2009年07月08日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

「ノルマなし・内部留保なし・管理職なし」という常識破りの会社(Part2)


こんにちは。水口です。

先月、カンブリア宮殿という番組で放送された、「メガネ21」という
会社のことを、少し紹介しました。

(↓こちらの記事です)
「ノルマなし・内部留保なし・管理職なし」という常識破りの会社がある!?

その番組の後編を見た後、もう一度ブログに書こうと思っていました。
遅くなってしまいましたが、今日はその話です。


■ 社内でのネットの活用について

前回は、業績連動制の賞与や内部留保無しの仕組みについての話でしたが、
同番組の後編では、社内制度や人事関係のことが紹介されていました。
これが、興味深かったので紹介します。結構考えさせられる話です。


まず、社内でのネットの活用についての話です。

同社では、社内業務(本部と各店舗の連絡含めて)のために、ネットを活用して
います。ネットを使うこと自体は今では珍しくないのですが、同社の取り組みは
やはり、一味違っていて、面白いと思いました。

番組では、3つの用途にネットを活用していることが紹介されていました。


■ 仕事の相談はネットで

まず1つは、仕事の相談を社内ネットで行うというものです。

たとえば、仕事のやり方(「こういう場合どうしたらいいでしょう?」という相談)
や、社内の備品等などで探しものをする場合など、社内ネットの掲示板に書き
こんで、相談するという仕組みが活用されています。

番組で見る限りは、実際にうまく機能しているように見えました。
これは、ちょっと意外なことです。

・・・というのは、そういうシステムを導入しても、実際あまり活用されないケース
の方が多いのではないでしょうか?


普通は・・・、

  経験の浅い社員の方が、仕事の進め方などの質問をしても、
  いわゆる「仕事ができる人」がそれに回答してくれることはない。

  「仕事ができる人」のところにには、日頃から仕事が集中しがちなもの。
  掲示板を見たり、書き込んだりしてるくらいなら、自分の仕事をすると
  いう人の方が多い。

となりがちです。

人に聞かれれば答えることよりも、質問を見に行って回答を書き込む方が、
手間もかかるし、面倒に感じます。これがうまく回っているのは大したものです。


その理由の1つは、「成果給」ではなく、業績に連動した給与(賞与)の仕組み
が影響していると思います。

普通の会社は、少し極端に言えば、周りの人のためにアドバイス等してあげて
も、それが自分の給与に反映されることはありません。しかし、業績に連動した
給与(賞与)の場合、周りの人の仕事がうまくいって、会社の業績が上がれば、
それが自分にも返ってくるわけです。

そういうインセンティブ(動機づけ)が働いていると思います。


ただ、実際はそれだけではなく、社員同士のつながり、連帯感のようなものが
強いという理由もあるのかな? という気もします。
(終身雇用であることも、微妙に関係しているかも)

単に、「ネットを活用する」ことが良いのではなく、それが身のあるものとして
活用されるためには、「社風」のようなものが影響してくるわけで・・・
他の会社が形だけマネしても、うまくいかないかもしれません。


■ 社内稟議はネットで

私が特に良いと思ったのが、次の使い方です。
同社では、社内稟議(「起案」と呼ぶ会社もあります)もネットで行われます。

社内稟議をオンライン化している会社はたくさんありますが、そのほとんどは、
従来の紙の書類と同様に、上司→その上司→関係部署→・・・ と、色々な
人の承認があって決済される仕組みになっています。
(紙よりマシとはいえ、やはり時間がかかります)

しかし、同社の社内稟議は違います。

なんと、

  ネットに書き込んで3日間、誰からも異論が出なければ、
  承認と見なされる

という仕組みです。

この仕組みは最高ですね。通常の稟議のように、順番に回していく必要も
ないですし、不用意に止められてしまうこともありません。

※ 稟議がどこで止まっているのか?なぜ止まっているのか?確認するのは、
   手間のかかる(しかも本来無意味な)仕事。無いに越したことありません。


これは逆転の発想・・・という感じで感心しました。

(異論がある場合)3日以内に返事をしなければいけない・・・というのが上司
の負担になると思う方もおられますが、おそらく実際はそうでもないでしょう。

たとえば、ハンコが5つ6つ並ぶような稟議の場合、仮にひとりひとりが1日
以内に次に回したとしても5〜6日かかる計算です。(だから遅くなるんです)

上記の仕組みだと、全員が3日間の猶予期間があるわけで、こちらの方が
「承認する側の負担」もずっと少ないです。
(また、これは社外からもアクセスできるようです)

しかも、稟議が早いし、所要期間も読みやすいと良いことづくめです。
これは非常に面白いやり方だと思います。


■ 人事考課もネットで公開

さらに、同社では人事考課(の結果)も、社内ネットで公開しているそうです。
しかも、これも(誰でも)異論反論を言ってもいいそうです。


創業者の平本さんは

  厳密で絶対的に正しい人事考課というものは、実際にはあり得ない。
  それなら、結果を公開し、反論の機会も設けることと合わせて、シンプル
  な人事考課を行った方が良い。

という意味のことを述べられていました。


いくら時間と手間とお金をかけても、完璧な人事考課はあり得ない。しかも、
結果が公開されてないから「自分はどう評価されているのか?」と疑心暗鬼
になりがち (自分の結果を聞いても、他の人と比較できなければ同じこと)。
                  ↓
それなら、手間をかけずに(ある意味いい加減に)評価する代わりに、公開
して反論も言えるようにした方が現実的。

そんな考え方です。


これも、形だけやったとしても、実際に異論を言いにくければ意味がないわけ
で、普段の言いやすい関係、社員と会社の信頼関係のようなものが大事だと
思います。形だけ真似してもうまくいかないように思います。

(また、同社の場合、人事考課による給与(賞与)の変動幅よりも、業績による
 変動幅の方がずっと大きいわけですから、人事考課の結果に対する不満は
 それほどないかもしれませんね)





この3つのネットの活用例、これらは3つが3つとも、形だけ真似して導入した
としても、普通の会社だと、かなり高い確率で失敗すると思います。
それなのに、同社ではうまく行っているところが面白いです。

(他にも様々な(非常識な)要素がからみあっていて成立している経営であり、
 部分的に導入してもうまくいかない気がします)


この経営手法は、「非上場」という、少し限定された領域でしかできませんが、
「終身雇用」と「超合理的な経営」を両立させた例だと思います。

上場企業にお勤めの方も、「うちとは違う」と思うだけではなく、何か吸収できる
ものがないか、ちょっと考えてみてはいかがでしょうか。



ちなみに、「メガネ21」のHPはこちら↓です (すごいタイトルつけてますね)

人事破壊を実践した21世紀の会社(株)21 メガネ21

(Q&Aページもあります↓)
http://www8.two-one.co.jp/megane/qa.nsf/




今日の記事作成時間は60分でした。
では、また明日!


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Posted by 水口和彦 at 23:55│Comments(0)TrackBack(0)

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