「ワーク・ライフ・バランス」の議論に欠けがちな、「ある観点」
こんにちは。水口です。
現在「ワークシェアリング」や残業カットの話に追われ、やや盛り上がりに
欠けていますが・・・、 今日は「ワーク・ライフ・バランス」についての話です。
■ 「理想からはほど遠い現実の生活実態」・・・ですか?
「うーん・・・。もったいない」 と感じたのが、この調査↓です。
<仕事優先>望まないが実生活45% 内閣府調査
(毎日新聞) - Yahoo!ニュース
(『』内は引用です)
『 内閣府が27日発表したワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)の
意識調査結果によると、「仕事優先」を望むのは回答者のわずか1.6%
なのに、実際は45.6%が仕事優先の生活を送っていた。理想からはほど
遠い現実の生活実態が浮き彫りとなった。
仕事の時間を今後「短くしたい」と考える人は40.2%。男性は50.9%
で半数を超えた。自己啓発など個人の生活等の時間を「長くしたい」人は
62.8%、休養を「長くしたい」人は58.7%。家庭生活は「今のままでよ
い」が55.8%で最も多かった。』 (上記サイトより引用)
とあります。内閣府が行った意識調査結果についての記事です。
上記記事では、
・ 「仕事優先」を望むのは回答者のわずか1.6%
・ 実際は45.6%が仕事優先の生活を送っていた
という結果を踏まえて、『理想からはほど遠い現実の生活実態』とまとめて
います。
※ ちなみに内閣府のまとめでは『理想と現実のギャップは大きい』という
もう少しソフトな表現になっています(意味するところは同じですが)。
でも・・・、
できれば(他の条件が何も変わらなければ)、仕事時間を減らしたいと思う
人が多いのは当たり前のことです。
たとえば、「短時間で同じ収入が得られるに越したことはないですよね?」と
聞けば、多くの人がイエスと答えるわけで・・・、それと似たことを聞いている
だけのようにも思えます。
これを、「理想とはほど遠い現実」「理想と現実のギャップが大きい」という
のが適切か、私は疑問に思います。
同じ調査をするのなら、もっと核心を突いた質問、つまり、
今よりも収入が減るとしても、労働時間を減らしたいですか?
というところを聞いた方が、興味深い結果が得られたと思うのですが・・・。
そういう意味で、上記の調査はもったいないと思います。
■ ワーク・ライフ・バランスの議論に欠けがちな観点
これと同様に、内閣府のワーク・ライフ・バランスに関する調査や提言などに
今ひとつ「切れが足りない」と感じることが多いです。
それは恐らく、ワーク・ライフ・バランスに関する議論で本来重要なはずの
「ある論点」を意識的に外しているからではないか?という気がしてきました。
その「ある論点」とは、
GDP成長と引き替えにしても、
ワーク・ライフ・バランスを向上させるか否か?
という論点です。これを個人レベルに置き換えると、先の
今よりも収入が減るとしても、労働時間を減らしたいですか?
になるわけです。
上記の調査は、この核心をあえて外しているために、結果として骨抜きの
議論しかできないような気がします。
■ ワーク・ライフ・バランス改善の2つのシナリオ
労働時間を短縮させて、ワーク・ライフ・バランスを改善するというシナリオ
には、それによって労働生産性が上がり、GDPも成長するという理想形の
シナリオもありますが、そうはならない可能性もあります。
理想のシナリオでは
時間当たりの生産性が(労働時間の減少分を補う以上に)高まる
→ ワーク・ライフ・バランス改善とGDP成長が両立する
となるわけです。
しかし、そうはならずに、
時間当たりの生産性はある程度高まる(あるいは変わらない)
しかし、それは労働時間の減少分を補うほどにはならない
→ ワーク・ライフ・バランスは改善するがGDP成長は低下する
となる可能性もあるわけです。
後者のシナリオに沿うと考えた場合、
ワーク・ライフ・バランスとGDPのどちらを優先するのか?
という質問が生まれてきます。そこでどちらを取るか、人や組織による意見の
違いが明確になってくるはずです。
そういう議論をもっとした方がいいと思うのですが・・・。
先の「理想とはほど遠い現実」「理想と現実のギャップが大きい」という
言い方も、どちらを「理想」と考えるかという前提が無いので、あまり
実のなる議論を生まないわけです。
それより、あなたの理想は「短時間で低収入」「長時間で高収入」のどちら?
