2009年02月20日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

「ムダに気付く感性」を高めるための 7つのムダ (@トヨタ生産方式)


こんにちは。水口です。
今日は「ムダ」についての話です。


■ ホワイトカラーの「ムダ」に対する意識

私は現在こういう仕事(時間管理関係の講師や執筆)をしていますが、その前
は製造業に務めていました。研究や開発の仕事をしていた時期が最も長いで
すが、生産技術や品質管理関係のかなり現場に密着した仕事もしてきました。

日本の製造業は、他の産業に比べて生産性が高く、国際競争力があると言わ
れます(現在は低迷していたり、「派遣切り」が問題視されていたりしますが)。
その生産性を支えるのが、現場レベルの改善や効率化であることは多くの人が
指摘するところです(私もそう思います)。


一方、ホワイトカラーの仕事、デスクワークの仕事においては、その生産性は
今ひとつとも言われます・・・。

だからといって、たとえば、デスクワークを「トヨタ生産方式」でやるべきだとは
言いませんが(実際、そのまま適用しようとしても無理ですし)、改善を続ける
姿勢やムダを無くす工夫については見習うべきところが多いと考えています。


たとえば、「この会議、ムダなんじゃない?」 「あまり意味ないよね」・・・という
会議があって困る・・・という方もおられると思いますが、そういう会議があるの
も、ある意味(職場全体として)「ムダ」を無くす意識が低いことの表れです。

仮に、毎週2時間のムダな会議があるとして、その会議によるムダを数値化
してみると・・・、

  ムダな会議 2時間 / 週の仕事時間 40時間 (8時間×5日)

  = 5%

となります。

この「5%」は小さいようで大きな数字です。

たとえば、営業部門で売上が前年比5%ダウンすると問題になるでしょうし、
工場の生産性が5%下がったとなると、原因究明に大騒ぎになります。

一方、デスクワークの仕事で、「週に2時間」のムダに対し、そこまで真剣に
捉えている人は、ほぼ皆無です。

もちろん、中には「なかなか無くせないムダ」もあるかもしれませんが、それ以前
の問題として、「ムダに対する意識そのものが低い」 と言っても、言い過ぎでは
ないように思えます。(自分自身振り返ってもそうです)



■ 「ムダに気付く感性」を高める

というわけで、「ムダを無くすこと」は大事なことです。

しかし、「時間をムダにしない=休まず動き続ける」ということでもありません。


  「ムダを作っちゃいけない」
          ↓
  「スケジュールに空白を作らないようにしよう」
          ↓
  「スケジュールを埋めるための仕事を作り始める」

なんてことになってしまっては笑い話になってしまいます。
「ムダな仕事を作る」こと自体がムダですから・・・。


というわけで、「時間をムダにしない=動き続ける」というわけではなく、その
動く中身の中にムダが潜んでいないか?と気づくことの方が大事なわけです。

これは「ムダに気づく感性」 という言い方がしっくりくるように感じます。

※ 私は割とそういうムダに気づく方ですが、これまで一緒に仕事をした
   人の中には、私以上に「ムダ」に対して鋭い視点を持つ人もいました。
   そういう人は、理屈で考える以前に、直感的に「これはムダだ」と判断
   しているように見えるところが多々あります。まさに「感性」です。


では、その「ムダに気づく感性」を高めるためにはどうすればいいかというと・・、
私は2つのアプローチが有効だと考えています。


□ 「目的」を考えること・見失わないこと

その1つが、

  その仕事(あるいは会社の仕事全体)の「目的」を考えること

です。

たとえば、「その会議は何の目的で開催されているのか?」が明確になると、
会議運営を変えるアイディアも出てきます。

たとえば、会議の目的が、

  「○○について検討する

というのでは、明確になったとは言えません。

もう一歩踏み込んで具体的に、

  「○○を次にどう進めるか決定する
  「○○についての承認を得る

のように、本来は会議には仕事を次に進めるためのステップとしての役割が
あるはずです (中には「連絡」が目的の会議もありますが、それだけが目的
の会議はメールに取って代わられ、少なくなりつつあります)。

その「目的を果たす」ことを中心に考えると、何が「ムダ」か見えてきます。
(その会議を行うこと自体がムダという場合もあるはずです)


□ ムダが起こる「パターン」を知る

「ムダに気付く感性」を高める、もう1つのアプローチは、

どんなところに(どんな形で)ムダが潜んでいるか知ること、考えること

です。

「ムダ」にはいくつかのパターンがあります。たとえば、「トヨタ生産方式」では、
それを「7つのムダ」と呼んでいます。


  □ 作り過ぎのムダ  
(注文のない製品を作るムダ)

  □ 手待ちのムダ   
(自分の作業が始められない)

  □ 運搬のムダ    
(運搬距離が長い・運搬回数が多い)

  □ 加工そのもののムダ
 (価値を付加しない作業)

  □ 在庫のムダ    
(回転しない在庫のムダ・在庫管理作業のムダ)

  □ 動作のムダ    
(不必要な動き・不自然な流れのムダ)

  □ 不良をつくるムダ 
(廃却・再加工によるムダ)

さらに8つめのムダとして

  □ 何もしないムダ   
(生産の機会・改善の機会を失うムダ)

があげられることもあります。(「8つめのムダ」は他に諸説あります)

※ 2番目にあるのは、「手待ち(てまち)のムダ」で、「手持ち(てもち)」では
   ありません。「手待ち」とは、自分の作業が開始出来ない「待ち時間」が
   できてしまうことを指してます。


この「7つのムダ」に当てはまるものがないか? という視点で見てみると、
職場の中にあるムダは、かなり見つけやすくなります。

「当たり前」だと思っているところに、結構「ムダ」は潜んでいるものです。
それに気付くためのきっかけやガイドライン、ケーススタディとして「7つのムダ」
は役立つと感じています。

そうしているうちに、「感性」に近い、直感的な判断もできるようになってくる
というのが私の実感です。


※ 少しPRさせて頂くと、弊社のセミナー(講座C)では、この「7つのムダ(+1)」
   を「ホワイトカラー業務(デスクワーク)版」に置き換えたものを解説しています。
   (次は来週やります ↓)
   http://www.bizark.co.jp/seminar/seminar20090224.php



最後に、ちょっと気をつけたいことを1つ・・・

 どこの職場でも、視点を変えれば「ムダ」は必ず見つかるものです。

 昔の私は、「これはムダですよ」とはっきり言ってしまうことも多かったですが、
 そういう指摘は、そこで長く仕事をしている人に取って、耳が痛いもの、聞き
 たくないものでもあります。ですから、言い方によっては話がこじれることも
 ありました・・・。

 たとえば、「ムダですよ」というよりも、「こう改善したらどうでしょう?」という
 言い方の方が相手も受け入れやすく、話がスムーズに進む場合もあると
 いうことは、頭に入れておいた方がいいかもしれません。



今日の記事作成時間は92分でした。
では、また明日!


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Posted by 水口和彦 at 23:55│Comments(0)TrackBack(0)

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