2008年08月09日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

「社長になりたい」人は減っている?


こんにちは。水口です。
今日はあるアンケート調査の話です。


■ 上場企業の社員は、社長にはなりたくない?

こんなニュースリリースがありました。

JMA 日本能率協会|
「第11回新任役員の素顔に関する調査」結果の発表


日本能率協会さんが行った、新任役員に対するアンケートです。

対象者は2008年1〜6月に選任された上場企業の新任取締役と
新任執行役員の方だそうです。

『』内は引用です)
 
『●新役員の門出、「不安」と「苦難」がキーワード・・・・・
 出世意識は「意識してこなかった」という役員が8割(図20)。
 将来の出世希望は、「これ以上の昇進は望まない」を挙げる人が
 4割と最も高い。なかでも「社長」願望派は1割を下回り(図28)、
 現在の心境は「取り組みに一抹の不安」、「苦難を覚悟している」
 という心配派が6割近くを占め(図26)、経営者の重責の厳しさを
 皮膚感覚で感受。(3・4ページ)


とあります。

ちなみに、もっと詳しいリリースのpdfファイルがこちら↓にあります。
release20080805_f00025.pdf

pdfファイルの方を見ると、こんなことがわかります。

□ 『昇進(出世)を意識して取り組んできた』 という人は、
   今回の2008年調査で減っていることがわかります。

   ※ 以前は25〜30% → 今年は19.2%です

□ 将来昇進してみたい地位について、「社長」をあげる人が
   やはり今年の調査で減っています。

   ※ 以前は12〜17% → 今年は8.9%です


「役員や社長になりたい」という人が、確かに減っているように思えます。
結構急な変化ですから、なぜ、こう変わったのか不思議ですね。

1つ要因として考えられるのは、世代交代の影響です。
出世意欲が比較的強い「団塊の世代」の人が減ったことが、
要因かもしれません。

それ以外には、景況感が悪化していることの影響もあるでしょう。


さらに・・・要因がもう1つあるように思います。

この数年、企業の不祥事が多い中、社長が記者会見で謝罪する映像
を見る機会がとても増えたように感じます。

もちろん、「社内で変なことが起こらないようにすればいいじゃないか」と
いう正論はあるのですが、それはそれとして・・・、

「謝罪する社長」ばかり見ていると、「社長って大変」 「社長って割に
合わないポジションだなあ・・・」 というイメージを持ちやすくなっている
ように思いませんか?

そんなこともあり、社長になりたい人が減っているのではないでしょうか。


■ 企業内で「社長をつくる」ためには?

社長というポジションは、実際大変なところもあります。

社長になったと思ったら、前任(あるいはさらに前)の社長時代の
不祥事が明るみに出て、謝罪や退任させられる・・・なんてことも、
決して可能性が無いわけではありません。

そんなリスクを考えると、「社長になりい」人が減るのも不思議では
ないと思えます。

※ 厳密に言うと、「社長になりたい人」が減っているのではなく、
   「上場企業の社長になりたい人」が減っているのだと思います。

   たとえば、独立したり、ベンチャー企業の社長になりたい、という
   人は昔と比べて増えているのではないでしょうか・・・?
   (データが無いのでわかりませんが、もし、こちらも減っていると
    すれば、残念な話です・・・)


逆に言えば・・・、そういうリスクをしょってでも、社長という重責を果たそう
という人がもっと増えてこないと、これから厳しいかもしれませんね。

私も以前は上場企業におりましたが、「将来の経営者を育てる」という
観点での人材育成はあまり充実しているとは思えませんでした・・・というか、
「管理職」としての教育・研修すら、いま思えば全然足りていないように
思えます。(上場企業の中でも、そういう会社の方が多数派だと思います)

※ 「管理職になる」のは、例えるなら選手からコーチになるようなものです。
   「名選手が名コーチになるとは限らない」というのは、スポーツの世界
   だけでなく、ビジネスの世界にも共通することです。本来なら、相当な
   意識改革が必要なことなんです。


これには、「経営者を目指すなら、自分で勉強しろ」という考え方もあって、
それも一理あるとは思います。しかし、実際のところ、自分で経営書を
読んだりして勉強している人はあまり多くありません。(経営者になろうと
いう人は「何冊か読んだ」というレベルでは、全然足りませんし・・・)


これは、以前から言われていることではありますが・・・、特に上場企業に
おいては、積極的に「プロの経営者を育てる」という意識転換が必要な
曲がり角にきているのではないか・・・ そんな気がしています。

個人的には、会社にお膳立てされなくても、自ら学び、経営者になろうと
いう人が増えてくれるといいなと思いますが、会社としての取り組みも
考えていかざるを得ないのではないでしょうか。



今日の記事作成時間は54分でした。
では、また明日!



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Posted by 水口和彦 at 23:50│Comments(0)TrackBack(0)

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