という調査をすべきではないか?(その方が議論のネタとして有意義)だと
思います。
というわけで、「理想とはほど遠い現実」という文面を見て、暗い気持ちに
なる必要はないと思います。(・・・これは一種の印象操作ですよ。本当に)
あまり批判ばかりしても仕方ないので、これくらいにして・・・
先の2つのシナリオについては、もう少し考えてみる余地がありますので、
その話は明日にでも。
今日の記事作成時間は54分でした。
(長くなるので、書いた一部は明日に回しました)
では、また明日!
Posted by 水口和彦 at 22:17│Comments(4)│TrackBack(0)
時間管理術研究所の無料メールマガジンで
モチベーションアップしてみませんか?
バックナンバーはこちら
Copyright (c) 2005-2007 BizARK Inc. All rights reserved.
http://trackback.blogsys.jp/livedoor/k_minakuchi/51945171
この記事へのコメント
直球ど真ん中のストライク!
ですね。(笑)
ですね。(笑)
Posted by makoto at 2009年06月06日 01:33
水口です。
makotoさん、ありがとうございます。
こういう直球の議論も必要だと思うんですけどね・・・
特にメディアの上では、なかなか出てこないものです。
特にワーク・ライフ・バランス関係は、政府や企業団体は
いろいろ思惑もありますし、「変に刺激しちゃいかん」とも
考えてるでしょうし。
それで本質的な議論を避けているように見えます。それが歯痒い・・・。
makotoさん、ありがとうございます。
こういう直球の議論も必要だと思うんですけどね・・・
特にメディアの上では、なかなか出てこないものです。
特にワーク・ライフ・バランス関係は、政府や企業団体は
いろいろ思惑もありますし、「変に刺激しちゃいかん」とも
考えてるでしょうし。
それで本質的な議論を避けているように見えます。それが歯痒い・・・。
Posted by 水口和彦 at 2009年06月09日 19:28
レスコメントありがとうございます。
私もたまに直球でど真ん中に投げてしまうことがあるんです(水口さんのような大局的な話ではなく、
ほんの些細な日々の仕事上の話の中のことです)が、
気心が知れた友人からは、よく
「あんまりど真ん中に投げると打ち返されるリスクもあるし、
あんまり正直にものを言いすぎると、
懐が狭い(キャパが小さい)相手は怒り出してしまうよ。」
とたしなめられます。(笑)
私もたまに直球でど真ん中に投げてしまうことがあるんです(水口さんのような大局的な話ではなく、
ほんの些細な日々の仕事上の話の中のことです)が、
気心が知れた友人からは、よく
「あんまりど真ん中に投げると打ち返されるリスクもあるし、
あんまり正直にものを言いすぎると、
懐が狭い(キャパが小さい)相手は怒り出してしまうよ。」
とたしなめられます。(笑)
Posted by makoto at 2009年06月11日 20:53
水口です。
makotoさん、こんにちは(お返事遅くなってすみません・・・)。
ど真ん中に投げてしまう・・・いや、私もささいなことでもありますよ(汗)
でも、組織の中にはそういう「ど真ん中」に投げてしまう人が一定数必要です・・・
私はそう考えるようにしています。
みんながみんな避けていては、話が前に進まないこともありますし、
その役を引き受けるmakotoさんは組織の中で貴重な存在なのかもしれませんよ。
makotoさん、こんにちは(お返事遅くなってすみません・・・)。
ど真ん中に投げてしまう・・・いや、私もささいなことでもありますよ(汗)
でも、組織の中にはそういう「ど真ん中」に投げてしまう人が一定数必要です・・・
私はそう考えるようにしています。
みんながみんな避けていては、話が前に進まないこともありますし、
その役を引き受けるmakotoさんは組織の中で貴重な存在なのかもしれませんよ。
Posted by 水口和彦 at 2009年06月17日 10:54
※ スパムコメント対策として、半角の「!」は使用不可の設定にしています。
申し訳ありませんが「!」は、全角文字を使用していただけますよう、
お願いいたします。




(参照リンクの無いトラックバックは受け付けておりません)