2009年01月08日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

「派遣」「ワーク・ライフ・バランス」・・・ 対策のキーワードは、「ワッセナー合意」?


こんにちは。水口です。
今日は、ちょっと堅めの話です。

今後のために、「ワッセナー合意」という言葉を覚えておいた方が
いいかもしれません。という話です。


■ キーワードは、「ワッセナー合意」?

「週刊東洋経済」の1/10号に、『未来に希望を描けない!若者危機』という
ちょっとショッキングなタイトルの特集が組まれています。

その中に(82ページ)、

  「 失業者と社会との接点作り
   日本版ワッセナー合意を  」

というタイトルのページがありました。

前半の「失業者と社会の接点作り」というのは、イギリスで行われている施策
で、失業者手当と職業安定所、職業資格や教育・技能訓練を連携させた
取り組みのことを指しています。(これ、以前にNHKで見た記憶があります)


後半の「ワッセナー合意」というのは、オランダの話です。

ちょうど、「日経WOMAN」のサイトでも、それに関連した記事がアップされた
ところです。(↓こちらです)

ワークライフバランス先進国をリポート―
―女性が最も働きやすい国、オランダの秘密を探った!−
WOMAN白書:日経WOMAN

(こちらは「日経WOMAN」だけあって、女性に焦点を絞った内容になってます)


■ 「ワッセナー合意」とは?

この「ワッセナー合意」というのは、政府・企業・労働者が協議して決めたもの
で、当時不況の中で、正社員の労働時間を短く(賃金もカット)する代わりに
多様な働き方(労働時間)を認めるというものです。

そのおかげで、短時間勤務という働き方が選べるようになっただけでなく、
フルタイムとパートタイムの社員の待遇を均等にできたというものです。
正社員と同じ待遇で週30時間未満の短時間勤務もできるということです。
(もちろん、労働時間が減った分の賃金は減ります)

さらに、派遣労働者と正社員との均等待遇も義務づけられています。
まさに「同一労働同一賃金」を達成しているわけです。


ただし、これには法制度を変えていくなど、時間がかかったそうで、

「ワッセナー合意」が1982年。
「フルタイムとパートタイムの均等待遇」が1996年。
「派遣自由化」と「派遣労働者と正社員の均等待遇」が1998年。

となっています。


■ 日本も「ワッセナー合意」を作るべき?

このオランダに比べて日本は遅れていて、遅れているままに派遣の自由化
を進めたことが問題だ。という見方もできます。

・・・というわけで、「日本版ワッセナー合意」が必要だという議論は、今後
活発になってくるかもしれませんね(上記記事もそういう結論です)。


ただし、日本の場合は、「職務給」という考え方や制度がほとんど浸透して
いないところからのスタートなので、オランダ以上に実現は厳しいかもしれ
ません。オランダが十数年かかっているから・・・それ以上?

実際のところ(先日も書きましたが)、正社員と派遣社員を均等待遇
にするためには時給をいくらに設定すればいいのか? という問いにも、
うまく答が出せないのが現状です。

※ たとえば、日本では「課長」ではないけれど、課長待遇の給与を
   もらっている人もいます。これは課長という「仕事」ではなく、
   課長級の「職能」(能力)である、という評価に対して給与が
   決められているからです。

   早い話が、日本の会社の多くは、正社員の間においても
   「同一労働同一賃金」になっていないわけで、正社員の給与
   制度を総替えするところから始めなければいけないわけです。
  (さらに 「サービス残業」や「名ばかり管理職」も障害になります)


元々「職務給」が一般的だった国と、「終身雇用」前提で「職能給」
(実際は「年功給」に近い)が一般的な日本では状況が違うわけです。

もし、日本で「同一労働同一賃金」にしようとすれば、まず、年齢の高い
層の給与を下げるところから始めなければいけないわけで、それには
相当な抵抗があるでしょう・・・。

ですから、制度を変えていくとしても、長い時間がかかると思います。
それで私は「同一労働同一賃金にすればいいんだ」と、簡単に言う
人をちょっとうさんくさく感じてしまいます・・・。

※ 「同一労働同一賃金を目指す」というなら分かりますが、
   いかにも簡単にできそうな口ぶりで言うのはごまかしがある
   と思います。(「だから今のままでいい」とも思いませんが)


■ 日本で「ワークシェアリング」が実現したら?

先の「ワッセナー合意」は、「同一労働同一賃金」という見方だけでなく、
以前少し話題になった(最近聞かない?) 「ワークシェアリング」という
観点でも画期的なものです。

雇用者1人当たりの年間労働時間で言うと、日本は1800時間以上
ですが、オランダは1336時間(2006年)だそうです。
(日本はサービス残業で実質もっと長いかもしれません)

これは、ざっくり言うと3割近く削減ということです。

パートタイマーの比率が高いので(3割以上)、フルタイムの人同士を
比べた場合にはここまでの差は無いと思いますが、それでもこういう
社会が実現すると、ライフスタイルも相当変わってきそうです。


そういえば、私が今の仕事を始めるために前の会社を退職したとき、
もし「パートタイム」でできるなら、もうしばらく務めてもいいのにな・・・
と考えたことがありました。

将来的には、そんな使い方もあっていいのではないでしょうか。
とはいえ、日本ではいまだに「副業禁止」という会社も多いですが・・・
そういう面も変わっていった方がいいのかもしれません。
(もちろん、本業に差し障りのある副業はダメですけど)




今日の記事作成時間は72分でした。

では、また明日!


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Posted by 水口和彦 at 23:48│Comments(0)TrackBack(1)

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