2009年03月25日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

正しい「なぜなぜ分析」と、だましの「なぜなぜ」:(と「要因と原因」の違い)


こんにちは。水口です。
今日は「なぜなぜ」の話です。
(その関連で「要因と原因」の違いの話もあります)


■ 「なぜなぜ分析(なぜなぜ解析)」をご存じでしょうか?

『なぜなぜ分析』または『なぜなぜ解析』と呼ばれている、問題解決手法
(問題発見手法)があるのをご存じでしょうか?「なぜを5回くりかえす」と
言われる方法です。

※ 『なぜなぜ分析』という呼び方の方が、使われる頻度が高いようなので、
   以下、「なぜなぜ分析」で統一します。


私は前職の最後に「品質保証」という部門で仕事をしていたこともあって、
この「なぜなぜ」は実践してきました。実は、結構苦労したのですが・・・(涙)、
そのおかげで、「なぜなぜ」の「ツボ」は押さえているつもりです。

(一昨昨年にも、このブログで少し触れたことがあります↓)
「なぜなぜ分析」 の難しさ・・・について


■ 「なぜなぜ」は誤解されている?

この「なぜなぜ分析」または「なぜを5回くり返す」という言葉、最近耳にする
ことが少し増えてきたかな・・・という感じがあるのですが、どうも正しく紹介
されていない例が多くて、ちょっと気になっています。


ちょっと乱暴というか何というか・・・、 

  「なぜ○○になったか?」→(△△だから)→「なぜ△△になったか?」
  →(□□だから)→「なぜ□□になったか?」→ ・ ・ ・

と、とにかく「なぜ」をくり返せばいいという説明が目立ちます。
(「非技術系」コンサルタントの方が、よくこういう説明をしています)


取引先から、そして社内から、これ関連でバシバシと突っ込まれてきた経験
からすると、そんな安直な「なぜなぜ」は受け入れがたいものがありますし、
それでは決して真因(真の原因)にたどり着けないことは保証できます。

というように、「なぜなぜ」についての正しい知識が不足している・・・という
状況があり、あらためて危機感を感じています。結局、一時の流行り言葉
として流されてしまい、実際に活用されないのではもったいなさすぎます。
(実際はとても有効な手法なのに)


■ 「だましのなぜなぜ」の例

「なぜなぜ」の失敗例はいろいろあります。上記の(一昨昨年の)記事で例と
してあげた、「社長が悪い!なぜなぜ」もその1つです。

それ以外には、「一直線なぜなぜ」も要注意です。
(上記のとにかく「なぜ」をくり返すという説明もそれです)


「一直線なぜなぜ」というのは、私がつけた名前ですが、

  起こった現象
     ↓(なぜ?)
  その原因
     ↓(なぜ?)
  さらにその原因
     ↓(なぜ?)
  さらにさらにその原因
     ↓(なぜ?)
  さらにさらにさらにその原因
     ・
     ・

と、一直線に(枝分かれせずに)進んでいく「なぜなぜ分析」です。


実際には、1つの現象に対して考えられる要因は1つであることの方が
珍しいですから、それぞれ複数の要因に枝分かれしていくのが普通です。
(ですから、枝分かれの数は最終的にかなり多くなります)

実は、その「要因」を検証していって、真の「原因」を』見つけ出すという点が
「なぜなぜ」の重要なポイントの1つなんです 
(これはクリティカルシンキング能力が問われる、なかなか難しい部分です)


そんなふうに、実際には枝分かれなしで一直線に「なぜ」が進むようなことは
まずあり得ません。逆に言えば、「一直線なぜなぜ」は最初から結論ありきの
「決めつけ」にすぎませんし、本来の「なぜなぜ」の主旨とは正反対のものです。
(「なぜなぜ」を行う目的の一つは「思い込みを排する」ことだからです)

