「ダブルチェック」の有効性と問題点(「ヒヤリ・ハット」について)
こんにちは。水口です。
■ ヒヤリ・ハットが22万件!
こんな記事がありました。
NHKニュース ヒヤリ・ハット 22万件余
(『』内は引用です)
『全国の主な医療機関で働く医師や看護師などが、重大な医療事故につな
がるおそれを感じた、いわゆる「ヒヤリ・ハット」の事例は、去年1年間に22万件
余り起きていたことがわかりました。
医療の「ヒヤリ・ハット」は、医師や看護師、薬剤師などが、一歩まちがえると
重大な医療事故につながるおそれを感じて「ヒヤリ」としたり「ハッ」としたりした
事例のことです。 』
(上記サイトより引用)
とあります。
ちなみに、同じソースでも取り上げ方はメディアによって異なるようで、
こちらは医療事故報告件数を強調しています↓
医療事故報告:08年は過去最多の1440件 死亡は減少
- 毎日jp(毎日新聞)
(『』内は引用です)
『 財団法人・日本医療機能評価機構は25日、国の委託事業で収集している
大学病院などからの医療事故報告件数が、08年は1440件と過去最多だっ
たと発表した。患者の死亡(115件)や重い障害が残る事故(144件)は前年
より1〜2割減っており、同機構は「事故のリスクが増えたのではなく、軽微な事
案も報告する姿勢が定着してきたため」と分析している。(中略)
また事故一歩手前の「ヒヤリ・ハット事例」報告も、前年より約7%増えて過去
最多の22万3981件あった。』
(上記サイトより引用)
「ヒヤリ・ハット」という言葉は聞きなじみの無い方もあると思いますが、製造業
の現場の安全活動などでも使われている言葉です。
この「ヒヤリ・ハット」に関しては、「ハインリッヒの法則」と呼ばれている経験則が
関係しています。それは、ヒヤリ・ハットと重大な事故の発生件数の関係について、
1件の重大な事故
|
29件の軽微な事故
|
300件のヒヤリ・ハット
こういう関係が成り立つというものです。1件の重大な事故の裏には、29件の
軽微な事故があり、その裏には300件のヒヤリ・ハットがあるということです。
では、上記のニュースのように「ヒヤリ・ハットが過去最多」という状況がまずいの
かというとそうとも言えません。「ヒヤリ・ハットが起こっていても報告されない」と
いう状況が最もまずいわけで(←その経験が活かされない)、 報告件数が増え
ることは、むしろ好むべき事態だと思われます。(重大事故は減っていますし)
■ ダブルチェックの有効性
上記のニュース(NHKの動画の方)では、(薬の選択などで)ミスを防ぐために
「ダブルチェック」を行っている例が紹介されています。
(指差し確認や、声に出しての確認も行われています)
「ダブルチェック」、つまり同じものを2人でチェックするというやり方は、確かに
効果的です。
たとえば、取り違えるミスが1000回に1回だったとすると、
(実際はそんなに多くはないですが、分かりやすくするために)
1人で作業してミスする確率は → 0.1%
2人で作業してミスする確率は → 0.0001%(=1ppm)
となります。
仮に、1年に1000回その作業をするとすれば、
1人で作業してミスする確率は → 1年に1回の確率で起こる
2人で作業してミスする確率は → 1000年に1回の確率で起こる
ということになります。これは大きな違いですよね。
一方、2人で作業すると「相手もチェックしてくれているから大丈夫だろう」と、
いう意識も出てしまいがち。こうなるとダブルチェックの効果はありませんし、
場合によっては1人でやるよりまずいことにもなりかねません。
※ 会社でも、書類に押されたハンコの数が多いからといって、その内容が
充分に吟味されているとは限らないですよね。それと似ています。
上記の例では、(やる意味の)教育や、指差し確認、声に出して確認すること
によって、そうならないようにしているわけです。
■ ダブルチェックの問題点
しかし、ダブルチェックには問題点もあって、2人でチェックすると、全体で
仕事量が増えてしまうということです。
実際のところ、製造業の現場や生産技術担当の考え方として、
「ダブルチェック」という対策は
ミスを発生させない対策が確立するまでの「一時的な手段」
あるいは、
どうしても(他の方法による)対策が難しい場合の「最後の手段」
という感覚です。
安易に「ダブルチェックにすればいい」というわけにはいきません。
というように、ダブルチェックには有効性もありますし、問題点もあります。
デスクワークの中でも、ミスを防ぐためにダブルチェックを導入する場合
もあると思いますので、参考になれば。
今日の記事作成時間は45分でした。
では、また明日!
Posted by 水口和彦 at 23:55│Comments(0)│TrackBack(0)
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