2009年05月28日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

「ワーク・ライフ・バランス改善」と「生産性向上」は両立するか?


こんにちは。水口です。
今日は昨日の話の続きです。


■ ワーク・ライフ・バランス改善の2つのシナリオ

昨日の話(の後半)で、

「労働時間を短縮させて、ワーク・ライフ・バランスを改善する」というシナリオ
には、それによって労働生産性が上がり、GDPも成長する、という理想形の
シナリオもあるが、そうならない可能性もある。

と言いました。先の2つのシナリオが考えられるわけです。

前者が

  時間当たりの生産性が(労働時間の減少分を補う以上に)高まる

  → ワーク・ライフ・バランス改善とGDP成長が両立する

後者が

  時間当たりの生産性はある程度高まる(あるいは変わらない)
  しかし、それは労働時間の減少分を補うほどにはならない

  → ワーク・ライフ・バランスは改善するがGDP成長は低下する

というシナリオです。


■ ワーク・ライフ・バランスと生産性は両立するのか?

実際のところ、どうなるのか予想してみると・・・。

たとえば、個人レベルで言えば、時間管理や仕事の効率化を行うことで、
「労働時間の減少」と「仕事の成果を出すこと」の両立は充分可能だと
感じています。

私自身、「工夫すると仕事の効率は上がる」という経験をしてきましたし、
私以外にも、時間管理によって仕事に支障を出さずに残業を大幅に減ら
せた方もいます。


ただし、それは(時間管理などを前提に)工夫したり、頭を使ったりすること
によって得られるものです。組織全体が、そして組織内の個人が何の工夫
も努力も無しに労働時間を短縮しても、時間当たりの生産性がそこまで
上がるとは思えません。

しかし・・・、次のような可能性はあります。

・ 法的に(そして実際の是正指導も含めて)、長時間労働に対する
  締め付けが厳しくなる
                 ↓
・ その制約の中で業績を上げるべく、各企業が努力する
  (努力せざるを得ない)
                 ↓
・ その結果、労働生産性は向上する(GDP成長も低下しない)

一種の「荒療治」的なものですが、「お尻に火がついて」取り組みを始め
ると、思い切って「ムダな仕事」を減らしやすい効果はあると思います。


ですから、私はワーク・ライフ・バランスや労働時間に関して、政府が干渉
すること自体を否定するわけではありません。また、労働時間削減のため
に企業のトップが思い切った施策を取る(たとえば「残業禁止」とか)ことも
割と肯定的に見ています。それくらいしないと、なかなか変わらないことも
多いからです。


■ 「為せば成る」?

これは「コストダウン」の話とも似ています。

製品のコストダウンについて、よく言われる話があります。

たとえば、「製造コストを10パーセント下げる」という目標を掲げると、
コストダウンのための取り組みは、現状の延長線上で考えがちです。

しかし、「製造コストを半減する」ことがどうしても必要になってくると、
現状とはまったく違う手法、思い切った改善に取り組むことができ、
結果として、「半減」という目標が達成できてしまうと言われること
があります。


つまり、「どうしてもやらざるを得ない」となると、いろいろ知恵も出てくる
ということです。労働時間削減もこれと似たところがあります。

「どうしてもこの時間内で何とかしなければ」と思うからこそ、いろいろ知恵
が出てきたり、あるいはムダな仕事を思い切ってカットできたりします。
(逆に、「まあ、残業すればいいか・・・」と思うと、残業は長くなりがちです)

そういう意味で、「まず、労働時間を削減すると決めてしまう」というアプ
ローチは、意外に有効だと考えます。



現在は、それとは違う理由での「残業カット」が行われている状況ですが、
この期に「組織の生産性向上」について考え、対策してみるのもいいかも
しれませんね。



今日の記事作成時間は39分でした。

では、また明日!


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Posted by 水口和彦 at 23:55│Comments(0)TrackBack(0)

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