2009年02月10日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

時間管理へのご質問: 計画(スケジュール)は共有すべきか?


こんにちは。水口です。

今日は昨日の話の続きです。


■ 時間管理の計画は共有すべきか?

研修では、こんなご質問も頂きました。


  タイムマネジメント(や長期スケジュール)の計画は共有すべき?


という主旨のご質問です。

日々の(毎週の)計画、また長期的な計画は共有すべきかどうか? これは
少し微妙なところがあります。

※ ここで言う「計画」「スケジュール」というのは、グループウェアなどで管理
   する「アポイントメント主体のスケジュール」ではなく、タスクも含めた時間
   管理のための計画のことです。


■ 時間管理がチームにもたらす影響

たとえば、職場のチームでタイムマネジメント(時間管理)が当たり前になると、
仕事はうまく回ります。


ちょっと想像してみてください・・・。

プロジェクトを進めていく中で、あるいはその中で発生した問題を解決するため
に打ち合わせを行っているとします。打ち合わせの中で、やることを決めたり、
その担当者を決めたりしているわけですが・・・、


パターン1 時間管理を行っているメンバー同士が打ち合わせを行う場合
――――――――――――――――――――――――――――――――
各自が自分の計画を持ち寄って、それを見ながら打ち合わせすると、

Aさん: 「その作業は、水曜日には終わります」

Bさん: 「じゃあ、次の○○は木曜日から、僕とCさんで・・・」

Cさん: 「これで、金曜日中には終わりそうですね」

と、話を具体的に進めやすくなります。また、実際の自分のスケジュールを元に
考えているので、計画の精度も高いです。
――――――――――――――――――――――――――――――――


パターン2 自分のスケジュールも持たずに打ち合わせを行う場合
――――――――――――――――――――――――――――――――
逆に、誰も自分のスケジュールを持ってこないで打ち合わせをすると・・・、

Aさん: 「その作業、今週中ってとこですかね」
      (他の仕事もあるから、少しサバを読んでおいて・・・)

Bさん: 「じゃあ、次の○○は僕とCさんで来週からスタートするということで」

Cさん: 「いつ終わるかな・・・ まあ、来週木曜には終わるでしょう。
       もう少し早く終わるかもしれませんから、その時は全員に連絡します」

のようにサバを読みながらのスケジュールになってしまいます。また、「もう少し
早く終わるかも」と言っていても、なかなかそうはならないものです。

自分のスケジュール(タスクも含めた仕事の詰まり具合)が見えていない状況
では、誰でもより多めにサバを読んでしまうものですし、それが積み重なると、
全体スケジュールは、サバだらけになってしまいます。

――――――――――――――――――――――――――――――――
※ 仕事の納期を決める際の「サバ読み」は、万が一の場合のための「保険」と
   しての意味合いもあります(だから悪いことばかりでもありません)。しかし、
   自分の仕事の状況が読めた上での「サバ」と、仕事の状況が読めていない
   場合の「サバ」には大きな差が出てきてしまいます。後者のサバはやっかいな
   ものです。


前者の方が、仕事が早いという意味で「顧客視点」から見ても良いわけですが、
それだけでなく、「メンバー視点」で見ても、前者の方が仕事に勢いがありますし、
組織も活性化するなど、やりがいを持って働きやすい環境ではないでしょうか。


■ 日々の計画を共有する弊害

このように、「各自が自分のスケジュールを持ち寄る」ことには、とても大きな
意味があります。

しかし、チーム内での時間管理の使い方が変な方向に進んでしまうと、弊害
ばかりになってしまう危険性もあります。


たとえば・・・、
――――――――――――――――――――――――――――――――
チームリーダー: 「A君、この作業を頼む。これはいつまでにできる?」

Aさん: 「水曜日には終わります」

チームリーダー:「もっと早くならないかな?」

Aさん: 「いや、□□の件がありますから、火曜日は動けないので」

チームリーダー:「それくらい何とかなるだろう。ちょっとスケジュール見せてみろ」
          (とスケジュールを強奪・・・)

          「こことか・・・、ここにも、空いている時間があるじゃないか。
           この件は火曜日中に終わらせてくれ! じゃあ、次は・・・」

Aさん: 「・・・・」

――――――――――――――――――――――――――――――――

こうなってしまうようでは・・・非常にまずいです。

Aさんは、決してサバを読んでいたというわけではなく、毎日の仕事の中では、
メールのやり取りや突発の仕事などの時間が読めない部分があり、そのために
時間の余裕を持たせていただけでした。

それなのに、(あら探しをするように)そういう時間にまで無理矢理仕事を突っ込
まれてしまうと、Aさん自身の仕事も回らなくなります。これが1つめの問題です。


そしてもう1つの問題は・・・、チームリーダーがこんな姿勢だと、メンバーはそれを
警戒して、本当のスケジュールを見せなくなってしまうことです。

こうなると、空白を消した「提出用のスケジュール」、いわば「アリバイ工作」的な
ものを作るようになってきますし、自分自身の本当のスケジュールも混乱しがちに
なってきます。これでは、時間管理を行うメリットが活きてきません。


というわけで、チームの中で時間管理を活用していくためには、人のスケジュール
にあれこれ言うべきではありませんし、特にリーダーの無理を通すために使っては
いずれ逆効果になってしまいます。

これが、昨日の最後に書いた、

  時間管理を「管理の道具」として、使い方を誤ると、
  とんでもないことになってしまう危険性がある

ということです。


部下のスケジュールを見せてもらったり、提出してもらったりすること自体が悪い
わけではないのですが、そのスケジュールは、あくまでも本人が作り、考えるのが
基本です。他人が見ても細かいところや見えないところは分かりませんし、それ
なのに「あら探し」をするのは、ロクな結果をもたらしません。

また、チームリーダー自身も自分の時間管理を行い、「空白の時間」の重要性を
実感しておくことが大事です(それができていないのに人のスケジュールの指導
をしても、良い結果にはなりません)。



さらにもうひとつ、とても大事なことがあるような気がするのですが・・・、
その話はまた明日にでも。




今日の記事作成時間は48分でした。
では、また明日!


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Posted by 水口和彦 at 23:55│Comments(0)TrackBack(0)

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