2009年07月14日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

(時間の観点による)正しいコスト削減・間違ったコスト削減


こんにちは。水口です。
今日は、いまとても重要かもしれない「コスト削減」に関連して。


■ 企業のいろいろなコスト削減術

「コスト削減」について、こんな記事がありました。

当世風出世術!? コストカットは楽しむべし
(プレジデント) - Yahoo!ニュース


有名企業の様々なコスト削減が紹介されています。

 (『』内は引用です)
 
『 そこまでやるのか……。昨秋の新聞記事に驚いた人もいたのではないか。
「(パナソニックの)家電部門の本社機能がある滋賀・草津と事業所のある神
戸を移動する際はJRの若者向け格安切符『青春18きっぷ』を利用」(読売新
聞2008年9月28日付)
 往復で約1000円節約。こんな妙案、経路情報検索ソフトにも思いつかない。』

                                 (上記サイトより引用)

そういえば、「青春18きっぷ」は学生のときに利用したことがあります。その日
の間は、どこまで行っても2000円(1枚当たり・当時)だったと思います。

※ ちなみに、使用する人の年齢制限はありません。
   現在は11500円(5枚綴り)だそうです。
   (一人で使っても、複数人で分けてもOKです)

草津−神戸間でしたら快速で行くのが最も速いようですので、日帰り出張に
これは合理的ですね。さすがです。


■ 時間の観点で「コスト削減」を考える

「ちまちましたコスト削減なんて嫌だ」 と思う方もおられるかもしれませんが、
企業活動を行う上でコスト削減することは当然のこと。本来なら不況であろう
となかろうと行うべきことです。

しかし、コスト削減にも引いておくべき一線はあります。

たとえば、上記の例は合理的なコスト削減の例ですが、同じ「青春18きっぷ」
を使って、東京から大阪出張に行くとなるとやり過ぎですよね。コスト削減では
「削減できたコスト」だけでなく、そのために費やした「従業員の時間」を考えに
入れる必要があります。


たとえば、何かを購入する場合には「アイミツ(合い見積り)」を取り、最も安い
業者に発注するのは、多くの会社で行われていることです。

ただ、発注者の立場で言えば、過去に発注したことがあり、勝手が分かって
いる業者に発注する方が、手間がかからなくていいですよね。もし、どの業者も
ほとんど価格が変わらないのであれば、何社も見積りを取る手間をかける方が
ムダなことかもしれません。

「コスト削減のために、どれだけ手間をかけるのか?」というバランスが重要に
なるわけです。


このバランスを考えるためには、単純に時給計算するのが理にかなっています。

  コスト削減額 > そのために費やした時間×時給 → 黒字 (OK)
  コスト削減額 < そのために費やした時間×時給 → 赤字 (NG)

※ ここでいう「時給」は、給与を時給換算したものではなく、
   会社が払っているお金を基に考えるべきです。
   (これは単純な給与の時給換算の数割増になります)

この式で赤字になるコスト削減はしちゃいかんということです。

また、黒字なら何でもOKというわけでもありません。コスト削減のために時間
を取られ、本来やるべき業務に支障をきたすようなら問題ですよね。


たとえば、500円のコスト削減、しかも一度きりのコスト削減のために、時給が
3000円の従業員が1時間以上時間を費やすのは、計算上は大赤字です。

逆に、同じ500円のコスト削減でも、一度やれば何度も恩恵を受けられるもの
であれば、時間を費やす価値があるかもしれません。


■ 非合理な「コスト削減」はすべきでない・・・はずなのに

こういう考え方を分かっている人は多いはずですが・・・、時として、企業は
珍妙なコスト削減令を出すこともあるものです。

たとえば、「短い鉛筆を(無理して)使え」的なものがそうです。鉛筆のコストは
1本50円程度。この値段から逆に時給換算すれば「1分」程度の時間にしか
なりません。

鉛筆1本が「1分」なら、「短い鉛筆を使う」のは十数秒程度に相当します。
その節約のために書類が書きにくいのを我慢するのは、決して合理的では
ありません。

※ 「1円もムダにしない」という意識を高めるという意味合いや、
   「エコ」的な意味合いのためにやるというのであれば、ちょっと
   違ってきますが・・・、それは別次元の話です。


