2009年01月18日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

面白いけれど、ちょっと中途半端な本?: 超「超」整理法


こんにちは。水口です。
今日は本の話です。


■ 超「超」整理法

遅ればせながら、最近この本↓を読みました。

超「超」整理法 知的能力を飛躍的に拡大させるセオリー超「超」整理法 知的能力を飛躍的に拡大させるセオリー
著者:野口 悠紀雄
販売元:講談社
発売日:2008-09-18
おすすめ度:3.5
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著者の野口悠紀雄さんの本は、読み物としても面白いところが多く、私は
今までにも6,7冊くらい(もっとかも?)読んでいます。

特に、「整理法」について書かれた、前の『 「超」整理法 』での、「整理」に関
する考察と、解決策としての「押し出しファイリング」には影響を受けました。


今回のこの本は、読み物としては面白いのですが(特に後半)、
整理のメソッドを身につけるために読む本ではなくなった感じです。


■ デジタルオフィス=Gメール?

この本の前半は「Gメール(Googleが提供するメールサービス)」を使うことが
「デジタルオフィス」として役に立つ、という事例が紹介されています。

確かに、やり取りの記録やデータの保存を目的とした、保管・検索システムと
して、Gメールが活用できることはわかります。
(このブログをお読みの方の中で、もうお使いの方も多いと思います)

ただ、著者も書いていますが、同様のことは(検索も含めて)メールソフトを
使ってもできますし、容量の点でも特に問題がありません。

というわけで、この本にあるように「Gメール革命」というのは、やや大げさな
気がするのですが・・・。確かに、便利に使えるものではありますが、それは
Gメールに限ったものではありませんし。


■ Gメールを使うべきか? 使わざるべきか?

ちなみに私個人は「Gメール」を使用していません(試用したことはあります)。

その理由は・・・、

□ パソコンは基本的に持ち歩くので、複数のパソコンを使い分けることがない
  (複数のパソコンを並行して使う場合は、Gメールにメリットがあります)

□ 動作スピードを重視するから
   (Gメールを含むWebメール(ブラウザ経由でアクセスするメール)よりも、
    パソコン内で動作するメールソフトの方が動作が速い)

□ 時には個人情報も含まれるメールを、社外のサーバーに置きたくない

という理由です。


3つめの、「社外サーバーに置きたくない」という考えを、先の本で著者は
「グーグル・フォビア(グーグル恐怖症)」と呼び、ばかげた考え方だとしている
ようですが・・・、私はそうは思いません。

私も、個人用のものならいいかなと思いますし、著者がやっていることを否定
するつもりはありません。しかし、企業として使用することを勧めるのは、私は
同意できないですね・・・。


著者は、グーグル程の大きな企業が(データ漏洩などの)社会的信頼を失う
ような行動は取らないはずだ、という理由で、Gメールの使用は問題ないと
していますが・・・、これは「個人」としては良くても、企業としてはまずいです。

たとえ、実用上問題無かったとしても、社外秘の機密データや、顧客の個人
情報などをグーグルのサーバーに置くのは、姿勢として問題があると思います。
(自社の「管理下」にないサーバー上に置いているわけなので、プライバシー・
 ポリシー上も問題があるのではないでしょうか)

同様の考えで、(業務用のメールには)Gメールを使わない企業や従業員の方
は多いでしょうし、その考え方の方が現実に即していると思います。

この点においては、著者の考え方はやや「浮世離れ」していると言われても
仕方ないのではないでしょうか・・・。


■ この本は「買い」か?

で、この本が「買い」なのかどうかと言えば・・・。

「具体的なノウハウ」を求めるのであれば、「買い」ではないと思います。メール
の話以外には、「検索テクニック」的な話があるのですが、これは既に実行して
いる方も多いのではないかと思います。

しかし、この著者の本が好きな方にはおすすめできます。私は後半が面白く
読めましたし(第5章以降)、読んで良かったと思います。「整理」に関する本と
してより、「知的生産術」としての側面で魅力のある本ですね。


■ プッシュメディアとプルメディア

特に、5章の「プッシュメディア」と「プルメディア」の話は、とても重要なことを
示唆しているように思います。

※ プッシュメディア: 送り手がタイミングを決めて送信しているメディア
             (テレビ・雑誌等のマスメディア。メールマガジンもそう)

   プルメディア: 受け手が自ら探しにいくメディア
            (インターネットのサイト上の情報。当然ブログもこちら)

