2008年09月06日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

「ムダに気づく感性」が高い人の発想 その2: 「引いて」見る


こんにちは。水口です。

今日は昨日に続いて「ムダに気づく感性」の話です。


■ 「ムダな仕事」に気づく感性

昨日までの話は・・・

 □
 「ムダな仕事」を減らすためには、まず「ムダな仕事に気づく」ことが必要

   □ ムダな仕事に気づく (← まずここが重要)
        ↓
   □ ムダな仕事を無くそうと決意する
        ↓
   □ 改善する

 □
 「ムダな仕事に気づく」というのは、簡単なようでいて案外難しい。
    しかし、「ムダに気づく感性」が高い人も、確かにいる。

 □
 「ムダに気づく感性」は、2つの「物の見方」と関係していそう。


という話でした。今日は、その2つめの話です。(1つめは昨日の記事にあります)



■ 「ムダに気づく感性が高い人」の発想−2
   引いた視点で見る


「ムダに気づく感性が高い人」の発想に共通する特徴の2つめは、

  「引いた視点で見る」

という言葉で表せます。


この「引いた視点」には、いくつかのパターンがあります。その1つは、

 物理的に「引いて」見る ことです。

たとえば、工場の現場で作業効率について考える場合、本当に一歩引いた
視点(物理的に引いた視点)で見ることで、ムダに気づくことがあります。

一歩ないし数歩引いて見ると、「作業そのもの」だけではなく、各「作業」間の
つながりが見えてきたりしますし、さらに「引いて」全体を見てみると、物の運搬
経路など、工場全体の中に潜むムダを発見できることもあります。

実際、工場の生産性改善のコンサルティングによって、改善された事例には、
配置や運搬経路、物の置き場を見直したものが多いです。これらは、言われて
みればもっともな指摘で、よく考えれば誰でも気づきそうなことなのですが、
実際には、当事者はなかなか気づかないことが多いものなんですね。

それだけに、「引いて見る」ことが重要なわけです。


他には、

 組織を「引いて」見る ことがあります。

自分の部署、部門だけで考えるのではなく、組織的な連携を含めて
全体を見る視点を持つことが、ムダの発見につながります。

「ムダ」の逆パターンとして、「仕事の要領が良い(良い意味で)」人もいます。
こういう人は他部署の仕事内容も理解した上で、上手に巻き込んで仕事を
進めていくことがあります。

逆に、「他部署のことなんて知らん。俺は俺の仕事をやるんだ」という、頑固な
人(真面目すぎる人?)は、非効率なやり方に捕らわれてしまうことがあります。
組織として「一歩引いて見る」こと、つまり、他部署のことまで考えること・興味
を持つことはムダの発見に役立ちます(これは私もよく経験しました)。


そして、もう1つ、

 心理的に「引いて」見る ことがあります。

対象に入り込みすぎない(熱くなり過ぎない)という意味で「引いて見る」
ということです。

「ムダ」を見つけるのがうまい人のなかには、時には冷めた目で見ることが
できる人がいます。「その作業って、やってもムダじゃないの?」という、
悪く言えば「冷たい」視点を持つことは、当事者にとって難しいことですが、
それをできるかどうかが違いを生みます。

逆に、「せっかくやってるのに・・・」、「みんながんばってるのに・・・」という
思いが強いほど、ムダには気づきにくくなります。
4日の話(前向きな人・後ろ向きな人)に通じる話でもあります)

ですから、あえて「冷めた視点」を持てるかどうかが、大きな違いになります。
(もちろん、冷めっぱなしでもいけないわけですが・・・(笑))



 「引いた視点で見る」

  物理的に「引いて」見る
  組織を「引いて」見る 
  心理的に「引いて」見る


これらの視点を自然に持っている人もいますが、そうでないなら、
あえて意識的に視点を切り替えることが有効です。


■ 「引いて見る」ために大事なこと(注意点)

ここで、多分とても大事なことは・・・視点を「切り替える」「使い分ける」こと
だと思います。

最近、「コンサルタント思考に学ぶ」的な本が多く、そういった本のなかには
良書もありますが、「コンサルタント的」に分析的になるばかりでも困ります。

「引いて見る」ことが得意な「評論家タイプ」「コンサルタント的」の発想ばかり
では、物事は前に進んでいきません。そんなチームは嫌ですよね・・・(笑)




「熱くなり過ぎる」と全体が見えなくなるという人は多いと思います。
(私にもそういう傾向があります)

それ自体は悪いことではありませんが、バランスを取るためにも、
あえて、「引いて見る」ことを、意識的にやってみる。
(もちろん、使い分けることを前提にした話です)
これは意識的にやる価値のあることだと思います。何事においても。




今日の記事作成時間は42分でした。

では、また明日!


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Posted by 水口和彦 at 12:00│Comments(0)TrackBack(0)

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