2009年04月12日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

「一時帰休ワークシェアリング」→「フレックスタイム・ワークシェアリング」→「?」


こんにちは。水口です。
今日は「ワークシェアリング」の話題です。


■ 「フレックスタイム」的ワークシェアリング?

こんな記事がありました。

産業/ボッシュ、製造部門3000人 時短ワークシェア導入
- FujiSankei Business i./Bloomberg GLOBAL FINANCE



NIKKEI NET(日経ネット):企業ニュース
ボッシュ日本法人、ワークシェア導入 生産部門で


自動車関連に詳しくない方は、「ボッシュ」という名前にあまりなじみがないかも
しれませんが、親会社の独ボッシュ社、は特に自動車業界ではビッグネームです。

前者の記事によると、  (『』内は引用です)
 
『 自動車部品大手のボッシュ(東京都渋谷区)は、今月中旬から6月末までの
期間、労働時間短縮勤務によるワークシェアリングを導入することを明らかに
した。対象は国内の製造部門の従業員約3000人で、月16時間の時短を
実施する。賃金削減幅は明らかにしていないが、時短分の賃金をカットする方
向で検討している。』


後者の記事には、こうあります。 (『』内は引用です)
 
『 自動車部品大手のボッシュ日本法人(東京・渋谷)は13日から、ワークシェア
リング(仕事の分かち合い)を導入する。社員の就業時間を仕事の繁閑に応じて
調整できる制度を設ける。生産部門で導入し、事務系など間接部門は1―3月
と同様に賃金の一部カットを伴う休業日を設ける。

 既に労使間で合意した。1日8時間の就業時間のうち、一時間を調整枠とす
る。対象となるのは約3000人。部署ごとに1日の就業時間を7―8時間の間
で定め、社員が繁閑に応じて調整できる。減らした就業時間に応じて賃金もカ
ットする』



8時間勤務を7〜8時間勤務とし、社員が繁閑に応じて調整するというのは、
ちょっと珍しいやり方だと思います。

おそれく、考え方としては「フレックスタイム制」に近い形で、

・月の勤務時間は、現状から16時間短くする

・どの日を短く、どの日を長く勤務するかは、個人個人が決める

というシステムのようです。

自動車や電機などで行われている、休業日を増やす形のワークシェアリング
(昔の言い方で言えば「一時帰休」としてのワークシェアリング)とは違い、全
体に勤務時間を減らすわけです。欧州型の「ワークシェアリング」に近いと言
えば近いです。

ですから、「一歩進んだ対応」のようにも見えますが・・・、
実際のところは、「苦肉の策」としての対応のようです。

こういうやり方を導入した理由は・・・、

・取引先(出荷先)も工場の休業日を増やしている

・しかし、各取引先で休業日の設定が統一されているわけではない

という事情が影響しているそうです。


生産量が減るので、取引先と同様に休業日を設定したい・・・、 しかし、
(相手の)休業日がまちまちなので、(自社が)完全に休業する日を作ると
仕事に差し支えが出る。だから、時間で調整する。ということです。


考えてみれば、これはもっともな話です。

工場の稼働日を減らす(休業日を減らす)というニュースは、自動車や電機など
でよく聞きます。しかし、いつが休業日なのかは、会社によって違うわけです。

そうなると部品メーカーは、全体の出荷量(生産量)は下がるが、統一した休業
日を設定するわけにもいかない(出荷先が同時に休業してくれるわけではない)。
そんな状況になってしまいます。

結局、ある意味では、「下請けがより大きな負担を背負わされている」という
構図でもあるわけで・・・、なかなか厳しいものがあります。

表に出てこないところで負担を強いられている部品メーカー(や、さらにその
下請け)もあるのではないか? とも考えられます。・・・気になるところです。



上記の(日本の)ボッシュ社の対応は、そういった状況に対応するための、
「苦肉の策」ではありますが、うまく活用できれば本来の「ワークシェアリング」
に近い運用にもなる可能性もあります。

まず、7〜8時間勤務と言わず、日によって4〜5時間の短時間勤務や、週
4日勤務、といった働き方ができるようにした方が、従業員にとって調整し
やすいのではないか? という気もしますが・・・。

さらに、「一律に月○○時間削減」と言わず、希望すればもっと短時間の
勤務もできるようになると、形としては、本来の「ワークシェアリング」に近く
なってきます・・・。

意外にこんなところから、「(本当の)日本型ワークシェアリング」が出てくる
ことになるのかもしれません。(←変に期待しすぎかもしれませんが)



今日の記事作成時間は49分でした。

では、また明日!


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Posted by 水口和彦 at 23:55│Comments(0)TrackBack(0)

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