にわかに話題になっている? 「ワークシェアリング」について
こんにちは。水口です。
8日の「ワッセナー合意」の話で、「ワークシェアリング」という言葉を出しました。
私はこの「ワークシェアリング」を、「数年前に流行った言葉」という認識でいま
したが、ちょうどその翌日のニュースでこの言葉が紙面を飾っていましたね・・・。
■ 「ワークシェアリング」のとらえ方
「ワークシェアリング」とは、「従業員同士で仕事を分け合うこと」=人数を増やし、
1人当たりの勤務時間は短くすることを指しています。
これには2つのパターンがあります。
□ 雇用維持型
企業の業績が悪化した場合に、「人減らし」をする代わりに、
全員の労働時間を減らす
□ 雇用創出型
短時間勤務により、雇用機会を増やす(人数を増やす)
現在言われているワークシェアリングは、前者が主だと思います。
※ 「ワーク(仕事)」を「シェア(共有する・分ける)」という語感のためか、後者を
期待する声も多いと思いますが、現状それができる企業は少ないでしょう。
■ 「ワークシェアリング」導入における課題
前者のワークシェアリングだと、
・ まず、残業をゼロにする
↓
・ さらに、勤務時間を短くする
(その分、賃金もカットになる)
という流れで行っていくことになるわけですが・・・、これは、あくまでも
「サービス残業」が無いことが前提であり、サービス残業が残っている職場で
実施しても、単なる「給料減らし」にしかなりません。
※ それでも、雇用維持のためにやる価値はある、という議論はあっていいと
思いますが、企業の側からは(サービス残業が残っている場合は)、あまり
胸を張って言えることではありません・・・。
というわけで、もし、政府が企業に対して、「ワークシェアリング」を実践する方向
に誘導したいのであれば、同時に「サービス残業」に対する規制をより厳しくする
のが筋ではないでしょうか。
また、企業側は「副業」に対してもう少し寛容になるべきだと思います。
(現状、就業規則で副業を禁止している企業が多いです。それに法的な
効力があるかどうかは、判例上微妙なのですが)
この2つ(サービス残業を無くすこと、副業を認めること)が実現されれば、私は
「ワークシェアリング」は結構良いものかもしれない、と思います。また、本気で
ワークシェアリング型の社会(企業)を目指すなら、この2つは必須だと思います。
問題は、今回の「ワークシェアリング」の議論が、そこまで本気のものかどうか。
「ワークシェアリング」というオブラートにくるんで、単なる賃金削減をしようとして
いるようにも見える・・・というのは、うがった見方でしょうか?
今後、「ワークシェアリング」議論はいろいろ出てくると思いますが、その「ワーク
シェアリング論」が、どこまで本気のものか、見極めることが必要だと思います。
■ アンケートでは?
関連して、こんなアンケートもありました。
Yahoo!ニュース - 意識調査 - ワークシェアリングに応じる?
(『』内は引用です)
『身近な同僚が解雇されるとしたら、あなたはワークシェアリングに応じる?』
という質問に対して、こんな結果↓が出ています。
(リンクが切れたときのために)
応じる : 56%
応じない : 45% でした
これは程度問題(どのくらい給与が下がるか?)がありますから、YES/NOでは
回答しにくいところがありますが、「応じる」が過半数を超えているのは、日本的な
メンタリティだと思いますし、実際、現在の日本の社会にも合っているように思い
ます。
※ 個人的には、労働力の流動性が高い社会にも少し魅力を感じますし、
たとえば、このブログを読むような方は、それに対する対応力を持つ方も
多いと思います。しかし、それは世の中全体で見れば多数派ではありません。
多くの人がその中でで生き抜けるようになるには、まだ時間が必要でしょう。
■ 別の動きをする会社も・・・
↓早くも動いた会社もあります。やることが早い・・・(汗)
日本電産 一般社員1万人の賃金を最大5%削減へ
(毎日新聞) - Yahoo!ニュース
一般社員の賃金はグループ会社の中で業績により違って、1〜5%。
役員報酬は20〜50%削減。 とのこと。
このくらいの削減幅なら、普通は賞与で調整すると思うのですが、それをあえて
この時期に発表したのは、「こういうことをしてでも、雇用を維持する」という
メッセージが込められているのかもしれません。
個人的には、「ワークシェアリング」というオブラートにくるんだ実質的な賃金削減
を狙うよりも、この日本電産のやり方の方が、ずっと誠実だと思います。
今日の記事作成時間は60分でした。
では、また明日!
Posted by 水口和彦 at 23:55
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1月6日:2009年の関心事、「経済」と「雇用」についての考察(1)で、かなり大上段に構えた形で始めた考察ですが、今日はここから派生してきている「ワーク・ライフバランス」と、「ワークシェアリング」を軸として考察を進めていこうと思います。
1月10日「ワーク....
2009年の関心事、「経済」と「雇用」についての考察(2)【淡海の旅人の雑記帳〜「彦根仏壇を作る」仕事、「滋賀グルメを巡る」休日】at 2009年01月12日 17:05
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