2008年12月14日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

会社にも「夜スペ」が必要?


こんにちは。水口です。
今日は、特に経営者や管理職、人事担当の方に聞いてほしい話です。


■ 「夜スペ」が生まれた背景

まずは雑誌の話です。

先週出た「PRESIDENT」は、『心が熱くなる!仕事人ドラマ30』と題して、
色々な業界の社員さん(一部は経営者)のエピソードを掲載しています。

その中に、「サピックス」の企画営業部責任者 河合尚男さんのエピソードが
ありました。


「サピックス」という塾の名前をご存じない方も、「夜スペ」という名称は
聞いたことがあるのではないでしょうか。

「夜スペ」とは、公立中学校が学習塾と連携し、学校の校舎で塾の講義を
夜に行っているものです。

  1日に45分の講義を3コマが基本。(週4日、月48コマ)

  ちなみに、当初は成績上位者に限定したクラス編成だったのですが、
  現在は希望すれば誰でも参加できるようになっているそうです。


この「夜スペ」、私は「面白い試みだな」と思っていたくらいで、詳しくは知ら
なかったのですが、あらためて(検索して)意見を拾ってみると、賛否両論が
あるようですね。

とはいえ、実際に学校に提案して回った河合さんのエピソードを聞くと、
(やり方の検討は必要だとしても)、本質的に学校が抱えている問題に
正面から向き合おうとしているように思えます。
 (『』内は引用です)
 
『 社内では「利益を追求できない公立中学でやることに意味があるのか」と
批判的な声もあった。だが河合は学校を訪ね歩くうちに、どんな学校にも
共通する問題に気づいていた。
 それは教師の多忙さだった。(中略) 今、教師が教えることに集中できない
状況にあるとすれば、学校の仕組みも変わるべき時期にさしかかっている。
そして日々成長する子どもたちは、大人たちの結論を待ってはくれない。』


          (プレジデント 2008/12/29号 101ページより引用)

ちょっと格好つけすぎ感?もありますが、熱くていいですね。

私の個人的意見としては、授業だけでは物足りないという成績上位者
(「落ちこぼれ」の逆で「吹きこぼれ」とも呼ばれています)に向けた施策を
打つこと自体はあっていいんじゃないかと思っています。
(公立校ですから、やり方は吟味しないといけませんが)


とはいえ、ここで「夜スペ」の是非を議論したいわけではありません。

先の引用にあった、「教師の多忙さ」に似た状況は、現在会社の中でも
起こっているのではないか?という気がしているのです。


■ 会社にも「夜スペ」が必要?

現在は、多くの会社で、昔と比べてOJTが機能しにくくなっているのでは
ないでしょうか。

 ※ OJT=On-the-Job Training
   具体的な仕事を通じて教育し(教育を受け)、業務を
   身につけたり、スキルアップしていくこと


その原因の1つは「業務の多忙さ」です。

IT技術の進歩による業務効率化が進んだ反面、妙に多忙感があり、後輩や
部下に充分に教えるだけの余裕を無くしている人(職場)が増えているのでは
ないでしょうか。

「業務効率化による多忙感」として、典型的なものは「メール処理に追われて
時間が足りなくなってしまう」という状況です。

また、効率化した分、人員配置が見直されていることもあるでしょう。一応
仕事は回るけど、なかなか教えるための時間が作れないということになり
がちではないでしょうか。


もう1つの原因は、「お互いの仕事を知らない」ことです。

たとえば、初歩的なマナーの話で言うと・・・、昔なら電話のマナーが悪ければ
(周りにも聞こえますから)、注意することもできました。しかし、メールによる
やり取りになると、実際のマナーがどうかは分かりません。
(上司にも必ず「cc」で送るという手法もありますが・・・上司もタイムリーに
 チェックするのは難しいのではないでしょうか)

マナーに限らず、お互いの仕事を知らないから、指導やアドバイスがうまくでき
ないという状況は確実に増えているように思います。



一方、最近の若手社員は(たとえば私の世代と比べて)、学習意欲や、自分
を向上させようという意欲が旺盛だと感じます。

これは、逆に言えば、会社側が充分な教育機会を提供できないことが、社員
の不満になり兼ねないわけです。(「背中を見て学べ」、「習うより盗め」式の
教育は、今はあまり受け入れられてないですし・・・。)


そんな中で、先の「夜スペ」的な、社員研修(または勉強会的なもの)は、
有効ではないか? と私は考えています。

会社ですから、時間さえ取れれば「夜」である必要はありませんが、社内で
「塾」のような形で、レベルアップするための学習機会を定期的に持つことは、
有効な気がします。

もちろん、社員教育としての新入社員研修や、階層別研修などもいいの
ですが、もう少し日常的な、くり返し学ぶ学習機会があってもいいのでは
ないでしょうか。自分が社員なら受けてみたい気がします。


■ 運営側から見ると・・・

では、私も研修講師ですから、その視点も入れて具体的に考えてみます。

たとえば、スポットで1日研修をやる代わりに、月に1回・60分〜90分の
研修を4回に渡って行うという案を考えてみます。

こうすると、

 ・ 1回あたりの負担は少なく
 ・ 継続的に学ぶ機会が持てる
 ・ 実務の中で実践した結果をフィードバックできる

と、色々メリットがあります。

デメリットは、外部講師を使って、1日研修の代わりに4回に分けて
講師を呼ぶとなると、その分費用がかさむことです。
(また、研修運営者も、出欠の管理等に手間が少しかさみます)


しかし、これを「夜スペ」と同じように、1日に複数の講義を行う(コマ数を
増やす)ようにすれば、少なくとも費用面の問題は無くなります。

※ 1日に違う研修を4コマ行い(それぞれ内容と対象者が違う研修を)、
   それを計4回行うとすれば、提供する内容も、講師の稼働時間も、
   4つの1日研修を行うのと同じになります。


このやり方では、講師が複数の講義に対応できなければいけませんし、
講師の立場で言えば、1日研修を4回やるよりも手間がかかります。
(ですから、普通は研修会社はこんなこと提案しないはずです。)

しかし、受講者の学習効果を考えるとメリットがありますから、一考の価値
があると思います。いわゆる「研修」というよりは、「塾」に近いイメージで
行うと、面白い結果が得られそうな気がします。
(社内の活性化という面でも、くり返し行うのは効果があると思います)


これ、結構良いアイディアだと思うのですが、どう思いますか?

良い社内講師が見つかり、(その人が時間を取れるならば、)すぐにでも
実現できると思います。一度検討されてみてはいかがでしょうか。

私がこのアイディアに惹かれるのは、時間管理という分野は、特にこういう
サイクル(講義 → 実務で実践 → 講義でフォロー → ・・・ )と相性が良い
からでもあります。ですから、私も機会があればやってみたいと思います。



今日の記事作成時間は77分でした。

では、また明日!


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Posted by 水口和彦 at 23:55│Comments(0)TrackBack(0)

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