2009年08月19日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

「カイゼン(改善)活動」が停滞したときに、思い出すべきこと


こんにちは。水口です。
今日は、いわゆる「カイゼン」についての話です。


■ 「加賀屋」のカイゼン?

こんな記事がありました。

29年連続日本一。「加賀屋」の泣けるサービス
(プレジデント) - Yahoo!ニュース


ビジネス書や雑誌をよく読む方なら、「加賀屋」という名前は聞いたことがある
かもしれません。「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」という賞で29年もの
間、総合第1位を得ている、その筋では大変有名な温泉旅館です。

その加賀屋さんでは、こんなことが行われているそうです。

 (『』内は引用です)
 
『■鍋蓋の片づけ方を白熱して議論する

 その日、能登半島の高級旅館・加賀屋の広間では、20名ほどの客室係に
よる臨時のミーティングが開かれていた。
 部屋に用意されているのは夕食と朝食のお膳。フロアリーダーの若葉さんが、
おしぼりの出し方、椀物の蓋を片づけるタイミング、煎茶の美味しい淹れ方な
ど、望ましいサービスの手本を見せていく。従業員たちはみな真剣な眼差しで
その様子を見つめていた。

 一つのテーマを終えるたびに、若葉さんがこう問いかけるのが印象的だった。
「意見があったら言ってください。みんなでつくり上げていきましょう」
「これはベターであってベストではありません。少しでもいいなと思うことを、み
んなで掘り出していこうと思います」

 するとこれまでの緊張した雰囲気がふっと緩み、ぽつぽつと質問の声があが
り始める。特に議論が白熱したのは、お膳の鍋蓋の処理に話題が及んだとき
だった。椀物の蓋は貝やカニのカラ入れにも使えるので、すぐに下げてはなら
ない。しかし、一回り大きい鍋の蓋はどうか──?
 お膳の周りに全員が集まると、「以前、お茶をお出ししたところ……」「私が
お膳を準備していたとき……」と、現場での体験を彼女たちは胸を張って語る』

                                  (上記サイトより引用)


鍋のフタをいつ下げるか? といった、ちょっとしたことについても、議論して
ベストなやり方を見つけていこうという姿勢・・・すごいですね。

この加賀屋さんは、接客サービスの質が高いことで有名ですが、そのサービス
は、こういった裏の努力があってこそのものなのでしょう。

※ ちなみに加賀屋さんは、決して「人」だけに頼っているだけではなく、配膳
   の自動搬送システムを導入するなど、お金をかけた効率化も行っています。



さて、なぜこの話を紹介したかというと・・・
これが、いわゆる「カイゼン」と似ているな、と思ったからです。


■ 「カイゼン」にまつわる誤解

いわゆる「カイゼン」活動には、作業の「標準化」がつきものです。この標準化を
「マニュアル主義」的なものとして、敬遠や批判をする人もいます。

「マニュアル」というと、「上から押しつけられたもの」というイメージで見られがち。
それがイメージを悪くしているように思います。


しかし、本来は、「標準化」というのは「上から押しつけられた」ものではあり
ません。

※ 押しつけの「カイゼンもどき」みたいなことをしているところもありますが、
   それは本来の姿ではありません。



これをもう少し身近な例で言うと・・・

たとえば、このブログをお読みになるような方は、自分の仕事をしているときに
も、いろいろやり方を工夫してみたりすることがあると思います。

やり方を変えてみて、より「ベター」な方法が見つかれば、それを取り入れる。
そうすることによって、仕事がやりやすくなったり、効率が良くなったりします。
これはデスクワークでも製造現場でも、サービス業でも同じです。

そうやって、各自が工夫することによって、自分なりの「ベスト」なやり方が
できてくるわけです。(皆さんもそういう工夫をいろいろお持ちだと思います)。


「標準化」というのは、そういう工夫を集約するものです。

つまり、「Aさんのベストなやり方」と「Bさんのベスト」「Cさんのベスト」・・・と、
みんなの知恵を集約して、「ベスト・オブ・ベスト」のやり方を作ることが、標準
化の本来の概念です。

もちろん、一度標準化したものも、その後にさらにベターなやり方が出てくれば、
それを取り入れて改良していく。「知恵の積み重ね」という感じですね。
(だから、本来は全員参加で行うものなんです)


そういう「カイゼン」の本来の姿は、上記の「加賀屋」さんのミーティングとよく
似ています。決して「効率一辺倒」でもないし、「労働強化」でもありません。

実際、いい現場では、気づいた人は誰でも提案したり、その提案がちゃんと
取り入れられて改善されていったり、といった良い循環が回っています。


ただ、全部が全部そうとも限らないわけで・・・停滞気味の現場もあります。

おそらく、言い出しにくい雰囲気があったり、良い案を出しても却下されるので
やる気を失ってしまったり、あるいは改善しようという意欲そのものが低かったり
等々、いろいろ理由はあるのだと思いますが・・・。そういう意味では、活動を
うまく継続していくのは、なかなか難しいものだったりします。


そんなふうに、「カイゼン」系の活動をしているのに意気があがらない時には、
上記の記事にあった、

 
  『意見があったら言ってください。みんなでつくり上げていきましょう」

  『これはベターであってベストではありません。少しでもいいなと思う
   ことを、みんなで掘り出していこうと思います』  


という言葉を思い出してみると(言葉をかけてみると)いいかもしれません。
これが「カイゼン」であり、「標準化」の原点にあるものですから。


もちろん、「カイゼン」や「標準化」という言葉とはあまり縁のない、デスク
ワーク系の仕事でも、基本的に同じ考え方は通用します。そこまでやって
いる例は、なかなかないですけどね・・・。



今日の記事作成時間は42分でした。
では、また明日!


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Posted by 水口和彦 at 23:55│Comments(3)TrackBack(0)

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この記事へのコメント
サービス業におけるおもてなしと、
業務の効率ってすごく難しいような気がしています。
顧客のニーズに応えていると、
どんどん時間ばかりが過ぎていってしまうような、、、、、
さて、水口さんはどのようにお考えでしょう?
Posted by makoto at 2009年08月26日 00:23
水口です。
makotoさん、コメントありがとうございます。

顧客のニーズに応えることと、
時間的な効率を高めること

確かに、相反することもありますね。

そこをあえて「こだわる」のも一つのやり方ですし、
時間がかかることを避けてばかりでは、レベルアップしない。
という考え方もあると思います。

私もその考え方に近いのですが、一度経験、学習したことは、次からは短時間で
できるようにする仕組み作り的な取り組みも必要だと思います。

たとえば旅館業で言えば、お客様にていねいに道案内をするのも
1つのサービスですが、道案内しなくても分かるような地図を
用意する。というやり方もあるわけです。

そういう工夫を含めて検討していくのがベストじゃないですかね・・・きっと。


Posted by 水口和彦 at 2009年08月28日 06:00
はじめまして。楠元睦巳と申します。
介護事業コンサルタントです。

介護事業所における、業務改善、標準化にも共通する話題ですね。

よい事例をありがとうございました。
Posted by 楠元睦巳 at 2016年10月30日 14:55
 

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