2009年03月26日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

「要因と原因の意味の違い」 「要因と原因の使い分け」について


こんにちは。水口です。

今日は昨日の記事で取り上げた「要因」と「原因」の違いについて、
しつこいですが(すみません・・・) もう少し書いておきます。


■ 「要因と原因の意味の違い」 「要因と原因の使い分け」

昨日の話の中で、「要因」と「原因」という言葉について、国語辞典に載っている
解釈が間違っている(としか思えない)という話をしました。これは結構珍しいこと
だと思います。


ちなみに、気づいたのはこういう経緯です。
――――――――――――――――――――――――――――――――
昨日の「なぜなぜ分析」の話を書く中で、

  まず、「要因」をすべて洗い出して、
  その中から真の「原因」を見つけ出すのが
  本当の「なぜなぜ分析」である

という話を書こうと思ったわけですが、そこでこの「要因と原因の使い分け」を
分かってもらえるかどうか疑問に思いました。(分かる人は分かるけど、知らない
人も多いかも? と思ったわけです)


気になって、ネットでちょっと調べてみました。

「要因 原因 違い」などの言葉が含まれているページを検索してみると、
「教えて!goo」や「Yahoo!知恵袋」などの質問サイトや、他には個人ブログ
などがヒットしました。
――――――――――――――――――――――――――――――――

「なるほど、この使い分けに悩む人も結構いるのか・・・」 と思ったのですが、
その回答の方も見てみると・・・目が点になってしまいました。


■ 「要因」と「原因」の正しい(一般的な)使い分け

ちなみに普通は、
 ――――――――――――――――――――――――――――――
 「要因」=ある事象に影響する(ある事象を起こし得る)もの (数が多い)
 「原因」=今回の事象を起こしたもの  (要因の中のある一系列に限定)
 ――――――――――――――――――――――――――――――

という解釈を用います。


  変な例えですが、こう言うと↓ 分かりやすいかもしれません。
 ――――――――――――――――――――――――――――――
   推理小説などの犯人捜しで言うと、

   「動機」を持っている容疑者はたくさん出てきます。
   「要因」もこれと同じように色々あります。

   しかし、実際に「犯行」を犯した人は1人(または1グループ)です。
   「原因」がこれに相当します。基本的に1つ(一系列)です。
 ――――――――――――――――――――――――――――――


私は仕事の中でもよく使っていましたし、社内だけでなく、複数の会社とそう
いう話をしてきました。この解釈が一般的だというのは間違いないと思います。

たとえば、特定の設備トラブルや不良品発生などの「なぜなぜ分析」を行うと、
要因はたくさん出てくるのが普通。しかし、「原因」は、必ず一つ(一系列)です。
(某「名探偵」が言う、「真実はいつも一つ」という台詞と同じです)


※ 一方、もっと集団的な現象、たとえば 「なぜ○○の売上が上がらない?」
   といった「なぜなぜ分析」を行う場合は、「1つの原因」には絞り込めません。
   (個々の「原因」は色々あり、その積み重ねが全体の結果を生むので)

   ですから、こういう場合は「原因」という言葉は用いずに、「要因」という言葉
   だけを用いるのが一般的です。


■ 「要因」と「原因」の間違った例

しかし・・・、先ほど述べたように、検索して見つけたページには、

  要因=主要な原因

そう書かれているページが、結構多いのです。
(確かに漢字で書くと、要因 = 主「要」な原「因」と読めますが・・・)


これは「原因」は色々あり、その中の絞り込んだものが「要因」だという説です。
つまり、正しい使い分けとは全く正反対です

※ 正しくは   要因 ⊃ 原因 なのに、
   この説では 要因 ⊂ 原因 と逆の意味になります


この間違いが国語辞典に載っているというのも驚きました・・・。

※ 国語辞典に載っている方が正しいんじゃないの? と思われる方も
   おられるかもしれませんが・・・ 品質管理関係の参考書等を見れば、
   「要因」と「原因」の正しい使い分けは分かります。この用語に関して
   は、そちらの方が国語辞典よりは信憑性は高いと判断すべきでしょう。

   (また、昨日書いた、要因=factor、原因=Causeという訳から判断
    しても同じ結論になります)



■ あらためて「ネットでの調べ物」の怖さを感じる

たとえば、

  「要因と原因という用語をどう使い分けたらいいのか?」

という疑問を持った人がネットを検索し、最初に見た2つ3つのページに、
たまたまこの解釈が載っていたら、それを信じるのではないでしょうか。


これって、結構怖いことだと思います。「ネット上の情報は玉石混淆」だという
ことを分かっている人でも、つい引っかかってしまうかもしれません。

※ 国語辞典でさえ間違っているわけですから、ネット上にそう書いた個人を
   責めるべきではないと思います。そういう主旨ではありません。

   ただ、ネット上では書いている人の「自信のほど」が見えないことも多く、
   誤解が誤解を生むこともあるのが怖いと思うわけです。


もちろん、ネット上の「集合知」には良い面もあり、誤解された情報が数多く
流れているようなら、それを見かねた人が発言し始め、結果的に正しい方向に
情報が収斂していくこともあります。 (ですから、ネット全体に対して悲観的に
見るつもりはありません)

しかし、それは数多くの人が見ていたり、ある程度話題になっていることが前提
であり、あまり見られていないページやマイナーなトピックでは、誤解を生む表記
が放置されていることも考えられます。気をつけないといけないですね・・・。



  また、ネット上でたまにあるのが、複数のページに同じ内容が書かれていて、
  「それなりに信憑性あるのかな?」と思ったら、それらのソース(元ネタ)は
  全部同じ、たった1つのページだったというパターンです。
  (あまり一般的でない事柄を調べていると、たまにあります)

  変な話、根拠の無い噂や誹謗中傷が、こういうパターンで信憑性を帯びて
  くるケースもあるんじゃないでしょうか。


こういう状況を見て、「ネットは信用できない」と決めつけるのも
馬鹿げてますが、安易に信用するのもまずいわけです。

自分なりの選択眼、判断基準を高めることも大事ですね。
あらためて、そう思った一件でした。



今日の記事作成時間は85分でした。

では、また明日!


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Posted by 水口和彦 at 23:55│Comments(2)TrackBack(0)

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この記事へのコメント
初めまして。
ずーと愛読させていただいてますが、初めてコメントします。
私も品質管理の端くれをやってまして、ついついコメントしたくなりました。
私もかなりお客様に怒られながらなぜなぜをやりましたので内容に非常に共感を覚えます^^
私も要因と原因については同意見です。(要因=主要因ではないという所)
さらに下記サイトにはかなり詳しく書いてあり、きっと水口様も納得される部分があると思います。
http://www.geocities.jp/takaro_u/
よかったら見てみてください。

それから時間管理の話とても参考にさせていただいてます。
これまからも頑張ってください。
Posted by 無名 at 2009年03月27日 14:08
水口です。
コメントありがとうございます。

おお、品質管理の仕事をされている方がおられましたか、うれしいです。

ご紹介頂いたサイトを拝読してみました。しっかり書かれていますね↓

『要因のうち、影響力が強いため管理しなければならないものを主要因という。
 原因とは、主要因のうち管理されていないためにトラブルを引き起こしたものをいう
 (主要因でも、適正に管理されていれば原因にはならない)』
 (http://www.geocities.jp/takaro_u/std6_select6.html より引用)

まさに、「我が意を得たり」という感じです。
ありがとうございます!
Posted by 水口和彦 at 2009年03月27日 18:20
 

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