2009年08月16日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

「組織にいなければできない仕事」もある という話


こんにちは。水口です。
今日は、起業や独立とか、資格取得とか、そんなことについて・・・。


■ 組織にいないとできない仕事

こんなニュースがありました。

田中真紀子氏「組織にいなければ」(産経新聞) - Yahoo!ニュース

田中真紀子氏が民主党に入ったというニュースはお聞きの方も多いでしょう。
同記事には、

 (『』内は引用です)
 
『真紀子氏は記者会見で「小人数では有権者に約束したことを実現できない。
(衆院選後は)確実に2大政党になるので組織にいなければならない」と入党
理由を説明。』
                      (上記サイトより引用)

とあります。

この理由には釈然としないところもありますし、「単に権力に近いところに身を
置こうとしてるだけじゃないの?」 等々、突っ込みどころはいろいろありますが、
そういう話はちょっと置いておいて・・・

「組織にいなければできない」仕事っていうのは、確かにありますね。

※ 田中真紀子氏の行動を正当化するわけではありません。あくまでも
   文字通りの意味としてです。

そういう仕事って、最近ちょっと軽視されぎみじゃないでしょうか?



現在は昔と違って、「いい会社に就職すれば、あとは安泰」という時代では
なくなりつつあります。それもあって、起業するとか、資格を取って独立する
などの生き方を勧める人が増えました(特にビジネス書の世界では)。

それはそれで時流に合っているともいえますが、「独立する方が格好いい」
的な風潮にまでなると、違うような気がします。なんだかイメージ的に踊ら
されているような気がします。


私も独立したわけですから、なんだか矛盾しているようですが・・・、私自身は
独立する方が格好いいとも、偉いとも思っていませんし、組織の中でがんばる
ことも立派だと思います。(だから、誰にでも独立を勧めたりしません)

もちろん、独立してやっていける方が経済的にいい面もありますし、「この会社を
リストラされたら終わりだ・・・」と思いながら勤めるよりも、「いざとなったら自分
の力で稼いでやる」というたくましさはあった方がいいと思います。そのための
「実力を磨く」という意識もほしいところです。

そういう意味での「独立心」はあった方がいいのですが、独立心を持つことと、
「独立した方が格好いい」というイメージや、組織に長く勤める人をバカにした
視点を持つことは、全く違います。
(「組織にぶら下がる人」は私も嫌ですが、それはまた別の話です)


そもそも、組織には組織の仕事、「組織にいなければできない仕事」があります。

たとえば、私が以前いた「自動車」関連で言えば、「自動車の開発をしたい」
「良い自動車を作りたい」と思う人が、独立して自動車を作るというのは、ほぼ
不可能です。その思いを叶えるには、自動車メーカーに就職するべきでしょう。

他の仕事でも同じです。特に、スケールの大きな仕事を行うためには、組織に
属する必要があります。

たとえば、私の場合、たった一つの部品ではありますが、自分が開発した材料
が自動車メーカーに採用され、国内だけでなく、北米をはじめ世界各地に出荷
されています(累計では一千万台以上になるはずです)。自分が手がけたものが
それだけ多くの人に届くという仕事は、組織にいなければなかなかできません。

また、スケールだけではなく、やりたい仕事が組織の中にある場合は、組織で
働くのは当然のこと。たとえば「ホテルマン」の仕事を極めたい人が、自分で
ホテルを作る・・・なんて現実的ではありません。ホテルに就職することを目指す
でしょう。

別に「これがやりたい」と思って就職したのではなくても、やっているうちにその
仕事に喜びを感じるのであれば同じです。組織にいることを卑下する必要なん
て、全く無いと思うのですが・・・。


■ いろいろな人が「独立」を勧める理由

もちろん、私もしているくらいですから「独立するな」と言うつもりはありません
し、「これがやりたい」という強い思いがある人は独立するのもおすすめです。

ただ、むやみに独立をすすめたり、「独立しないとダメ」と言わんばかりにあおる
のはどうかと思います。そうやってあおられたせいで、「独立すること」それ自体
が目的になってしまっている独立志望者が増えているような気がするのですが、
これは気のせいでしょうか?


そもそも、「独立」には(能力よりも)性格的な向き不向きもありますし、独立する
より組織の中の方が力を発揮できる人も多いと思います。そんなことは両方の
経験を持つ人なら、たいてい分かっているはずです。

それなのに、なぜ独立することを勧める人が多いのか? というと・・・。


それにいろいろ理由をつける人もいますが、潜在的に大きな理由は、独立志望
者が多い方が、そういう人達にとって(商売的に)都合がいいからです。
身もフタもない言い方ですが・・・そういう面は確実にあると思います。

「独立したい」という人は、基本的に勉強熱心ですし、本や教材、セミナーなど
にお金を使ってくれます(本もたくさんも買うし、単価の高い教材やセミナーも
買ってくれたりします)。また、現在は潜在的な独立志望者も含めれば、すでに
それなりの大きさ(人数)のマーケットが出来ています。

そこに、「格好いい独立」のイメージをちらつかせると効果的ですし、逆に
「独立のリスクやデメリット」はあまり言わない方が都合がいい・・・ということ
になります。実際、独立のリスクやデメリットについて述べられた本は、あまり
見ないですよね。(あってもあまり売れなさそうですね・・・(笑))

そんな、商売上、PR上の理由もあって、本やメディアの上では「独立」は
やや美化されて伝えられているところもある・・・という現実はあると思います。



個人的には、「独立」を美化するのは別に構わないと思います。しかし、組織
で働くことをバカにするような考え方は許せないところがあります。バカにする
とまではいかなくても、サラリーマンよりも独立した人を上に見るような物の
言い方をする人は結構多いて、私はこういうのは嫌いです。

なかには、会社は自分の能力やコネクションを高めるための「踏み台」だと
勘違いしている(ように見える)人もいたりして・・・それは違うんじゃないの?
と思わされることもあります。

※ 結果として、「会社で高めた能力が独立時に活きる」のはいいとして、
   最初からそれ目的はどうなの?という意味です。



話が長くなりましたが・・・、

独立した人とサラリーマンに立場上の優劣はありません。

もちろん、個人個人の差はありますし、独立した方が視野が広がったり、
ビジネスのセンスなど、いろいろな意味で鍛えられることもあります。
しかし、それはあくまでもその人がどれだけの成長機会を持ったかという
ことであって、立場としてどっちが偉いというわけではありません。


  「独立しなければできない仕事」もあり、
  「組織にいなければできない仕事」もある

それだけのことです。どちらをやりたいかという選択の問題ですから、
そこに上下や優劣は無い・・・と私は思うのですが、どう思います?




今日の記事作成時間は50分でした。
では、また明日!


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Posted by 水口和彦 at 23:55│Comments(0)TrackBack(0)

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