(モチベーションの観点で)昔の「上司」よりも現在の「上司」が大変な2つの背景
こんにちは。水口です。
今日は昨日に続いて「モチベーション」の話です。
■ 昔の「上司」よりも、現在の「上司」が大変な2つの背景
昨日の話は、「簡単にモチベーションを上げる秘策」は無いという話でしたが、
逆に言えば、「モチベーションを下げない」ための努力は必要なわけです。
ですから、上司の立場で部下のモチベーションのことまで考えなきゃいけない
となるとなかなか大変。そこまで考えてられない・・・という人もいるかもしれ
ません。
また、そもそも・・・
なぜ、そんなに「モチベーション」の必要性を感じている人が増えたのか?
昔は「モチベーション」なんて、こんなに話題に上らなかったのに・・・。
という疑問を持つ方もおられるかもしれません。
その理由、背景について、書かれている記事がありました。
マネジャーの必須科目 「傾聴力」と「個性対応力」
- PRESIDENT - プレジデント
この記事では、過去15年間の変化として、
深層レベルの多様化・個性化
組織と職場の脱コミュニティ化
という2つの事象が上げられています。なるほどと思わせられるところもあり
ましたので、紹介します。
「深層レベルの多様化・個性化」「組織と職場の脱コミュニティ化」と言われる
と、ちょっと分かりにくいです(上記の記事内では詳しく説明されていないので)。
そこで、1つずつ考えてみます。
――――――――――――――――――――――――――――――――
「深層レベルの多様化・個性化」というのは、別の言い方をすれば、価値観が
多様化しているということでいいと思います。「価値観の多様化」というのも、
抽象的で、しかも手垢のついた言葉ですからピンとこないかもしれません。
たとえば、高度経済成長期の頃は、「より豊かな生活」を得ることや、
「会社のなかで偉くなる」ことへの関心が、今よりもずっと高い時代でした。
一方、現在は、(昔と比べると)みんな豊かな生活をしていますし、「働いて
お金を貯めて買いたいもの」も減ってきています(たとえば、マイカー志向や
持ち家志向は昔と比べて薄れています)。
出世に関心を示さない人も増えてきました。会社の中でのポストよりも、自分
自身の能力向上に関心を示す人が増えている印象です。また、給与のいい
仕事よりもやりたい仕事を選びたいという人も増えつつあります。
ざっくり言うと、昔よりも個人志向の人が増えているわけです。
こういう傾向(ここでいう「多様化・個性化」)は確かにあると感じますね。
――――――――――――――――――――――――――――――――
「組織と職場の脱コミュニティ化」というのは、会社の中での人のつながりや
一種の家族的な雰囲気といったものが無くなってきたことです。
これは、終身雇用が薄れつつあったり、人の入れ替わりが増えたこと、また、
仕事のやり方が変わってきたことなどが影響しています。また、会社の飲み会
や行事なども昔と比べて減ったところがほとんどです。
「そういうのは淋しい」という人もいれば、「ドライな方がいい」という人もいると
思いますが、どちらがいい悪いという話は置いておいて・・・。
そういう変化が確実に進行している結果、「部下が考えていること」を聞く
機会は減っているのは事実でしょう。
――――――――――――――――――――――――――――――――
そして、『深層レベルの多様化・個性化』の方は、
人によって「モチベーションを高める要因」が異なる
という状況を生みます。昔ほど価値観は単純じゃないので、上司が部下の
やる気を高めようと思って言ったことややったことが、相手によっては効果
が無かったりするわけです。
『組織と職場の脱コミュニティ化』の方は、
相手が(上司が・部下が)考えていることが分かりにくい
という状況を生みます。部下が何にやりがいを感じているか、上司が何を
求めているか分かりにくくなっているわけです。
(「メール文化」がそれに拍車をかけているところもあると思います)
そして、そもそも「生活するために働く」という意識も昔よりも希薄ですし、
働くことへのモチベーションは、昔よりも見出しにくくなっています。
こんな状況に対し、上記の記事では、「上司(マネージャー)に心理学が必要
になってきた」とまとめられています。これには「?」と思うところもあります。※
ただ、ことコミュニケーションの面においては、昔の「上司」よりも現在の「上司」
の方がずっと大変だというのは、その通りだと思います。
※ 「マネージャーに心理学が必要」という方向性自体は賛成ですが、
個人的には「中途半端に心理学を理解したつもりになる」ことは
あまり良くないんじゃないかと感じています。
というのは、一般的なイメージとして、心理学は「相手を思い通り
に動かす」ために使うものと捕えられがちです。本屋さんのビジネス
書のコーナーには「相手を思い通り動かすための心理学」的な本も
色々あります。「マネージャーに心理学が必要」と言ってしまうと、
そういう小手先の「心理学もどき」を想像する人の方が多いのでは
ないでしょうか・・・?
私も心理学の本はかなり読んでいる方ですが、知れば知るほど、
「心理学を使って、人を思い通り動かそう」なんてことはすべきじゃ
ないと感じます。相手を理解するために使うのはいいが、相手を
操作するために使うべきではないということです。そういう前提
無しに心理学を学んでも、かえって逆効果な気がします。
「相手を思い通り動かすための心理学」的な本を読んで、「部下を
思い通り動かしてやろう」なんて考える上司がいたら・・・かなり
寒いなあ・・・と思いませんか?
上記記事ではもうひとつ、(心理学と関連して)「傾聴」の重要性が説かれて
います。これは確かに大事なことだと思いますが、難しいものでもあります。
この話は、また別の機会にでも。
今日の記事作成時間は62分でした。
では、また明日!
Posted by 水口和彦 at 23:55│Comments(0)│TrackBack(0)
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