2009年08月31日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

「総花」的な目標は、時間がムダな上に逆効果?


こんにちは。水口です。
今日は、リーダーシップに少し関連した話を。


■ 「反響」「意見」を収集する仕組みの一例

こんな記事がありました。

日テレ選挙特番に“半リアルタイム”視聴者コメント7万件
(ITmedia News) - Yahoo!ニュース


 (『』内は引用です)
 
『 日本テレビ放送網が8月30日に放送した選挙特番で、データ放送を使って
視聴者からのコメントをほぼリアルタイムで表示する「選挙メッセンジャー」を行
い、約7万件のコメントが集まった。「日本を本気で変えてくれ」など、選挙結果
や政権交代に関するコメントが多かったという。

 午後9時から放送した「ZERO×選挙2009」で、地上デジタル放送とワンセ
グ、携帯サイトから18文字以内のメッセージ投稿を受け付け。公序良俗に反
する内容などが含まれていないかなどを確認した上で、データ放送画面にほぼ
リアルタイムで表示した。

 集まったコメントは6万8500件。選挙結果や政権交代に対する期待や感想
を述べたものが多く、データ放送画面には、「国民の生活を第一に考えられる
のか?」「財源は何処から調達すんの?」といったコメントが表示されていた。』

                                  (上記サイトより引用)

今回の選挙特番で、こういうことが行われていたんですね。知りませんでした。
私はテレビ東京の方を見たので。(←これも面白かったですよ)

こういう「コメント」機能は、ネット上のコメントと同じく荒れてしまう可能性もある
ものの、面白い試みだと思います。


■ 社長の訓辞にコメントをつけられるとしたら・・・?

これって、会社でやるとどうなるでしょうか?
そう考えると面白いかもしれません。

たとえば、社長が年頭の訓辞をネットでリアルタイム配信して、それに対して
全社員がコメントできる・・・となると、面白いかもしれません。

もちろん、これも荒れるかもしれませんが、意外に社員の本音が出てきたり、
意外に社長の訓辞の意図が伝わっていないことに驚いたりするかもしれま
せんね。(←こっちは意外じゃなかったりして・・・?)


実際のところ、「社長の年頭訓辞」は面白くないし、分かりにくいものが多い
のではないかと思います。私もそうでした・・・ というと、元の勤め先がバレて
いる(別に隠してない)ので、怒られそうですが(汗)。

ただ、どの会社にも言えることだと思いますが、社長の訓辞は、どうしても、
すべての項目を総括するように作りますから、結局当たり前すぎる内容、何が
言いたいんだか分からない内容になりがちです。

「総花(そうばな)的」というやつですね。

ちなみに「総花」の意味はこうです↓(広辞苑より)
―――――――――――――――――――――――――――――――
そう‐ばな【総花】
(1) 妓楼または茶屋などで、客から一同の者に出す祝儀。
(2) すべての関係者の機嫌をとるために満遍なく利益・恩恵を
   与えること。「―式」「―的な予算配分」
―――――――――――――――――――――――――――――――


■ 「総花的」な目標をやめてみませんか?

一従業員として聞く立場からすると、こういう総花的な目標や訓辞にはがっかり
させられることが多いです。結局、何に注力するのか、何を重視すればいいのか
分からないものになってしまいますから。

これは、リーダーシップの面で意外に重要なことだと思いませんか?


もちろん、「○○を重視するから□□は無視してもいい」という状況は企業活動
の中にはあまり無いものです。「今期は品質向上に重点を置くからコスト無視
でもいい」なんてことは普通ありません。

しかし、そんなことは末端の社員でも分かっていますし、「品質重視と聞いたか
らコストは気にしませんでした」なんてあげ足取り的な言い訳なんてしません。
そう信じてもらった上で、何に重点を置くのか、(会社がどういう方向に向かう
のか)示すのが、リーダーシップとして重要ではないでしょうか。


悪く言えば・・・、

総花的な指示をするのは、何か問題が起こったときに、「俺が(事前に)ちゃんと
言ったじゃないか!」と怒るための保険(責任逃れ)のようなものでもあります。
(言った本人にそういうつもりがなくても、そう聞こえます)

気になることは色々あるし、色々言いたい。その気持ちは分かりますが、あえて
言うことを絞ることで伝わることもある。私はそう考えます。

どうしても総花的になってしまう場合は、せめてその中で項目別に重点目標を
1つ選んではっきり宣言するとか。そういう工夫は必要だと思います。



そしてこれは、社長の訓辞だけでなく、もっと小さなチームでも同じこと。

リーダー的な立場にある人は、自分が「総花的」な言い方をしていないか、
という視点を持つことは必要だと思います。



今日の記事作成時間は28分でした。
では、また明日!


このエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーをはてなにブックマーク
Posted by 水口和彦 at 23:45│Comments(2)TrackBack(0)

時間管理術研究所の無料メールマガジンで
モチベーションアップしてみませんか?
メールアドレスを入力すれば登録できます! → 
バックナンバーはこちら
Copyright (c) 2005-2014 BizARK Inc. All rights reserved.
この記事へのトラックバックURL
(参照リンクの無いトラックバックは受け付けておりません)
この記事へのコメント
 例えば社員数人のプロジェクトチームがそのまま法人化したような会社なら、「総花的なことしか言わない社長」にはついていかれません。
 しかし、様々な部署に、それぞれに人員を配した大きな会社で、「総花的なことさえ言えない社長」にも、なんだかガッカリです。
 そうした大きな会社での社長の訓示とは、「方針の提示」であり「目標とする到達点」を示す物であり、要約すれば「とにかくみんな頑張れ」です。

>もちろん、「○○を重視するから□□は無視してもいい」という状況は企業活動の中にはあまり無いものです。

 それを社長が口にしたら、一方の部署のモチベーションが下がります。その社長は「社員のモチベーションを下げる悪い上司」です。

>しかし、そんなことは末端の社員でも分かっていますし、「品質重視と聞いたからコストは気にしませんでした」なんてあげ足取り的な言い訳なんてしません。

 社長の垂れる「方針」を「手順」に訳して「到達点」への道筋を「具体化」するのは各部署長の仕事でしょう。
 技術系の部署のリーダーなら「品質向上」が、経理を司るリーダーなら「冗費削減」が最重要項目です。その為にドコを押さえてナニを抑えるかを現場のメンバー其々に指示を与えると云う事は、(大会社に於いては)社長の仕事では無いと思います。

>そしてこれは、社長の訓辞だけでなく、もっと小さなチームでも同じこと。

 総大将として数千人を束ねるリーダーと、小隊長として数人を束ねるリーダーとではメンバーから求められる物が違うのではないでしょうか。もちろん小隊長が総大将の視点を、逆に総大将が小隊長の視点を、各々共有理解できていれば理想的です。しかし、それぞれの立場に与えられた仕事は同じではないと考えますが、いかがでしょうか。
Posted by gato at 2009年09月02日 01:47
水口です。
gatoさん、ありがとうございます。

ちょっと言葉足らずだったかもしれませんね。すみません。
ここで言う「訓辞」は経営方針のことではなく、年頭などに聞く社長のお話のことです。
(経営方針はもちろん必要で、各部門にブレイクダウンしていくのはこちらです。
 まあ、経営戦略の方まで「総花」的だと、ますます致命的ですが・・・)

会社によって多少違うかもしれませんが、訓辞でよく聞くのは、
「厳しい経営環境の中、一層の努力が必要だ」という話の後で、
コストも大事、品質も大事、安全も大事・・・と続くものです。
(その内容も毎年代わり映えしません)

それが数分に渡って続きますので、中にはまともに聞いていない人もいます・・・。
また、真面目に聞いていても、結論は「結局、全部大事ってことね」となってしまう
ので、あまり意味が感じられないんです。

「社長の生声をみんなで聞く」というセレモニー的な意味合いもありますが、
(私はそういうセレモニーをすべて否定するわけではありません)
どうせセレモニー的なものをやるなら、誰にでも分かりやすいものに
してほしいと思うんですよね。
Posted by 水口和彦 at 2009年09月02日 06:12
 

※ スパムコメントがあまりに多いため「http://」は使用不可の設定にしています。
  URLをご紹介頂く場合は「http://」を省くか全角文字を使用して頂けますと
  幸いです。