2008年10月14日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

「新しいことへの挑戦」 の障害になるもの


こんにちは。水口です。
今日は昨日の続きっぽい話です。


■ 「新しいことへの挑戦」の障害になるもの

昨日の「視野を広げる」という話は、「新しいことに挑戦する」ことと関連して
います。

  視野を広げる → 新しいことに挑戦したくなることも出てくる

ということです。


このときに、1つ考慮しなければいけないことが、「サンクコスト」です。

「サンクコスト(埋没費用)」という概念は、経営判断において考慮しなければ
いけないことの1つとされているもので、

  「回収不可能になってしまった過去の投資」

のことです。

 
『経営判断においては、「今後」必要な費用や利益についてのみ考えるべき
であり、サンクコストを考慮してはいけないという原則があります。例えば、
ある赤字の事業を撤退するかどうかの判断においては、その事業で今後
生み出す利益(または損失)を元に考えるべきであって、これまでにいくら
投資してきたかを考慮してはいけないのです。』


と、「宝くじ」本でも書きました。


サンクコストの例をもう少しあげると・・・、

 営業の仕事で、いろいろ提案してみたけど、どうも受注は見込めなさそうな
 状況。しかし「これまでかんばってきたから・・・」とあきらめられない。
 (そのせいで、さらに労力を投入してしまう)

 あるいは、すっかり行き詰まってしまった「業務改善プロジェクト」があり、他の
 仕事との兼ね合いで、これ以上労力もかけられないし「やめる」決断をしたい。
 しかし、これまでに投入した労力を思うと、やめる決断ができない。
 (ということで中途半端に「やってる振り」をするというムダを作ってしまう・・・)

といった状況があります。これらは、「サンクコスト」に引きずられているのかも
しれません。

合理的な判断をするためには、今まで投入した労力は忘れて、新しい仕事と
同列にして可能性を冷静に判断しなければいけないのですが・・・、なかなか
そういう判断は難しいものです。人はサンクコストに引きずられやすいものです。



この「サンクコスト」は、新しい仕事に挑戦するときの足かせになる場合も
あります。「せっかく今までやってきたんだから・・・」という思いです。

もちろん、今までの仕事で培ってきたスキルやノウハウは、自分の強みでも
あります。それを「強み」として判断基準に乗せることができればいいのですが、
「未練」のような形で引きずられてしまうのは、判断を誤らせることがあります。

そうならないためには、「サンクコスト」は除外して考えなければいけない。
完全に除外するのは難しいだけに、意識的に除外すべきである。

というのは、今後の「時間の使い方」を考える上で役に立つ考え方です。



たとえば、何かの資格を取得したとします。その資格は自分の「強み」の1つ
になりますが、その資格にこだわりすぎると自分の視野を狭くしてしまいます。

せっかく取った資格だから・・・と思うのは当然のことですし、資格を活かした
仕事ができれば、それに越したことはありません。しかし、そのせいで視野が
狭くなり、「やりたいこと」「やれること」が見つからなくなってしまうのは、
もったいないことです。


■ 「サンクコスト」を考えないようにした経験

私の場合、プロフィールにもあるように、スクーバダイビングのインストラクター
資格を持っています。資格だけでなく、実際に生徒さんを教えた経験もかなり
積んでいます。

そこまで経験を積むには時間も労力も投入していますし、それを「自分の仕事」
にしようかという色気も出てくるものです。ですから、インストラクターを本業に
してみようかと思ったこともあるのですが・・・ それは実現させていません。

その理由は・・・、

自分には「ダイビングを教えられる」という強みはあるにせよ、そういう人は、
他にも大勢いますし、私以上に経験も熱意もあるインストラクターもたくさん
います。その中に入るよりは、当時の仕事(エンジニア)の方が、より自分の
強みを活かせるだろうと考えたからです。

ですから、「せっかく時間と労力を投入したのに・・・」 というサンクコスト的な
思いには、目をつぶっています。

とはいえ、元々好きで始めたことですし、インストラクターの経験から学んだ
ことは(「教える」ことや、人間心理など)多々ありましたので、後悔はして
いないのですが。


その後、独立したときには・・・、

まず、自分が苦労した「時間管理」について、他の人が苦労しないで済む
ようにしたい、という情熱があったこと。そして、そういう仕事では、自分の
経歴を「強み」として活かせるだろうという判断がありました。※

それと、「この仕事(前職)を続けた場合に今後どうなるか?」 を天秤に
かけて判断しました。もちろん、「ここまでやってきてもったいない」という
思いは感じたのですが、それはそれとして横に置いておくしかありません。

※ (余談です)
   ここでいう「強み」とは、この分野では理系の人があまり多くないこと、
   「生産技術」という製造業の知識・経験が時間管理に応用できること、
   比較的大きな組織の中での経験があること(だから「大企業病」のこと
   もよく分かる(笑))、などがあります。

   「時間管理」や「仕事の効率」といった分野の執筆や講演をしている
   人や、研修講師として身を立てている人の中で、これらの条件を1つ
   備えている人は少ないですし、すべてを備えている人はおそらく1人も
   いないと思います。

   もっとも、コネや知名度といった「強み」はありませんでしたが (汗)
   (余談終わり)


■ サンクコストを気にするのは、「目先の後悔」

自分のキャリア(職業)に関わる場合は、一言で言い表しにくいのですが、

  サンクコストにこだわることは「目先の後悔」。

  サンクコストに引きずられた判断は、将来、
  「もっと大きな後悔」をもたらす可能性がある。

と言えると思います。逆に言えば、長いスパンで見れば見るほど、
「サンクコスト」の影響は小さくできるということです。



さて、「サンクコスト」と言えば、最近こんな本が出ています。
サンクコスト時間術 (PHPビジネス新書 66) (PHPビジネス新書 66)

ブログ読者の方からもリクエストを頂きましたので、
この本について、明日にでもコメントさせて頂きます。



今日の記事作成時間は68分でした。
(どうも、昔の話を思い出して書くと、時間が長くなるような・・・(汗) )

では、また明日!


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Posted by 水口和彦 at 23:55│Comments(0)TrackBack(1)

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