本当は「決めつけ」なのに、「分析」した風に装っているので余計たちが悪いと
いうか・・・、こういうなぜなぜは一種の「だまし」と言ってもいいと思います。
「一直線なぜなぜ」=「だましのなぜなぜ」と言っていいと思います。

こんな「だましのなぜなぜ」が横行するのは見てられないですから、ちゃんと
「なぜなぜ分析を仕事に活用する」ためのノウハウをまとめて公開したいと
いう気がする今日この頃なのですが・・・。
(今も少しまとめかけていますが、これは時間がかかりそうです)

それはそれとして(あまり期待しないでください・・・)、
「だましのなぜなぜ」には、だまされないように気をつけて下さい。


■ 「要因と原因の違い」

以下、上の「」のところについての解説です。


※ 因果関係として考えられるものが「要因」。その中で、因果関係が
   はっきり立証されたものが「原因」と考えてください。(さらに※)

※ 「原因」と「要因」の使い分けには諸説ありまして・・・、
   国語辞典に載っている「要因」と、技術屋の世界で使われる
   「要因」の意味は違うことがあります。

   要因=原因の主要なもの・・・と書いている辞書もあるようで、ネット
   で検索するとそういう答が目立つのですが、この解釈を技術屋、特に
   製造業のエンジニア相手に使うと、恥をかくのは必至です・・・。

   私がたたき込まれた「原因」はこれと同じです↓
    ―――――――――――――――――――――――――――――
    要因 (Factor) とは、特性に影響する(と思われる)管理事項をいう。
    原因(Cause)とは、トラブルなど特定の結果に関与した要因をいう。
    ―――――――――――――――――――――――――――――
   こちらの↑解説が技術屋の世界で使われている要因と原因の違いです。
   ちなみに、この文章はWikipediaの「特性要因図」の項にありました。
   やるな・・・Wikipedia。

   別の言い方をすると、
    ―――――――――――――――――――――――――――――
    「要因」=ある事象に影響する(ある事象を起こし得る)もの (=推定)
    「原因」=今回その事象を起こしたもの (=事実)
    ―――――――――――――――――――――――――――――
   となります(これは私が今書いたものです)。

   要因=factor、原因=Cause という言葉の訳ならば、こちらの解釈
   (Wikipedia&私の解釈)の方が正しいことになります。すると国語辞典に
   も載っている「要因=主要な原因」という解釈は間違いになります。

   意味が2つあるんだろうか・・・? 不思議な現象です。


先の「なぜなぜ」で言うと、枝分かれするのは「要因」が色々出てくるからです。
その中から、問題を起こした「原因」を見つけるステップが重要なんです。
(ですから、最初から「一直線=要因が一系列しかない」では話になりません)



今日の記事作成時間は65分でした。
さらっと書くつもりが、「要因と原因」で時間がかかりました・・・(汗)

では、また明日!


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Posted by 水口和彦 at 23:55│Comments(2)TrackBack(0)

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この記事へのコメント
私も水口さんの解釈(解説)と同意見です。
要因とは、引き金になったであろう(なったかもしれない)事柄。原因は確実な物ですよね。
「これは要因だっかかもしれないけど‥でも、原因はこれだよ」なんて使い方をしたりするのですが・・・間違っていますでしょうか(^^;?
Posted by 大熊ねこ at 2009年03月27日 01:01
水口です。
大熊ねこさん、ありがとうございます。

『「これは要因だっかかもしれないけど‥でも、原因はこれだよ」なんて使い方を
 したりするのですが・・・間違っていますでしょうか(^^;? 』

間違ってないですよね。

「正しい知識の普及のためにも」と思って、次の記事も書いてみました。

今後、このことを検索する方がおられた場合に、ヒットしてくれると良いのですが・・・
と思って、確認してみました。Googleで1ページ目には表示されているようなので、
なにがしかの役に立つことを期待します。

Posted by 水口和彦 at 2009年03月27日 18:14
 

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