の世界」
著者は東国原英夫知事です。


「知事の世界」というタイトルから想像してしまうものはいろいろありますが、
この本は著者の政治に対する考え方が書かれた本です。


私は著者のプロフィールが気になっていたので、その背景が垣間見えればと
思って読んでみました。

著者が早稲田大学(第二文学部)に入学したのは2000年、受験を決意した
のは1999年だそうです。このときに著者の年齢は41歳です。
(著者は1957年生まれ)

40代から新たな分野の勉強を本格的に始めるという人は、なかなかいません。
それに向かう原動力は何かというのは、興味がわきませんか?
(私も40代になりましたので、よけい気になるのかもしれませんが・・・(笑) )


■ 「トップ」としてのありかた

著者のことをいわゆる「タレント知事」と見ることもできますが、政治に対して
真摯に考えていることは、この本を読むと伝わってきます。

『』内は引用です)
(裏金問題について) 
『 知事として僕も減給を申し出た。10月、11月は7割カットで月給が
 21万円まで下がった。僕が裏金をつくったわけではない。むしろ裏金
 問題を解決しようと働きかけた側だ。それでも県庁のトップとして不祥
 事には責任がある。
(中略) 
 前任者から引き継ぐのは権限や地位だけではない。過去に生まれた
 負の部分も一緒に引き継ぐのがトップであり、責任者である。』

  (58ページより引用)

という部分には、はっとさせられました。

確かに、この部分が一担当者とトップの違いでもありますね。

※ もちろん、一担当者としても、社外の相手に対して「前任者が
   やったことだから・・」と逃げるべきではありませんが、「減給」は
   さすがにないですね。


 
『 県知事というのは、自分から何か進んでやりたいと考える人には
 実に窮屈なポジションだ。やりたくてもその事業に注ぎ込む予算が
 ない。
(中略) 
  逆にいえば、何もやりたくない人にはこれほど楽なポジションは
 ない(こんなことを書けば波紋を投げかけたり、批判を食らうかも
 しれないがあえて書いておきたい)』

  (99ページより引用。カッコ部も原文のまま)

これは、「県知事」に限らないことかもしれません。
民間の会社の中でも、同じような事情はあるのではないでしょうか。

成熟産業(成長が鈍化した安定した事業分野)のトップや役員
(あるいは、その子会社のトップや役員)にも同じような空気を感じる
ことはあります。役員でなくても、部長でも課長でも、そういう人は
いるものです(もちろん、そうではない人もたくさんいます)。

それに文句を言うのは簡単ですが、文句を言うばかりではなく、
それを反面教師にすべきなのかもしれません。特に安定した産業・
会社では、「何かやろうとすると窮屈」「何もやらないのが楽」という
状況を生みやすいですし、それを打ち破ることは、口で言うほど簡単
ではないでしょうから。

※ 念のために・・・
   「反面教師」というのは、「自分は絶対こうはならないぞ」と
   自分に言い聞かせるために使う「悪い見本」のことです。
   (↑やや個人的な解釈含む)


■ 東国原県政が評価できる理由

この本の最後の方に、県の「総合計画」の話が出てきます。

「総合計画」とは、県の事業や業務の計画をまとめたものなのですが、
通常、完成までに1年半や2年ほどかかるものだそうです。

たとえば、知事が就任してから「総合計画」が完成するまでに2年間
かかると、それだけで知事の任期の半分が終わっちゃうという話です。
(これは宮崎だけでなく、他の都道府県でもよくあることだそうです)

2年もかかってしまうのは、それなりのプロセスを経ているからだそう
ですが・・・このスピード感の無さには、がっくりきますね。


しかし、東国原知事はこれを「4ヶ月」で策定したそうです。
(なぜ短期間でできたかという部分は本書をご参照ください。決して
 無理矢理がんばったというわけではありません。)

また、その実務を担当した県の総合政策課も、それを無理だとは
言わなかった。むしろ旧来のやり方に問題意識を感じていたそうです。

※ つまり、「今のやり方は問題がある」と感じている人もいたけど、
   やり方を変えようとする人はいなかった・・・ということです。

この1点をとっても、「東国原県政は評価できる」と思わせるものが
ありますね。応援したくなります。



こういう話をすると、「だからお役所は・・・」ということを言う人もいます。
確かにそうかもしれませんが・・・、民間だったらすべて良いというわけ
でもありません。

こういう、「本当はやれるのにやらない」「変えたほうがいいのに変えない」
といった事例は民間にもありますし、特に大きな会社、歴史ある会社ほど
多いと思います。どちらも、「口で言うだけなら簡単」「やるのは大変」
「だけど変えられないわけじゃない」というものではないでしょうか。



この本は、著者のことにあまり興味のない方にはおすすめしませんが、
私は面白く読めましたので、紹介しておきました。



今日の記事作成時間は57分でした。

では、また明日!




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Posted by 水口和彦 at 23:55│Comments(0)TrackBack(0)

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