2009年09月08日     このエントリーをはてなにブックマークこのエントリーを含むはてなブックマーク

ビジネス書を読むコツ: 「なるほど君」から脱却しよう


こんにちは。水口です。

昨日は「本を読むこと」について書きましたので、今日は
その続きとして、「本の読み方」についての話です。


■ 「本を読むな」というアドバイスもある?

本を読むことは、ビジネスパーソンにとって必須のこと。
・・・と私は考えていますし、同じことを言う人は多いです。

しかし、なかには反対の意見を述べる人もいます。

最近、何かの雑誌(だったと思う・・・)の経営者のインタビュー記事で、
「本を読みすぎてはいけない」という発言をされている方がいました。


それが誰だったかは覚えていないのですが (すみません)、
その、「本を読み過ぎてはいけない」という理由は、

  「本を読んでばかりいると、自分の頭で考えなくなるから」

ということでした。


こういう意見に対し、「読書推進派」の人は、

  「本を読んだからといって、自分の頭で考えなくなるわけじゃない」
  「本で知識や考え方を吸収するからこそ、自分の考えが生まれるんだ」

という反論をするでしょう。私も基本的にこの意見です。
でも、考えてみると思い当たる節が無いわけでもありません。


■ 「なるほど!」のくり返し

私は20代の頃は、ビジネス系の本はたまに読む程度でした。
(その頃にもっと読んでおけば・・・と思うところがあります)

本格的に読み出したのは30歳ごろからです。通算すると千冊以上は確実に
読んでいますが、そのなかで本の読み方は段々変わってきたと感じています。


たとえば、ビジネス系の本を読み始めた頃、その内容は自分にとって新鮮だし、
知らないことが多いので、書かれていることをどんどん「吸収する」という感じ
でした。

「知識を貪欲に吸収する」というと、何だか格好良さげですが、実際のところ
「うのみ」にしていただけじゃないか・・・という気もします。

  ある本を読んで、「なるほど!」と思い、
  またしばらくして別の本を読み「なるほど!!」と思う。

  でも、最初の本と、後の本に書かれているのは、
  まったく逆のことだった・・・。

なんてこともありました。


たとえば、「経営」に関して、正反対の意見があることは珍しくありませんし、
(典型的には「儲かればいい派」と「お金は後から付いてくる派」の違いです)
「時間術」「仕事術」の分野でもまったく違う方法を推奨する人もいます。

ですから、

  ある本を読んで、「なるほど!」と思い、
  別の(正反対の)本を読み「なるほど!!」と思う。

ということもあるわけですが、これではその都度考えが変わってばかりで、
自分の考えや行動に、いわゆる「ブレ」が出てばかりになってしまいます。

典型的な例は、何か新しい(カタカナの)経営手法が話題になると、その
言葉を頻繁に口に出すようになるけれど、それをきっちり実践する間もない
うちにまた次の流行りに飛びつく・・・といった人。

それ以外にも、自己啓発系の分野ではそういう読み方をしている人は
結構いるような気がします。「成功」する本をたくさん読みまくっているの
に、いつまで経っても大して変化がない・・・という人です。


確かに、こういう状況を見聞きすると、「読書に弊害がある」という意見を
持つ人もいて当然という気もします。


■ 「なるほど君」から脱却しよう

ネット上で(リアルでも)、人に聞いてばかりで自分で考えようとしない人
のことを総称して、「教えて君」と呼ぶことがあります。

本をたくさん読む人は、自分で知識を吸収しようとしているわけで、この
「教えて君」よりは、一歩も二歩も先を進んでいます。

しかし、いくらたくさん本を読んでいても、新しい本を読むたびに考えが
ブレるようだと困るわけで・・・ こういう人のことは、


  「なるほど君」


と呼ぶといいかもしれません。

  ある本を読んで「なるほど」。
  また別の本を読んで「なるほど」。
  でも、考えがブレてばかりで、結局自分の意見が無い。

そんな人のことです。


そんな私も、以前は「なるほど君」的な読み方でした。ですが、段々変わって
きていることを感じます。具体的にどう変わったかというと・・・、一番の違いは
「考えながら読む」ことです。

昔はどんな本も、一気に本の内容を追いかける(理解する)ことに必死でした
が、今はどちらかというと、本の内容について「考えながら」読んでいます。

ですから、ときには「ここは違うんじゃない・・・?」とか思うこともありますし、
そういうところでは、ちょっと立ち止まって考えてみます。
(本の余白に自分の考えをメモしたりすることが多いです)

昔の読み方が「吸収する」読み方だとしたら、
今の読み方は「自分が考える」ための読み方かもしれません。




最初は誰でも「なるほど君」。
でも、段々変えていかないといけません。

経験上、こういう読み方の変化は、本を多く読むなかで
自然に起るものだと感じています(私の場合そうでした)。

しかし、読み方の変化を促進するために役立ったポイントは
いくつかポイントがあったと思います。

たとえば、

・ 「ん?」と疑問に感じたときは、先に進む前にそこで考えてみる
・ 気になるところ、後で見返したいところに線を引いてみる
・ 本の余白に要点や自分の意見を書き込んでみる
・ 同じ分野の本を何冊も読んでみる (できれば違う著者で)

といったことを意識的に行うと、「なるほど君」から早く脱却できる
ように思います。

逆に、

・ 読書数を競うように「速く読み終える」ことにこだわってしまう

のはあまり良くないのかも・・・と思います。「速く読み終える」ためには、
どうしても「吸収」が主体になりがち。「思考」は少しおろそかになる気が
します(あくまでも個人的な感覚ですが)。

※ 私の場合、今は「速く読む」ことにはそれほどこだわっていません。
   慣れ(訓練?)の結果として、読むスピードは昔よりも速いですが、
   「速さ」や「数」を競う意識はありません(←昔は少しありました)。



いくら読書数を自慢しても、いつまでも「なるほど君」のままじゃ、
ビジネスパーソンとして、ちょっといけてないと思います。

ですから、読み方をいろいろ工夫してみるのもいいと思いますよ。
私も、これからはもっと意識的にやってみようと考えています。



今日の記事作成時間は60分でした。
では、また明日!


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Posted by 水口和彦 at 23:55│Comments(0)TrackBack(0)

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