なぜ、そんな珍妙なコスト削減をしてしまうのか・・・? その理由は、お金の
出方の違いにあります。

人件費は(残業代と賞与以外は)業務内容や取引高とは関係なく、毎月同じ
額が出ていきます。一方、消耗品等の経費は、使ったら使っただけ出ていく
ものです。

ですから、「出ていく経費」は見えやすいものですが、「経費を節減するために
要した人件費」は見えにくいものです。だから、時給換算で赤字にしてまで
経費を節減しよう・・・なんて考えてしまうわけです。

こういうやり方は社員を疲弊させますし、良いことは一つもありません。
(仕事がなくてヒマな社員がたくさんいるなら話は別ですが)



また、特に要注意なのは、現在不況で仕事量が少ないからといって、
「仕事の効率を下げるコスト削減」を行い、実際にコストを削減できたことに
気をよくして、好況になってもそのまま(コスト削減体制のまま)仕事をさせる
ことです。

一時的に仕事のやり方を不便にするのは仕方ない場合もありますが、仕事
量が戻ったのにそれを続けさせるのは、(その内容によっては)問題です。



これらを踏まえて、コスト削減はこう考えるといいのではないでしょうか?


  コスト削減のために「頭を使う」のはOK。
  コスト削減のために「時間を使う」のは要注意。

  そのために費やした時間×時給よりもコスト削減額が大きいこと


  (その上で)本来の業務に支障をきたすようなコスト削減はNG


私は基本的に「頭を使ったコスト削減」「楽しいコスト削減」は大賛成です。
そういうコスト削減をしていきたいものですね。




今日の記事作成時間は52分でした。
では、また明日!


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Posted by 水口和彦 at 23:30│Comments(2)TrackBack(0)

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この記事へのコメント
自分がお金を「使う側」に立って、その手のことを考えることもよくあると思います。たとえばこんな時…

「ある日、ディスカウントのA店の折込チラシが入った。いつも買い物しているスーパーB店より、だいたい1〜2割は安値をつけているようだ。B店は車で10分くらいの距離。A店は車で30分くらいの距離。さて、どちらのお店で買い物しようか…」

日常生活でこんな場面があらわれた時、A、Bそれぞれで同じ買い物をした時の金額差に、ガソリンや時間をお金に換算したコストの差を考慮して行く店を決断する…人はほぼいないと思います。
なぜなら、これを「正しく」判断するのに上述の問題文から得られる情報では全く不足していますし、その不足分を埋め合わせ、「正しい」判断へ辿り着こうとする時間もまた「コスト」と感じるからです。

仕事をしている時間帯でも、仕事をしていない時間帯でも、我々はしばしばこのように、不十分であいまいな情報を元に、なおかつ十分な時間もないままでいろんな判断をしていますし、大抵はそうならざるを得ません。
「短い鉛筆を無理して使う」というコスト削減「運動」をする一方で、もっと根の深い重大なコスト面の課題が、根が深い事を理由に放置されるなどの現象は、こうして出てくるんだと思います。

お金と時間の関係についての問題は奥が深くて、いろいろ考えるのは面白いですね。
Posted by ☆shinchan☆ at 2009年07月15日 01:26
水口です。
shinchanさん、ありがとうございます。

確かにそうですね。日常でもありますね。

時間とお金の関係は似ているところもあり、その反面まるっきり違うところもあり、
(時間はお金と違って「貯められない」ところです)
いろいろ考えてみると面白いと私も思っています。

ちょっと思いついたことがあるので、また記事中で書いてみたいと思います。
Posted by 水口和彦 at 2009年07月15日 23:59
 

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