2009年08月10日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

派遣の人が申し出た苦情の内容は?: 厚労省の調査結果


こんにちは。水口です。
ちょっと気になる記事がありました。


■ 派遣の人が申し出た苦情の内容は?

本当かなあ・・・? と疑問に思いつつ気になるのがこの記事↓・・・。

「派遣社員へのセクハラ」大企業ほど多い?: トピックス :
J-CAST会社ウォッチ


 (『』内は引用です)
 
『 厚生労働省は2009年8月5日、派遣労働者の実態調査結果を発表した。
これによると、事業所の規模が大きいほど、セクハラに関する苦情の申し出を
受けた事業所の割合が高くなっているようだ。

 調査は、2008年10月時点の状況について、13000人超の派遣労働者
(有効回答率61.1%)と約16000カ所の事業所(同72.2%)を対象に実施
した。

 調査結果によると、派遣労働者から苦情の申し出を受けた派遣先事業所
の割合は3.8%。事業所の規模別に見ると、従業員100〜299人の事業所
では11.7%、300〜999人の事業所では15.5%、1000人以上の事業所
では26.4%に上っており、規模の大きな企業ほど苦情の申し出を受けた割合
が高くなっている。

 具体的な苦情の内容は、苦情の申し出を受けた事業所を100とすると、
全体では「人間関係・いじめ」が39.5ポイントで最も多く、次いで「業務内容」
が32.0ポイント、「就業日・就業時間・休憩時間・時間外労働・休暇」が27.0
ポイントとなった。

 事業所の規模別に見ると、1000人以上の事業所では「セクシャルハラスメ
ント」に関する苦情が寄せられた企業が29.9ポイントに上っている。全体では
6.3ポイントであり、大規模事業所でセクハラが訴えられる割合が突出して
高い。』
                          (上記サイトより引用)


派遣で働く人が、(事業所側に)上げた苦情についての調査です。


「就業日・就業時間・休憩時間・時間外労働・休暇」という項目は3番目、
苦情があった事業所の中で、27.0%にあった(複数回答で)という数字です。

一般的に、派遣の場合は正社員と違ってサービス残業はあまりありません。
それでも就業日や時間の労働条件についての苦情が結構多いですね。
「この日は休まないで」と出勤を強制されるとか、「残業を拒否できない」と
いった苦情が多いのでしょうか?


■ 「派遣社員へのセクハラ」は大企業ほど多い?

上記記事のタイトルにもある「派遣社員へのセクハラ」が大企業ほど多いという
話、詳しい数字はこちらのpdfにあります。

http://www.mhlw.go.jp/za/0806/d10/d10.pdf


これは、苦情の絶対数が多いという話ではなく、受けた苦情の中での比率が
多いという話です。
(ですから「大企業は派遣社員も多いから苦情も多い」ということではない)


苦情の申し出を受けた事業所数を100とすると、セクハラは

1000人以上の事業所 : 29.9
300〜999人      : 11.9
100〜299人      :  7.2
30 〜99人       :  6.8

という数字になっています(上記pdfより引用:13ページ)
これは、かなりはっきりとした傾向が現れています。


一般的に、「セクシャルハラスメント研修」などが行われるのは、大企業の方が
多いです。だから大企業の方がセクハラの苦情は少ないと思ったのですが、
全く逆です。

あまりにはっきり傾向が出ているのが気になるところです。


【まず、前提として・・・】

この数字を見る際に気をつけなければいけないのは、この数字は事業所側が
「こういう苦情があった」と自己申告している数字だという点です。

その回答方法は、各事業所ごとに苦情の比率を集計したわけではなく、
事業所ごとに各項目が「有り/無し」を聞いています(複数回答で)。

となると、派遣社員の人数も多い(と思われる)大企業では、少数意見が拡大
される傾向があります。

  例: 仮に、100人中1人がセクハラを訴えているとすると、
     派遣社員数30人だと(ほぼ)3割の確率で「セクハラ苦情有り」
     派遣社員数10人だと(ほぼ)1割となります。


【ただし・・・】

それなら、他の少数項目も同様に「大企業ほど多い」傾向を示しても良さそう
ですが、そうはなっていないところが気になります。

本当に「大企業の方がセクハラが多い」ということなのかもしれません・・・。

※ ただし、セクハラの数字が少ないのは「セクハラがない」のか、「そもそも
   セクハラの苦情は、苦情として受け付けていない」のかは分かりませんが。


【不可解な結果?】

ちなみに、上記pdfには派遣労働者への調査結果も載っています。
(苦情については22ページ)

こちらは、事業所の規模別集計はありませんから、上記の大企業うんぬんの
話の検証はできません。ただ、セクハラの苦情を申し出たことのある人は、
女性の集計で1.5%。上記の数字よりもだいぶ小さいです。
(他の項目と比較して、セクハラは差が大きいです)



・・・と、なんだかしっくりこない結果になっています。

集計方法(調査方法)を変えないと、これ以上、本当のところは分からないの
ですが、ちょっと気になる結果ではあります。
(特に大企業の人事の方など)、見ておいた方が良いかもしれません。



今日の記事作成時間は44分でした。
では、また明日!


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Posted by 水口和彦 at 23:55│Comments(0)TrackBack(0)

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