情報発信者側の視点で「プッシュ」と「プル」について論じたものは読んだことが
ありますが、受け手側の視点で「プッシュ」「プル」について論じられたものは、
これまでに読んだことがなく、新鮮でした。

本書での著者の主張には、なるほどと思わされることが多いです。
 
『プルできる人とプッシュを受けることしかできない人の間には、大きな情報力
格差が生じている。』

『テレビの前に座ったままの人は、一年たっても何も変わらない』

『プッシュを受けているだけで満足しているのは、問題意識がないからだ』

『無批判にプッシュを受け入れるだけでは、簡単に世論操作されてしまう』

                           (205〜206ページより引用)

等々。これらは何となく感じている人も多いと思いますが、「プッシュ」と「プル」と
いう切り口で整理すると分かりやすいですし、応用も利きます。


私の個人的な意見としては、

  「何か新しいことを始めたい」「起業したい」等、
  「自分が行動を起こす段階」にいる人は、
  プッシュ型の情報を受けるのを減らすべき

と考えています。

プッシュ型の情報(典型的なのがテレビです)に触れていると、何となくそれで
満足してしまい、自分が行動を起こす意欲が削がれる面があると思います。

「時間術」的な話の中でも、「テレビは見ない」「見る時間を限定する」等の話が
よく出てきますが、これは単に「時間」だけの問題だけではなく、意欲(やる気)の
面でも影響しているのではないか? というのが私の考え(経験談)です。



■ 「メールを活用する仕事術」を卒業するなら・・・

さて、最初の話に戻しまして・・・、

著者はメールを活用すれば、必要な情報はいつでも取り出せるし、効率的で
ある。という主旨のことを述べています。しかし私はそれには100パーセントは
同意できません。

私自身は、昨年に、そういう使い方から脱却する方向で自分の仕事のやり方
を再構築し、効率的になったことを確認しているからです。


「メールとして残しておき、検索して見つけられるようにしておく」というところは
同じですが(これは以前からやっています)、そこから一歩踏み込んで・・・、
「後で確実に使う情報は、いちいち検索しなくても取り出せる仕組み」を作り、
メールと併用すると、仕事の能率はさらに上がります。
(バックアップとしてのメールはそのまま残しておきます)

これを、いかに手間をかけずにやるかがポイントになるわけですが・・・、
そのへんの話は、また今度ということで。



今日の記事作成時間は65分でした。

では、また明日!


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Posted by 水口和彦 at 23:55│Comments(4)TrackBack(0)

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この記事へのコメント
おはようございます。

野口氏の著書は、「超」整理法だけ読んだことがありますが…
そうですか…野口さんは最近はGメールにハマっておられるんですね…。

私もGメールのアドレスは取得して、使ってみたことはありますが、今は使っていません。

とはいえ、ハード面で次の3点が革命的に進歩すると、ビジネスでメールを使う環境は変わるかも知れませんね。

1.起動・終了を早める技術
2.ペン入力の使い勝手
3.端末の省電力化/電源の性能

特に1.が分厚い壁になっていると思います。ケータイとパソコンの垣根が失われていく先に突破口が見えるかも知れませんが…。
Posted by ☆shinchan☆ at 2009年01月19日 09:33
水口です。
shinchanさん、こんばんは。

確かに、パソコンのメールは、面倒と言えば面倒ですよね。

携帯並みに「すぐ見る」ことができて、かつパソコン並みに高機能だといいのですが・・・
携帯・PDA側から進化するのが早いか? それとも、パソコン・ネットブック側から
進化するのが早いか? どちらになるかは分かりませんが、まだ進化の余地はありますね。

とはいえ、こういうのは、あまり便利になり過ぎると「かえって気が休まらない」なんて
ことにもなりそうな気もします・・・(汗)
Posted by 水口和彦 at 2009年01月19日 19:44
大変ご無沙汰しています。久々に書き込みます。
 私もこの本読みました。Gmailは水口さんと同意見です。Googleデスクトップは検索のスタイルを変えてくれますね。あのスピードには感動です。ただ、あんまり検索の必要性にせまられたことがないんですが・・・。
 「情報をプルできるひと」これには共感です。これは継続してやっていきたいですね。
Posted by 多ぁ忙 at 2009年01月19日 20:44
水口です。
多ぁ忙さん、こんにちは!

確かに、グーグルデスクトップのスピードは、最初「えっ・・・」と絶句するくらいの
驚きでした。でも、私もあまり検索の必要がなかったりしますね・・・。

Posted by 水口和彦 at 2009年01月23日 16:25
 

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